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翼の日
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【1】困惑の翼
姿見に映る自分の姿を凝視したまま、
優木 遥斗
は途方にくれて立ち尽くしていた。
「……困った」
我知らず、そんな呟きが漏れる。
そこは、寝子高の武道場の中だった。
いるのは、彼一人だ。
早朝、剣道の朝練のためにやって来て、一人竹刀を振っていたはずなのだが――。
今の彼は、下は袴で上は白い道着という姿だったが、片袖は脱いでおり、筋肉質の胸や腕があらわになっている。
その背中に。大きな白い翼が生えていた。
(いったい、何がどうなっているんだ?)
内心はかなり動揺していたが、表情には出ていない。
ただ、仁王立ちして鏡の中の自分を睨み据えていた。
もし見ている者がいれば、その姿に怯えて後ずさったかもしれない。
その点、誰もいなかったのは、幸いである。
翼は、起きた時にはなかった。
ここに来て、竹刀を振っている最中に、背中に違和感を感じて片袖脱いで姿見に向かって見たところが、こうなっていたのである。
翼を意識して、ゆっくりと背中の筋肉を動かしてみた。
翼が、それにそってゆるやかに動く。
「……ちゃんと動くんだな」
それを見やって呟きつつ、ここではこんな不思議なことが起こるのが、フツウなのだろうかと、ふと考えた。
というのも、桜花寮に入って本格的に寝子島で生活するようになって、周囲でいろいろと不思議なことが起こるようになったからだ。
殊に、愛用の竹刀で意識を集中して素振りをすると風が起こる現象は、いつの間にか始まって持続している。いわば、一番身近な不思議現象だった。
しばらく動かしていると、翼の扱いになんとなく慣れて来た気がした。
大きく動かすと、翼はばさっ、ばさっと音を立て、いかにも「羽ばたく」といった感じに動いてくれた。
もっとも、これだけでは何も起らない。
遥斗は改めて、もう一方の袖も脱ぎ、全身の筋肉の動きに意識を集中させ、両方の翼を動かした。
すると。
ふわっと体が浮いた。
たしかに足が、床から離れて宙を踏んでいる。
(……すごいな。飛べそうだ)
内心に目を見張ると、彼は更に筋肉の動きに意識を集中した。
しばらくの間、足を床につけては羽ばたいて宙に浮くといった動きを繰り返していると、次第にコツがつかめて来た。
そうすると、浮く時間も高さも伸びて行く。
とうとう、道場の天井近くまで浮き上がることができた。
「やったぞ……!」
低く声に出して叫ぶ。だが、呼吸は荒い。
まるで全速力で走った時のように、肩を大きく喘がせている。
(体重が、重すぎるのか……?)
胸に呟く間も呼吸は苦しくなり、その高さを維持しているのは困難になった。
ゆっくりと高度を下げて行き、床に着地したものの、思わず膝をついてしまう。
「……鍛え方が、足りないな」
ようやく息が整うと、彼はぼそりと呟いて立ち上がった。
床に置いてあった竹刀を手にすると、背中の翼はそのままに、素振りを始めた。
いつも以上に真剣なまなざしで、一振りごとに力を込める。踏み込む足に、腕に、竹刀の切っ先に、意識を集中し、気合を込めた。
そうやって夢中で鍛錬していると、あっという間に時間は過ぎた。
予鈴のチャイムに、我に返って竹刀を収める。
着替えのために部室棟へ向かおうとして、はたと翼をどうしようかと考え込む。
鳥のように、体に添わせることができればいいのだがなどと思いつつ、背中の筋肉を動かしてみると、翼は小さくたたむことが可能だとわかった。
幾分苦労したものの、なんとか袖に手を通しても大丈夫なぐらいにまでたたんでしまうと、彼は小さく吐息をついた。
部室棟で制服に着替える。
普段より窮屈な感じだったが、それでもなんとか制服を着ることはできた。
そのまま、急ぎ足で教室に向かう。
一日の授業が終わり、部活も無事に終わって桜花寮へと向かいながら、遥斗は疲れた吐息をついていた。
今日の授業には、幸い体育はなかったので、クラスメートたちの前で服を脱ぐ必要はなかった。
部活も、皆が着替え終わって出て行ったのを見計らってから、最後に一人で素早く着替えて武道場に向かったので、誰にも翼は見られていないはずだった。
何かと不思議なことが起こるこの島では、翼の一つや二つ、見られたとしてもどうということは、ないのかもしれない。
だが、彼自身が『翼のある自分』というものに、完全に慣れてはおらず、その姿を見られてそれが自分、
優木 遥斗
であると認識されることを懸念している部分があったのだ。
それに。
昼休みに携帯電話で検索してみたところ、どうやら翼は一日で消えてしまうものらしい。
むろんそれはネット上の噂なので、本当かどうかは怪しいとも思う。
だが、今日一日で消えてしまうものならなおさら、他人の目に晒さない方がいいのではないか、というのが彼の考えだった。
けれど、そうやって秘密を抱えて過ごす一日は、普段以上に気を遣う、ストレスのたまるものでもあったのだった。
(……うん?)
その彼が、ふと違和感を感じたのは、桜花寮に到着して自分の部屋へと向かい始めた時だった。
窮屈だった制服の背中が、以前と同じフィット感を取り戻している。
遥斗は部屋に入ると、急いで制服を脱いだ。
背中から、翼は消えていた。
背中の筋肉を動かしても、もうバサバサという独特の羽音は聞こえない。
鏡でも確認し、彼は安堵の吐息を漏らした。
(やれやれ。噂は本当だったようだな。……だが、こうしてなくなってみると、残念な気もする)
胸に呟き、苦笑する。
もっと体を鍛えて、高く飛べるようになれば、それはそれで楽しかったかもしれないと思うのだ。
「……何かがあった時のために、もっと鍛えておかないとな」
言って彼は、夕食を終えると寮の庭に出て、竹刀を手にした。
朝と同じく一心に、ただ黙々と素振りをする。
足に腕に、竹刀の切っ先に力と気合を込めて、いつか自分の力が必要になった時のために、と念じながら。
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担当ゲームマスター
織人文
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月30日
参加申し込みの期限
2016年08月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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