泡沫の夢・黒い少女の記憶　～マシナリア・サイドストーリー～｜リアクション

泡沫の夢・黒い少女の記憶　～マシナリア・サイドストーリー～

◆エピローグ

機械音がなる部屋の中。
そこはリベレイターの強襲機動戦艦の内部の一室。
イザナへと割り振られた部屋であった。
殺風景で何も飾り気のない部屋は彼女の真面目な性格を表しているかのようだった。

「まったくー、いつ来てもつまらない部屋ですねー」

金髪で常軌を逸した赤い瞳の少女が部屋を横断していく。
着物を半脱ぎにし、豊かな双丘を零れ落ちそうなまでに露出させた彼女――ツクヨは机に突っ伏して眠っている部屋の主の頭を小突いた。

「重要作戦直前に眠りこけてるとはいいご身分ですねェ―。余裕たっぷりってやつですかぁー？」
「……うるさいわね、夢を見ていただけよ。そうであってほしいような……甘すぎる有り得ない夢をね。それで何の用なの……ツクヨ」
「先行して出撃して欲しいっていうハガルの命令を伝えに来ただけですよぉー」

そういうと役目を終えたからだろうかさっさとツクヨは部屋から去っていく。
身支度を整え、イザナは後部降下ハッチへと向かう。

（そう、あれは夢。あの場に彼らがいたのなら、という有り得ない夢）

ハッチが開き、風が彼女の髪をなびかせていく。
眼下の村を見ながら彼女は思う。

（私にも……彼らの様に、誰かを救え――――くだらない。何を考えているというの）

有り得ない考えを払拭し、眼下の村を蹂躙するイメージを固めようとするイザナであったがそれが上手くいかない。
ちらつくのは記憶にある少女の笑顔と、自分の凶行を止めようとしてくれた……彼らの行動や言葉。
もやもやする心はざわつき、彼女の集中を激しく乱す。
それらを強制的に払拭する様に彼女は眼下の村へと降下していった。

（全部、全部壊してなくせばいい。そうすれば、この意味の分からない感情も……消えるはずだから）

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あとがき

担当マスター：ウケッキ
ファンレターはマスターページから！

提出が遅れてしまいまして誠に申し訳ございません。
ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申しあげます。

今回のお話しですが、イザナさんの夢に入り込んだお話でした。
過去にあった夢を悪夢としてみるはずが皆様と繋がり『悪夢』は見事『夢』となりました。
彼女の心に生まれた『新たな感情』はどう今後に影響していくのでしょうか。
それでは次回のシナリオでお会いしましょう。

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