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【5】寝子島遊覧飛行 その3
小さく溜息をついて、展望台前駅に到着したロープウェイから降りたのは、
虚金 俊通
だった。
朝、登校の支度をしているところに、バイト先のリサーチ会社の上司から連絡があった。
ねこったーやネコ島Chで噂になっている、突然生える翼について調べてリポートしろというのだ。
「あの上司の地獄耳は。ぜってー俺以外の調査員連れ込んでるぞ!」
電話を切ったあと、思わずぼやいたものの、愚痴っていてもしかたがないし、ともかく翼の件について調べよう――と、本日は登校を取りやめて、調査を開始した。
まずは、ネット上の噂を検索してみた。
その結果、翼が生えたから会社や学校を休んで空を飛んでみた、という書き込みが多く引っかかって来た。
中には具体的に、人目につきにくい九夜山上空や海の上を飛んだ、あるいは飛んでいる、と書き込んでいる者もいた。
そこで俊通は、実際に翼の生えた人物を求めて、九夜山へと足を運んだというわけだ。
ロープウェイを降りて、とりあえず展望台へ行こうと、彼は歩き出す。
その頭上を、影がよぎった気がして、彼はふと顔を上げた。
「……あれは……!」
雲一つなく澄んだ空に、大きな翼を持つ影が四つ、飛んでいるのが見えた。
慌てて彼は、首から下げた双眼鏡を目に当てる。
飛んでいるのは、たしかに人間だった。
彼はその影を追って、駆け出した。
どうやら、四人が目指しているのも展望台だったらしい。
俊通より先に到着した四人は、地上に舞い降りると楽しげに笑い交わしている。
小走りにそちらに向かいながら、俊通は内心に小さく溜息を落とした。
(しっかし、みんななんだかんだ言って、楽しそうだな)
ネットの書き込みを見ても、手放しで楽しんでいるか、困りながらも一方では楽しそうなものばかりで、彼からすればなんとなく羨ましくもある状況だ。
もちろん、今回の翼騒ぎの原因がなんなのかは、わからない。
ネット上では、訳知り顔に「神魂の影響に違いない」などと書き込んでいる者もいたが、それもまた噂の域を出ないものだと俊通は思った。
なので、翼の生える・生えないが性格に関連しているのかどうかは、定かではない。
だがなんとなく、俊通は自分に生えなかったのは、自分自身に問題があるからだというふうに考えてしまっていた。
(俺もああいうのには憧れるが……どーもうまく行かないんだよなぁ)
胸に呟き、現実主義なのと、思いや願いに対する感情が希薄なのと、性格のせいのどれが原因だろうかと考える。
(案外、全部だったりしてな)
苦笑と共に胸に呟き、「ま、そんなもんだし、仕方ないか」と声に出してぼやいた。
そうこうするうち、展望台へとたどり着く。
「やあ、みなさん。こんにちわ」
声をかける彼に、ふり返ったのは小淋、修、凛、美咲紀の四人だった。
+ + +
その同じころ、
恵御納 夏朝
もまた、九夜山の上空を飛んでいた。
といっても、もし彼女を知っている者がその姿を見たとしても、夏朝だとはわからなかったかもしれない。
彼女は長い黒髪のウィッグをつけ、体に自作の羽衣をまとっていたからだ。
彼女の背に生えたのは、少し橙色がかった白い二枚の翼だった。
背中が剥き出しにならないよう、手持ちの服に翼を出せる穴を自分で加工して作り、そこから翼を出して飛んでいる。
実は、九夜山に登るまでは、たたんだ翼を一見リュックに見える自作のカバーに入れて隠していた。
今はそれは、体に掛けた布カバンの中だ。
ちなみに、ウィッグや羽衣は、山に登るまではこのカバンの中に入っていた。
(翼で空を飛ぶの、初めて……かも?)
展望台の近くから、周囲に人の姿がないことを確かめて空に舞い上がり、彼女は胸に呟く。
片手につけた猫パペットのハルくんと共に、展望台より北をゆっくりと飛んだ。
(景色が綺麗……。それに、風も気持ちいい……)
白い息を吐き出しながら、悠然と翼を羽ばたかせる。
そうやって、空中散歩を楽しんでいた彼女だが、少しばかり空腹になって来た。
朝、翼があることに気づいてから、服を改造したりリュックを作ったりと準備に余念がなかったため、九夜山にたどり着いたのは午前中でもけっこう遅い時間だった。
(何か、食べるもの持ってくればよかったな。一旦、山を降りるしかないか……)
そんなことを考えながら、徐々に高度を下げていた彼女は、展望台に人がいることに気づいた。
一人の手の中で日の光を浴びて一瞬輝いたのは、スマホだろうか。
夏朝は、内心に慌てつつも再び高度を上げた。
(写真、撮られてたらどうしよう……。顔と、ハルくんは写ってないといいな)
そんなことを思いながら、再度そちらに視線を向ける。
そして気づいた。そこにいるうちの四人の背には、翼があるように見える。
(僕と、同じ人たち?)
