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泡沫の夢・黒い少女の記憶 ~マシナリア・サイドストーリー~
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◆三章「彼女の心」
「うぁぁぁぁあああああああぁあああああぁぁぁぁぁあーーーーーーーーーーーーッッ!」
イザナは咆哮し右腕から放つ雷光で辺りの木々を薙ぎ払う。
次々と木が薙ぎ倒されていくが、彼女が目標に定めた人物の姿はない。
その瞬間、背後から現れたサキリがすれ違いざまにイザナを斬り付けた。
腹部を深く斬られ、赤い血飛沫が噴出する。
「がうぁぁぁぁあっ!」
痛みを感じていないのか、彼女はダメージを受けた方向目掛けて異形の片腕を振り下ろす。
その衝撃波凄まじく、砕かれた岩の礫片を撒き散らしながら叩きつけられた腕の形に地面を窪ませた。
(怯まない、か。なら……どれだけダメージを与えても行動不能に追い込むことは不可能だ……)
イザナの荒れ狂う攻撃を木々の間を転移して翻弄しつつサキリは状況を分析していく。
(彼女が雷光を放つのは異形の腕からのみ。そうでない腕は攻撃に一切しようしていない、ならばあの腕が元凶なのか?)
もしも、腕が彼女の力の源のようなものだとしたら……斬り落とせばいいのではないか。
そう考えたサキリは最後の一撃への布石を打っていく。
イザナの正面へ転移し数発のナイフを投げる。
再び転移し攻撃をかわしながら後方からも同じようにナイフを投げていく。
そして正面から鋭い斬撃をわざとイザナが反撃できるような隙を作って放った。
「潰れろぉおおおおおーーーーッ!」
(――――かかったッ!)
振り下ろす様な大振りの一撃を目に捉え、サキリはイザナの背後に転移する。
その瞬間、赤く輝いた二振りのナイフが流れる様な軌跡を描く。
右のナイフは異形の片腕を切断し、もう一方のナイフが峰打ちでイザナを昏倒させた。
がくりと力を失ったようにイザナは膝を折り、その場に倒れ込む。
切断された異形の腕は黒い霧となって霧散していく。
全てが終わったかのように見えた…………その時だった。
「うっ、ぐぅう! あうぅうあああ、ああ、があああああああああああああーーーーッッ!」
失った腕を苦しむ様にイザナが急に暴れ出す。
最初は痛みによるものかと思われたが、すぐにその考えは否定される。
なぜなら彼女の右腕の付け根から黒い霧の様な物が噴出したからである。
黒いボコボコと沸騰する液体が流れだし、触れた大地の色を変えていく。
大地はみるみるうちに変色し酷く悪臭を放って腐っていった。
更にイザナが苦しみ、のたうちまわると黒い飛沫が飛散しそれが木々や草花に付着する。
そして次の瞬間、じゅうううという溶けるような音と共にそれらは腐り、朽ちていった。
「ぎぃいいあああっ! あぐぅ、うあぁぁあああーーーッ!」
暴れるイザナが立ち上がると彼女の右腕の付け根からおびただしい程の紙切れが黒い液体を覆う様に現れる。
それらは時間差で赤く鈍く発光し幾重にも複雑な魔法陣の様な物を展開、黒い液体の形を変えていく。
次第に液体は右腕の形を取っていき、それは数秒も立たずに異形の片腕と化した。
完全に元通りになった右腕から札が剥がれるように地面へと落ち、崩れて消える。
俯いたまま、いまだ人の物である左腕を横に真っ直ぐ伸ばすと湧き出るように黒いボコボコと沸騰する液体が左腕を覆う。
そして同じように札が魔方陣を展開し、左腕も黒く肥大化した異形の左腕と化した。
「コロスウウウウウウウッ! ミナゴロシダァァァァァァァァァーーーーッ!」
激昂したイザナは先程よりも速度の上がった突進でサキリを猛追する。
サキリも転移を繰り返し障害物を使って翻弄しようとするのだが、転移位置を予測されているかのごとく異形の腕が振られ、地面を裂く。
荒れ狂う黒い暴風が何度も彼を追い立てた。
そしてついに彼へ攻撃が届こうという所で何者かの攻撃によってイザナが吹き飛んだ。
「お前だけにいい格好させるかよ。俺達で憎しみに囚われたあの子を……必ず、助けてやらねえとな!」
それは戦衣着装し『ザ・ストレイト』へと変身した
風雲児 轟
であった。
轟はなおも立ち上がるイザナの雷光を紙一重で躱すと速度を緩めずに突進、強力な打撃をイザナの腹部へと打ち込んだ。
「お前は人間が憎いだろう! だが、あれは! いつか来るお前だ……!」
あの少女の為に涙したイザナ。
暖かい心に触れ、それを知ったイザナ。
(そう、今のイザナになら……届くはずだ、俺達の想いがッ!)
打撃を物ともせず、異形の両腕からイザナは稲光を放ちながら高速の拳の連打を放つ。
それを受け止めながらも彼は語る事を止めない。
「誰かを傷つけ殺して嘲笑う! 覚えがあるはずだッ! イザナッ!」
「黙れ黙れ黙れ黙れ、だまれぇぇぇぇぇーーーーーッ!」
「その結果、誰かに恨まれ傷つけられ、誰かを憎んで傷つけ……それがずっと続く事になるぞッ!」
その瞳から大粒の涙を流しながらイザナは荒れ狂う様に拳を振り回す。
その一撃一撃が重く轟の腕へとずしりとずしりと響いていく。
(そうだよな、悲しいよな。暖かいのに触れちまったぶん、冷たく醜いのに触れたら、今まで以上に厳しいだろ。でもそれがわかる今のお前なら、わかってくれるはずだ!)
