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花の妖精のお手伝い ~枯れ木に花を咲かせましょう~
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【息子の友だち】
星ヶ丘の古びた洋館『Chambre des écarlate』の中庭にて、
ロザリー・マルリアーヴ
はゆったりと花壇に手を加えていた。
荒れ放題だった中庭の本格的な手入れはとうに終わっていたけれど、見た目の雰囲気はあまり変わらず、今も不気味な空気を漂わせている。
ロザリーが今も花壇を見ているのには訳があった。
本来咲き始めてもおかしくないクロッカスが、蕾すらつけていないからだ。
「不思議なものね、そろそろ咲くはずなのだけれど。おかしいわ、蕾すらもないなんて……。ちゃんと植えたのだけれど、どうしたのかしらね」
開花という現象は植物の種類によっては非常に繊細なバランスの上に成り立っている。
だから、ちょっと土壌や気温が変わっただけで咲かなかったり、蕾をつけないなんてことはままある話だ。
しかし、クロッカスは比較的丈夫な品種で、日当たりと水はけさえ良ければ植えておくだけでも勝手に育つほどの植物。
たとえロザリーの植え方が大雑把だったとしても、さほど問題にはならないはずだし、多少の天候不順では、蕾すらつかない理由にはならない。
「どうしたものかしらね……。って、あら?」
肥料でも加えようかと、再び花壇に向かったロザリーは、蕾がつかないクロッカスの側に小さな人影を見つけた。
人影と言っても身長20cmほどの存在を人と言っていいのなら、だが。
それは緑色のワンピースを身に着けたショートカットの女の子だった。
「あら、かわいい子。あなた一体どこからきたの?」
不思議な存在のはずなのに、ロザリーにとってそれは重要ではなかった。
まるで近所の子どもが迷い込んできたかのように問いかける。
妖精は質問に正確に答えようとしているのか、うんうん唸って考えた後、空とクロッカスを交互に指差した。
「喋れないの? そう。でも言いたいことはなんだか分かるわ。あなた、クロッカスに力を与えにきたのでしょう」
妖精は曖昧な表情で頷く。どうやら、自分でもよく理解できてはいないようだ。
「ふぅん。まぁ、いいわ。とにかく一旦お部屋に入りましょうか。ここではあなたを踏んでしまいそうだわ」
妖精を手に乗せると、まるで重さを感じなかった。
足を拭いてあげようとしたが、はいているブーツは土はおろか埃すらついていない。
「ますます不思議な子ね。でも、きれいな服は嫌いではないでしょう?」
何着か人形用の洋服を持ってくる。妖精はもじもじしながら服とロザリーを伺った。
「ふふ、照れているのかしら。変な子ね。遠慮なんてしなくていいのよ。それにきれいな身なりでないと息子と会わせる訳にはいかないわよ?」
わざと眉を吊り上げて意地悪そうな笑みを浮かべると、妖精は電気にうたれたように飛び上がり、急いで服を合わせ始めた。
「あらあら。ちょっと脅かしすぎたかしら。そんなに慌てなくてもちゃんと紹介してあげるわよ」
緑のドレスを着て、綺麗に髪をとかし、ネックレスとティアラをつけると、妖精はお姫様とまではいかなくても、貴族の子女としてなら十分通用するぐらいになった。
「あら、見違えたわ! ふふ、嬉しい。私の息子に会うためにそこまで一生懸命準備してくれたのね」
顔を真赤にして俯く妖精に「あなた、本当にかわいいわ」と呟くと、ロザリーは別室からボロボロのぬいぐるみを大切に抱きかかえてきた。
「紹介するわね。私の息子よ。ほら、照れてないで自分で名乗りなさい」
果たしてそれは演技だったのだろうか。
それとも妖精にはモノに宿る魂が見えるのだろうか。
妖精は顔をますます赤らめて、ぎこちなくスカートを摘んで貴族風の礼をし、その後一生懸命ぬいぐるみに話しかけている。
ロザリーは微笑ましいものを見るようにその様子を眺めると、静かに席を外してお茶の準備に行った。
「せっかく息子に友だちができたのですもの。ホットケーキでも焼いてあげましょう」