警戒しながらも、彼女はゆっくりと高度を落としてそちらに近づいた。
ある程度顔が見分けられるようになると、そこにいるのが小淋、修、凛、美咲紀の四人だとわかった。
友人たちの姿に安堵して、彼女はそこに舞い降りる。
驚く彼らに、ウィッグをはずして小さく手をふった。
四人の方も、相手を夏朝と知って笑顔になった。
お互い、なぜここにいるのかを報告しあったあと、修が一人だけ翼のない俊通をふり返った。
「彼は、今回の翼の件を調べているんだそうだ。俺たちは翼の生えた経緯や、飛んだ感想なんかを話していたところさ」
「こんにちわ」
軽く手を上げて挨拶する俊通を、夏朝は警戒気味に見やる。
「よければ、話を聞かせてくれるか? 名前を出したりはしないからさ」
言われて夏朝は、友人たちをふり返った。
修が、大丈夫だというようにうなずく。
「わかった……」
うなずいて、夏朝は問われるままに翼が生えた時のことや、どうして飛ぼうと思ったのかなどを俊通に話した。
話を終えた彼女に、凛が声をかけて来る。
「私たちは海まで出て、それから学校に戻るつもりなんだけど、夏朝ちゃんも一緒に来ない?」
「……ありがとう。そうする」
少し考え、夏朝はうなずいた。空腹は、我慢できないほどでもない。
やがて、彼女を加えて五人になった一同は、俊通と別れて再び空へと舞い上がった。
それを見送り、俊通は小さく吐息をついた。
(まさか、写真が撮れるとは思わなかったな。……けど、映像があっても、『都市伝説』で終わるレベルの話ではあるよな)
胸に呟き、スマホで撮った写真を確認する。
彼はてっきり、この現象は映像には残らないだろうと思っていたのだ。
だが実際には、写真を撮ることが可能だった。
もちろん写真は、彼らに許可を得て撮影してあったし、顔がはっきり写らないよう工夫して撮ってもいた。
(さて。もう少し山の中を見てみるか)
スマホをポケットにしまうと、彼は一人ごちて歩き出した。
+ + +
空が黄昏の色に染まり始めたころ。
小淋、修、凛、美咲紀、夏朝の五人は、寝子高の南校舎屋上に降り立っていた。
『翼は一日で消えてしまう。……そう考えると、なんだかあっという間ですね』
小淋が言って、自分の翼から羽根を一つ抜き取った。
(空を飛べた、この貴重な一日の思い出に……)
その羽根をそっと両手に包み込んで、彼女は胸に呟く。
「なるほど。写真にも残しておこうか?」
そんな彼女にうなずいて、修がデジカメをセットした。
ちなみに彼は、自分たちが飛んでいる姿や、上空から見た寝子島の姿なども、しっかりデジカメに収めている。
「記念撮影だね!」
嬉しそうに叫んで、凛は美咲紀と共に小淋の隣に並ぶ。
夏朝は少し考え、持参したウィッグをかぶってその隣に立った。
美咲紀や俊通に写真撮影をOKした時も、この格好だったのだ。せっかく持って来たのだし、これはこれで面白いかも……と思う。
そんな彼女に小さく苦笑して、タイマーを仕掛けた修が、小淋の反対側の隣に立つ。
小さく撮影音が鳴った。
「ふー、楽しかった! またこんなふうに飛べたらいいなぁ!」
撮影のあと、凛が笑顔で暗くなり始めた空を見上げて叫ぶ。
『そうですね』
小淋がうなずいて、スケブに綴った。
「いろいろな写真もたくさん撮れましたし、いい記事になりそうなのです」
笑顔で言ったのは、美咲紀だ。
「記事を、楽しみにしているよ」
修がそれへ言う。
その期待どおり美咲紀は後日、今回の取材の成果を寝子高新聞の記事として発表することになるのだった。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月30日
参加申し込みの期限
2016年08月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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