異形の腕を弾き返し、豪は渾身の連打を放つ。
高速で放たれた拳は風切音を鳴らしながら次々とイザナに打ち込まれていった。
「その度にあの子のような子が殺されたり、お前があの人達と同じくあの子のような子を殺す。そんな事……したくねえだろッ!」
豪の想いのこもった一撃を受け、大きく後ずさったイザナはその動きを止めた。
「私は……もう、嫌だ……違う、うるさい……黙れ、だま、れ…………」
「やるなら今しかない! 後は任せてくれ!」
そう言って飛びだしたのは日暮であった。
「大丈夫だ、傷つけはしないさ、絶対にね」
日暮は動きの止まったイザナの背後に回り込み、彼女をしっかりと抱きしめる。
そして彼女の額に自らの手の平を触れさせた。
急に拘束された事で暴れるイザナであったが、その動きは次第に緩慢なものへと変わっていく。
「はな、せ、に……んげ、わたしは……おまえらな、ん…………」
そしてイザナは動きを止め、静かな寝息をたてはじめた。
「どうやらなんとかなったようだね」
ほっとしたのも束の間、村人達が近寄ってくるのが遠くに見えた。
今の状況で彼らと会えば、もう一度戦闘が起きてしまうだろう。そうなればイザナも目を覚ましてしまうかもしれない。
「ここは任せて逃げていいよ」
「安心しろ、誰一人として通すつもりはない」
サキリと御剣は武器を構え、この場を死守するつもりのようだった。
「わかった、ここは任せるよ!」
日暮はイザナをおんぶし森の奥へと歩いていく。
そして数十秒後、日暮の姿が森の奥へ消えた頃、村人達と御剣、サキリが対峙した。
「今のあの化物が森の奥へと逃げていっただろう! やはりお前達も――」
「――――だからどうした? あいつは逃げた。もう追う必要もないだろう。もしも追いたいのならば、俺よりも強い事を証明してもらおうか」
「ぐっ……なんだってあんな化物の味方なんてっ!」
そういう村人をサキリは睨みつける。
その睨みに村人はかなり怯んだようで多少後ずさりしていた。
「自分達が少女を殺したのに悲しむどころか死んで当然、しかもイザナを化物呼ばわりだと? ふざけるな。お前達にイザナを怪物呼ばわりする資格は無い。お前達の方が遥かに醜い怪物だよ」
二人の気迫に押され、村人達はそれ以上進むことができなかった。
◆
森の奥を歩いている日暮は歩きながらイザナに語りかける。
「人間の中には自分と異なるものを恐れて排斥しようとする人達もいる、それも大勢。けれど皆がそうじゃない。少なくともあの子は純粋に、君と友達になりたかったはずだよ」
眠っているイザナは勿論、返答はしない。
日暮の背中で静かな寝息を立てているだけであった。
少し歩いた頃、彼は花畑に出る。
そこはイザナとあの少女が出会った場所。
あの少女とイザナ、二人の思い出の場所だった。
「イザナさん。村の人達を根絶やしにしても残るのは虚しさだけ。ここは君とあの子が出会った場所なんだろ、ならこの花畑を血染めにしちゃいけない」
花畑の中で立ち止まったまま日暮はイザナに語りかけ続けた。
「あの子が伝えてって言ってたんだ『笑って』ってさ。きっと笑えたら、笑顔だったら……みんなと仲良くできるんじゃないかな」
風が花の香りと花びらをそらに舞わせていく。
「お墓、作ってあげようよ。イザナさんとあの子が初めて出会ったこの場所に。いつかまたあの子と一緒にごはんを食べれるように――――この場所に」
「もっと早く……あなた達と、会えてたら……私は……きっと……」
「……え?」
イザナの声がはっきり聞こえ、驚いて背中の方を向くとそこにイザナの姿はもうなかった。
「イザナさん……?」
花びらが風に舞い、花の安らかな香りが辺りを満たしていく中で……日暮の意識は遠のいていった。
◆
――――彼が目を覚ますとそこは見慣れた自分の寝室。
あれは夢だったのだろうか。
だが彼の耳には、はっきりと残っているものがある。
それはイザナの最後の言葉。
『もっと早く……あなた達と、会えてたら……私は……きっと……』
それがどうしても夢だと思えなくて、彼はいてもたってもいられず翌日、八神にそのことを聞いてみる事にした。
「八神君、君は過去にイザナさんと会ったことがある、かな……? もしそうだったら、話を詳しく聞かせて欲しいんだ」
二人は日暮が昨日見た夢かもしれない出来事について話し合った。
話し合えば合う程に二人が見た夢には共通点が多い事に気が付く。
「昨日の夢だけど、あれは過去を映した誰かの夢……だったんじゃないかって俺は思うよ」
その言葉に日暮は納得がいった気がした。
誰かの夢、だからこそ起きた事象は変わらない。
あの世界で感じていた辛い苦しい思い。
それはその夢を見ている誰かの心の叫びだったんじゃないかと。
「その誰か、きっとイザナさん……だよね」
「恐らくは、な。俺達があの子の心に何かを残せてたら……いいんだが」
「きっと残せたはずだよ、だって――――」
そして日暮は夢の最後に聞こえたイザナの言葉を八神にも伝えた。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月25日
参加申し込みの期限
2016年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月01日 11時00分
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