this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
翼の日
<< もどる
1
2
3
4
5
…
9
つぎへ >>
【2】動揺の翼~そして空中散歩へ
これはいったい……。
古苗木 美姫
は、いささか呆然と洗面所の鏡に映る自分の姿を見つめていた。
朝、目が覚めたら背中がムズムズするので、なんだろうと鏡の前に立ったところが――クリーム色の翼が一対、生えているのに気付いた、というわけだ。
(えっと……わたし、まだ眠っているのかしら?)
半信半疑で、そんなことを思いつつ、手の届く場所にある羽根を一つ引っ張ってみた。
「いたたっ……!」
羽根は難なく抜けたが、瞬間、痛みが走る。
どうやら、夢ではないようだ。
背中の筋肉を動かしてみると、翼は肩のように自然に動く。
(寝子島に住んで一年……。幽霊になったり、身に覚えのない子供ができたりと、おかしなことばかり起って、そろそろこういうことにも慣れたと思っていましたが……)
胸に呟き、彼女は大きく溜息をついた。
時計を見ると、そろそろ食事をして出かける用意をしないと、大学に間に合わない時刻になりつつあった。
(と、とにかく出かける支度をしないと……)
彼女は慌てて、顔を洗い始めた。
幾分苦労したものの、翼は小さくたたんでコートの下に隠せば、なんとかなりそうだとわかって、美姫は少しだけホッとする。
(冬でよかったです)
などと思いつつ、彼女は自宅を後にした。
大学では、ついついいつもの習慣で最前列に座ってしまったが、後ろからの視線が気になって、講義に集中できなかった。
(……だめです。とても、このあとの講義を平然と受けるなんて、できません……!)
講義が終わると、たまらず胸に呟いて、教室を飛び出してしまった。
そのまま大学を出て、とにかく人気のない道を選んでただただ歩いた。
はたと気づくと、今まで来たことのない狭い路地の奥の、本当にまったく人通りのない場所に、彼女は一人ぽつねんと立ち尽くしていた。
「う……!」
吹きつける風に小さく身を震わせて、自分で自分の肩を抱く。そして初めて、自分がコートを着ていないことに気づいた。
(わたし、コートをどこに置いて来たのでしょうか……?)
大学を出た時には着ていたはずだったが――と記憶を探り、歩いているうちに暑くなったのと翼の分があるせいか窮屈に感じて、脱いで腕に掛けたことを思い出す。
だが、そのあとは?
(途中で、腕から落ちてしまったのかしら。夢中で歩いていたから、それに気づかなかったのですね)
そう推測したものの、寒さはどうにもならない。それに、ここがどこでどうやって帰ったらいいのかもわからず、彼女はただ途方にくれるばかりだった。
+ + +
澪乃 湊弥
は、淡く水色がかった翼を羽ばたかせ、空中散歩の最中だった。
彼もまた、朝目覚めたら、翼が生えていたクチだ。
あまりにメルヘンな格好に呆然としていたら、ろっこんで空を飛ぶことのできる妹が、あれこれと教えてくれた。
鳥や強風から逃げる方法だとか、上空の寒さだとか。そして、飛ぶ楽しさについても。
そこで彼は、今日は講義もゼミもないし――と、飛んでみることにしたのだ。
外に出て羽ばたいてみると、飛ぶのは案外簡単だった。
(飛んでみると、快適だなあ。いつもより体が軽くなった気分だ)
胸に呟いて、できる限り高く上昇する。
あまり低空飛行だと、誰かに見つかって騒がれそうだと考えたためだ。
上空は、さすがにずいぶんと寒かった。
小さく身を震わせて、それでも彼は目を見張る。
眺めは、素晴らしかった。
澄んだ空気の中、寝子島が一望できる。
だけでなく、周囲の海まできれいに見渡せた。
(あ……。カメラとか持って来るんだったな。せっかくの景観なのに)
気づいて胸に呟いたものの、まあいいかと彼は苦笑する。
この美しい眺めを、目に焼き付けておけばいい。
と――。
大学の近くを飛んでいた時のことだ。
狭い路地の奥に、なんとなく見覚えのある女性を見つけて、彼はゆっくりと舞い降りて行く。
やはり女性は、大学の後輩の
古苗木 美姫
だった。
「なしたんだい? こんな所で」
声をかけると、美姫は顔を上げ、背中に翼のある彼の姿に目を見張る。
「よかった、わたしだけじゃなかったんですね」
ホッとして呟いた途端、目に涙があふれた。
「ちょ……泣かないで。何か事情があるなら、俺、聞くよ?」
それを見て慌てて言う湊弥に、美姫は起きてから今までのことを話す。
話を聞きながら、湊弥は彼女の背にあるクリーム色の翼を、改めて見やった。そして、笑顔で手をさしのべる。
「ああ、なるほど。びっくりしたけど、楽しいもんだよ。ほら、涙拭いて一緒に飛ぶべ?」
「は、はい……」
涙を拭ってその手を取ると、美姫は小さく翼を動かしてみる。
それを見やってふと、湊弥は考え込んだ。
(上は、寒いんだよなあ。……マフラー、貸すべきか)
少し悩んだあと、彼は自分が巻いていたマフラーをはずして、差し出す。
「使ってたので悪いけど、いいかな」
「ありがとうございます」
美姫は笑顔でそれを受け取り、首に巻こうとしてふと尋ねた。
「澪乃さんは、寒くはないんですか?」
「俺は大丈夫だ」
湊弥は笑って答える。
そのあと、彼は美姫に飛び方のコツを教えた。
美姫も、教えられるままに翼を動かす。
やがて、彼女もどうにか飛べるようになった。
それを見やって湊弥は、「それじゃ、行こうか」とゆるりと空に舞い上がる。
彼を追って、美姫もクリーム色の翼を羽ばたかせた。
ほどなく、二人の視界に寝子島の美しい景観が広がる。
上空は寒かったが、それ以上に見事な眺めと隣を飛ぶ湊弥の姿に、美姫は知らず知らず笑顔になった。
「ありがとうございます。澪乃さんが、一緒に飛ぼうと言って下さらなかったら、わたし、こんな楽しみを知らないままでした」
「うん、俺も一人で飛ぶより楽しいから、よかった」
礼を言う美姫に返して、湊弥も笑う。
二人はそのまま、のんびりと空を飛び続けていた――。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
9
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
翼の日
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月30日
参加申し込みの期限
2016年08月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!