ホットケーキミックスと卵と牛乳を用意する。分量通り量ってロザリーなりに丁寧に混ぜ合わせる。
「事前に来ることがわかっていれば、もっと手の込んだおやつが用意できたのだけど、それは言っても仕方がないわね」
フライパンに油を引いて、ミックスを流し入れる。
弱火でゆっくり焼き、気泡が安定してきたらひっくり返してさらに数分。
「できたわ。……あら、モンブラン?」
意図したものとは別の料理が完成する、ろっこん『Alchimie』が発動し、フライパンの中身はなぜかモンブランになっていた。
ロザリーは何の疑問も抱かず、結果だけを受け入れる。
「よかった。あの子の歓迎にはちょうどいいわね」
妖精でも十分食べられる大きさに切り分けて、紅茶とともに運ぶ。
部屋では妖精がぬいぐるみと隣り合って座り、おしゃべりの真っ最中だった。
「あらあら、本当に仲良くなったのね。嬉しいわ。さぁ、お茶にしましょうか」
妖精はまた飛び上がると、火照った頬を両手で冷やし、ロザリーのお手伝いをしようと自分のおやつをのせたお盆を受け取った。
どこで食べようか、とウロウロする妖精を見て、ロザリーはポンと手をうつ。
「ちょうどいい物があるわ。あなたならきっと入れるはずよ」
別室からドールハウスを持ってくる。幼少の頃に使っていたものだがもう随分長い間放っておいたので、かなり薄汚れていた。
ウエットティッシュで中の床やテーブルを拭いて、とりあえず使えるようにする。
妖精は緊張したように扉を三回ノックした。
「鍵は開いているわ。どうぞ、入って」
ロザリーの返答に恐る恐る扉を開ける妖精は、中に入ると感激したように身を震わせた。
幼少の頃のものだからこそ、とても質が良いドールハウスだ。妖精からすると貴族の別荘にでも招待されたように感じるのかもしれない。
テーブルにケーキと紅茶をおいて、準備万端でおやつの時間。
「ふふふ。今日はとっても楽しい日ね。あなたと出会えてよかったわ」
照れる妖精と上機嫌なロザリー。
どこかいびつで、でも確かに幸せなお茶会。
おやつを食べることができない、ボロボロのぬいぐるみだけが、その不可思議な様子を静かに眺めていた。
お茶会が終わり、食器を片付けると、妖精はロザリーにむかって頭を下げた。身振り手振りで何かを伝えようとする。
「……そう。もう帰るのね。寂しいわ、私も息子も」
肩を落とすロザリーに、妖精は一生懸命笑顔を浮かべた後、服を脱ごうとして止められた。
「それ、あなたにプレゼントするわ。だってとっても似合うもの。息子もそれがいいって言っているわ」
驚きつつも感謝の気持ちを表した妖精は、少しずつ消えながらドレスを翻して庭の方へかけていった。
「ダメよ。男の子ならこのぐらいで泣いては。いつかまた出会うときのためにがんばりなさい」
ぬいぐるみを優しく抱き寄せ、額にキスした後、ロザリーは中庭に出てみた。
花壇のなかでは、まるで先程のドレスのように美しい質感を帯びたクロッカスの花が、見事に咲き誇っていた。
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あとがき
担当マスター:
阿都
ファンレターはマスターページから!
シナリオガイドを担当しました、阿都(あと)と申します。
ご参加ありがとうございました。
最後までリアクションをご覧下さり、心から感謝申し上げます。
そして、大変長らくお待たせいたしました。申し訳ございませんでした。
ゲームマスターとして、お恥ずかしい限りです。
また機会がいただけましたら、このようなことがないように努めてまいります。
それではあたらめて、最後までご覧下さりありがとうございました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月05日
参加申し込みの期限
2016年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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