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花の妖精のお手伝い ~枯れ木に花を咲かせましょう~
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【次は桜の咲く頃に】
その日、
跡野 茉莉
はいつものように散歩をしていた。
暦の上では春を迎えつつあるこの時期、風景は少しずつ彩りを増していく。
散歩の最中、花を咲かせ始めた河津桜を見るのは、跡野にとって楽しみの1つだった。
道を歩くたびに増えていくピンクの花は、ゆるやかで健やかな季節の移ろいを感じさせてくれる。
特にこの数ヶ月、その身に宿った『ろっこん』について悩んでいたから、なおさら「正常な時の流れ」を実感できることはささやかな支えになっていた。
だから、気になっていたのだ。
時において行かれたように、蕾すらつけていなかった桜の大木のことが。
だから、驚いたのだ。
突然に蕾が出てきたことに。
「あー……。どういうこと?」
ゆっくり近づいていくと、樹のそばに女の子がしゃがんでいた。
かすかに見覚えがある。たしか同学年だったはずだ。
だが、それよりも。
その子が伸ばした手の先にいる、童話の中から出てきたような存在に目が釘付けになった。
思わず立ちすくんでいると、しゃがんでいた女の子が跡野に気がついた。同時に指先にいる人形のような存在も跡野を見て首を傾げている。
無表情の跡野がある空間をじっと見つめていれば、何も知らない者ならば少々不気味にすら思っただろう。
しかし、しゃがんでいた
回田 はつな
はすぐに気がついた。
「あの〜。もしかして、妖精ちゃん見えてる~?」
「妖精ちゃん? ……その小さな女の子なら見えてるけど」
「うひ~! 今時間ある? 私一人じゃ不安だから、ここに居て欲しいんだ~!」
「え、ええ。いいけど。私も散歩していただけだから……」
「ありがと〜! 本当に助かっちゃうよ〜!」
「助かる? どういうこと?」
「うん。実はね……」
初対面ということもあり、簡単に名乗りあった後、回田は事情を説明した。
「その妖精さんを楽しませると、桜の木が元気になるということ?」
「う〜ん。たぶん、なんだけどね〜」
二人はそろって確認するように妖精を見つめてみたが、不思議な少女は首を傾げただけだった。
本人に自覚がなさそうなので確証はない。しかし、回田が見たことは事実。
それはともかく、こんな出会いはまたとない。
跡野はとりあえず、指先を妖精に差し出して声をかけた。
「私は
跡野 茉莉
っていうの。よろしくね」
妖精は跡野の指に手をおいて、恥ずかしそうに笑って頭を下げた。
えっと。うん……。
「可愛いよねぇ〜!」
「あー……そうね」
ニコニコ笑って素直に感動を表現する回田に、少し心揺れながら跡野もまた無表情ながら頷いた。
「さ〜。どうやって楽しんでもらおうかなぁ〜」
「……始めは何に喜んでくれたの?」
「う〜んとね。あ、そうだ! 茉莉ちゃんって花の名前だよね! よ〜っし! 妖精さんも見てて!」
回田はその場に立つと目を閉じて、妖精と出会ったこと、跡野と知り合えたことの嬉しさに心を委ねる。
ろっこん『物言う落花』は気持ちの昂ぶりに応じて、花と花弁を召喚する力。
今この場で出会えた二人への思いに形を与える力。
それはどうやら回田自身が思っていたよりも、ずっと大きな感動だったようで。
「……すごい」
跡野のつぶやきとともに、妖精が踊るように飛び跳ねている。
その場はまさしく花吹雪に覆われたかのよう。
舞い散る花弁は大小様々、色彩豊か。冬の透き通った空気を彩る風花は暖かな雰囲気をまとっていた。
なんて、柔らかで。
なんて、優しい力。
跡野はその場を包む回田の『ろっこん』を肌で感じて、ほんの少しだが心に刺さっていた棘の傷みが薄れたような気がした。
同時に胸の奥がせつなくもなったけれど。
再びその場にしゃがみこんだ回田は、照れ笑いを浮かべた。
「うひ〜。茉莉花を出そうと思って頑張ってみたけど、やっぱ狙っては無理みたい〜」
「これって『ろっこん』……?」
「うん、そう! って『ろっこん』を知ってるんだ? 茉莉ちゃんも『もれいび』?」
「あー……それは」
「あ〜! 茉莉ちゃん、髪にお花ついちゃった!」
「え?」
「うひ~、可愛い~!……ってごめんね、今取るね」
「……!」
跡野の髪についた桜色の花を取ろうと手を伸ばす回田を止めたのは、小さな花の妖精だった。
二人の間に飛び入り、両手を広げて首を振り、懸命に自分の帽子と跡野の頭を指差す。
「……えっと、おそろいってことかな〜?」
回田の解釈は当たっていたようで、妖精は大きく頷く。そして跡野を見上げて、照れたようにはにかんだ。
回田に「可愛い!」と言われて。
妖精に「おそろいで嬉しい」とゼスチャーされ。
跡野は素直に嬉しかった。
たとえ表情には何も浮かばなくても。
「えっと、茉莉ちゃんどうする?」
「……このままにしてくれたら嬉しいな」
「そか〜。うん! とっても似合ってるもんね!」
「そう?」
何の含みもない同級生の笑顔と、頬を桜色に染めて頷く妖精の姿を見れば、答えははっきりしている。
跡野はかすかに視線を落とした。
「はい、妖精ちゃんにもプレゼント!」
「!!」
特にきれいな赤い花びらを渡すと妖精は軽く飛び跳ねて喜びを示す。
二人の様子をみていた跡野は、ふと思いついて、買ったばかりのストラップを取り出した。河津桜の花形ステンドグラスがついている、この時期の限定品だ。
グラス部分を日にかざし、淡いピンク色の光を地面に写してみせる。
何が琴線に触れたのか。
妖精はびっくりしたように目を瞬かせ、ステンドグラスと地面を交互に見ると、頬に手を添えて笑みをこぼした。
そして光のもとに駆け寄り、スカートを軽く抱え、軽やかにステップを踏み出す。
映る光のゆらぎに合わせて、ときに重さを感じさせないように跳ね、ときにつま先でリズムを奏でる姿はとても楽しそうだ。
葉でできているドレスがシルクのように柔らかに翻った。
「うひ〜! すごい! 可愛い! ステキ〜〜〜!」
「……あ。花」
感激した回田の『ろっこん』がまた発動する。
ステンドグラスのスポットライトを浴びて、花吹雪のなかで華麗なステップを踏む身長20cmの女の子は、ときどき跡野を見上げて楽しそうに手を振った。
その様子が夢のようで、その仕草は可愛すぎて、内心どうしたらいいのか分からなくなり、瞳を奪われてしまう。
回田も夢中で妖精のダンスに拍手を送っていた。
「桜……」
舞い散る花吹雪の中に桜の花びらが混じっていることに気がついた二人が見上げると、いつの間にか河津桜は満開になっていた。
「茉莉ちゃ~ん! 今日はありがとね~! また……また学校でね~!」
「ええ、また、ね」
ダンスが終わってすぐ、妖精は桜の樹に吸い込まれるように消えた。
見たもの全てが幻想のように思えたけれど、確かに河津桜は満開になっている。
回田は、跡野を見送った後、木に向かってお願い事をした。
心を込めて、妖精に届くように。
「妖精さんが元気で居られますように。茉莉ちゃんともっと仲良くなれますように!」
……うひ~、叶うといいな〜!
いつもよりも2割増しの笑顔を浮かべると、回田は家に向かって歩きだした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月05日
参加申し込みの期限
2016年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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