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花の妖精のお手伝い ~枯れ木に花を咲かせましょう~
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【もう一人の妹】
とある休日。
鴻上 彰尋
は少々困惑していた。
「クッキー減ったー」
「ずるーい! いつ食べたの?」
「食べてないよー!」
幼い弟と妹が騒いでいる。
元気のいい弟たちが騒がしいのは今に始まったことではないけれど、今回は原因が少々普通とは言えなかった。
騒ぐ弟たちにはどうやら見えていないようだが、テーブルの片隅でお腹を擦って満足そうな顔をしている小さな存在がいるのだ。
身長は15cmほどだろうか。タンポポの綿毛のようにふわふわのセーターとショートパンツの姿をした、少年のような女の子が足を投げ出してテーブルの上に座っている。
どう見てもファンタジーな存在としか思えない。
寝子島だからなんでもありえるといえば、そうなのだが、心のどこかで家に帰ればそういうものとは無縁だと思っていた。
家族ぐるみでおつき合いがあるご近所さんに、母から頼まれた届け物をした。
その庭先に植えてあるクロッカスがきれいで、ついつい見惚れていたのだが、気がついてしまったのだ。
他と比べて貧相なクロッカスの株が1つだけあり、その横に所在なげに立っている小さな人影に。
自他共に世話好きの鴻上といっても、わざわざ率先して異常現象に手を出そうとは思わない。しかし、どうにも避けられないということはままあるもの。
予感はしていた。視線があったときにその妖精ともいうべき存在が、それはもう好奇心に満ちた瞳で見返してきたから。
「……怪異にあった時は目を合わせてはいけないというけれど、本当のようだね」
しかし、帰り道、小さな体で一生懸命追いすがる姿を見て、ふと思い出してしまった。
昔の妹の姿を。
今よりももっと幼かった妹も、よく自分と兄を一生懸命追いかけてきたものだ。
その光景を思い出してしまった鴻上には、もう妖精を見過ごすなんてできなかった。
弟たちの昼食にサンドイッチを作りつつ、妖精用サイズも用意し、妹のお人形遊び用のお皿にもる。
「これなぁに?」
テーブルに持っていくと、案の定妹が聞いてきた。
「クッキーがなくなったんだろう? もしかしたら妖精さんがいるのかもと思ってね。その子の分」
「えええ! 妖精さん?」
「いるの? そんなの!」
こういう時は真実を告げたほうがかえって冗談になる。
「さあね。でも、もしいるとしたらクッキーを食べちゃうほどお腹が空いているんだよ、きっと。俺達だけご飯を食べたら可哀想だろう?」
「うん! そうだね」
「変なの。でも、ま、いっか」
おとぎ話のような言い訳を受け入れる弟たち。
ウキウキとお皿の前に座っている妖精が見えたなら、びっくりしつつも喜ぶだろうに、と苦笑する。
さっきクッキーを2枚も平らげたのに、サンドイッチにも興味津々だ。あの大きさで、どれだけ食べることができるのだろうと、不思議に思う。
すぐにテレビに夢中になった弟と妹が、食事が終わったあとサンドイッチが無くなっていることに気づいてまた大騒ぎになった。
弟たちの驚きぶりが面白いのか、妖精はずっとお腹を抱えて笑っていた。
午後から夕飯の買い物にでかけようとすると、妖精は待ってましたとばかりに身軽に肩に飛び乗る。
まるで体重を感じないことが、ファンタジー感を強めた。
2月になり暖かな日も増えたが、また風は冷たい。
ふと気になって妖精を見ると、肩に腰かけて寒さなど感じないとばかり周りを眺めている。来る時は路面を走って追いかけてきたから、この高さが珍しいのだろう。
しかし、ショートパンツ姿は見ている方が寒々しい。
「寒くないかい? 入る?」
ジャケットの胸ポケットを引っ張り話しかけてみると、肩から滑り落ちるようにして胸ポケットに収まった。鴻上を見上げてニコニコしている。
弟たちの反応からして普通の人には見えないようだし、もし見えるなら「もれいび」だろうから事情を察してくれそうだ。
家からキャットロードへ向かってゆっくり歩いて行く。
どうもこの妖精は食欲大魔神のようで、何か食べ物が売っているととりあえず反応する。
特に石焼き芋の店頭販売では、涙目で懇願してくるのでついつい買ってしまった。
家族の分も忘れずに購入してから、ひとかけら渡すとそれはもうステキな笑顔で食べていた。ほっぺたが落ちるという表現を表情にしたらこんな感じだろうか。
美味しいものを食べるとき、弟たちもこんな風に周りが幸せになるような表情を浮かべる。
だから鴻上が、妖精に対して保護欲をかきたてられたのは当然だったのかもしれない。
それからは、まさに兄妹のウィンドウショッピングだ。
妖精も楽しんでいるようで、何か気になるものに出会う度に、鴻上の胸をトントンと叩いて知らせる。それがまた、昔、妹が控えめに自己主張するときに上着の裾を引っ張る様子に似ていた。
本当に妹が一人増えたような気になって、おもちゃ屋の人形用のティーカップを選ぶ。
「それでいいのかい?」
妖精は力いっぱい頷く。
華やかな花柄のティーカップ見て、頬を染める妖精を見て、なんだか微笑ましく思う鴻上だった。
買い物を終えて、帰路につく。
途中、妖精がいたクロッカスの花壇がある家の前を通った。
その時、トントンと胸を叩く感触。
ポケットを見ると、妖精がちょっと寂しそうな顔をして出てくるところだった。
ああ、と思う。
「……そっか。そうだね。ここが君の家だから」
妖精は頷くと、鴻上の手にしていた買い物袋を指差す。
すぐに思いいたって、今日買ったティーカップを取り出した。
妖精はそのカップを持って顔を真赤にして笑うと、何度も頭を下げてから玄関先の花壇へと走っていく。
「なんだか急に妹が独り立ちしてしまったみたいな感じ。我ながら変な疑似体験をしてしまったなぁ」
鴻上は霞むように消えていく背を見送りながら、そっと微笑んだ。
後日。
鴻上は母親から、ご近所さんの花壇で枯れると思っていたクロッカスが、一晩で花を咲かせたという話を聞いた。
しかもそのクロッカスの側にはなぜか、新品同然のオモチャのティーカップがまるでお供え物のように飾ってあったそうだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月05日
参加申し込みの期限
2016年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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