炎と再生のサンクチュアリ｜リアクション

炎と再生のサンクチュアリ

● エピローグ

　ふと気づくと、御巫時子は理科室にいた。
「目が覚めましたか？」
「あれ、私……」
　冬の夕日が差し込んでいる。放課後、いつものように理科室に寄って、五十嵐尚輝先生が実験しているのを見ているうちに寝てしまっていたらしい。
　先生はいつもの先生だった。鳥の楽園のことなど欠片も覚えていなさそうな顔だ。
（夢、だったのでしょうか……）
　そのとき彼のもじゃもじゃ頭からぴょこっと小鳥が顔を出し、「チチ」と小さく一声啼いた。
　無自覚な、五十嵐先生のろっこん……。

　先生の髪が、夕日の色で、赤く燃えているようにも見える。もじゃもじゃ髪とだぶるように一瞬、鳥たちの楽園＜バードサンクチュアリ＞の幻影が見えた気がして、時子は思わずこんなことを考える。
　すべては先生の頭の上で起こっていた……なんて……。

（……ふふ、考えすぎですよね？）

＜了＞

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あとがき

担当マスター：笈地行
ファンレターはマスターページから！

ご参加ありがとうございます、笈地です。
今回は、天使と悪魔のイラストキャンペーンにご参加の方へのプレゼントシナリオということで
みなさま素敵なイラストで眼福でした。

また、ネタ自体もクローネ絡みということでしたがいかがでしたでしょうか。
墨谷マスターのホワイトシナリオ「天使と悪魔のロマネスク」や、
巴マスターのゴールドシナリオ「パーフェクトワールド」シリーズにご参加のみなさまには、
あそこのあれはこれだったのかーというのがあったのではないかと（あったらいいなと）思います。

＜今回のシナリオを受けて……＞
クローネは、太陽を象徴する『ホルスの右眼』を手に入れました。
天界のクリスタルフォレストには、七峯亨さん似の氷の像（女神作）が立つことでしょう。

それでは今回もありがとうございました。
またのご縁を楽しみにしております。

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