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泡沫の夢・黒い少女の記憶 ~マシナリア・サイドストーリー~
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◆序章「それは哭く雷光の如く」
遠くで雷光が輝く。
直後に轟音が届き、少し離れたこの場所さえも揺らした。
いまだあの場所では戦いが行われているのだろう。
震える少女を慰め、母の元へと走らせた彼女――
篠原 翠響
はそう思う。
村から離れた場所で、今まさに彼女の仲間達が戦っている。
だが、彼女はその場にいる事よりも村に残った人々を安全な所まで誘導する事を選んだ。
仲の良かった少女を村人に殺され、怒り狂ったイザナ。
そしてそれを引き起こした村人達。
そのどちらも彼女は『手遅れ』であると捉えた。
ならば、できうる限りの事を考えたうえでどうすればいいか。
(あたしは他の皆の様に戦えるわけじゃない……なら)
自分にできる事、それはまだ被害の及んでいない村へ急行し残っているであろう村人達を避難させること。
これならば、超常の力を持つような相手と戦えない自分にも出来ると彼女はそう判断したのだ。
いまだ続く雷光の爆発に怯える子供達を落ち着かせると彼らと共に篠原は村の外へと脱出して安全な場所へと向かった。
篠原が目指すのは戦闘区域とは反対の場所にある丘である。
村人達によればその場所に洞窟があるらしい。
(丘に上にある洞窟……それなら村にいるよりは安全よね)
歩きながら篠原に隣を歩く子供から、繋いだ手を伝って震えが届く。
無理もないだろう。
危険な事とは無縁だった村の子供が遠方からとはいえ、いきなり激しい戦闘の音と衝撃に晒されたのだから。
もしも直接遭遇していたのなら泣きわめいてもおかしくはないだろう。
子供の震えが収まるようにと彼女は手を強く握り返した。
それに反応する様に小さな手は彼女の手を握り返す。
小さな温もりをその手に感じながら、篠原は村に残っていた村人達と共に洞窟へとその身を隠した。
◆
森の中。
そこに男達が数人で一人の少女を囲んでいる。
男達はそれぞれクワや斧等の農工具で武装しており、その瞳には憎しみという炎が宿っていた。
常人ならば怯みかねない気迫に晒されてもなお、少女は冷静なその態度を崩さない。
少女――
常闇 月
は目の前の人物達を無力化させる為に行動を開始した。
低い姿勢で走り出すと彼女はまず目前の大柄な村人二人の間をすり抜ける。
「この、待ちやがれ!」
「くそッ! そっちいったぞ! 抑え込め!」
大柄な二人が振り向くよりも先に彼女は地面を右足で蹴って飛翔、更に数人の男達の頭上を軽々と飛び越えた。
そしてそのまま彼女は森の奥へと走っていく。
「待ちやがれ! あのバケモンの味方をするならあんただって――がはっ!?」
「うわわわわッ! 足がぁ!?」
常闇を追いかけようと走ろうとした村の男達は次々と何かに足を絡め取られてその場に倒れ込んだ。
それは細いワイヤーの様な物で動けば動く程、もがけばもがく程にその体に食い込みさらに身動きを取れなくしていった。
完全に無力化された男達はその場でうごうごと芋虫の如く蠢くしかできないのであった。
――――森を走る少女は村の男達が無力化され動けなくなったのをみてほっと胸を撫で下ろす。
なぜならばここから先の戦闘に彼らを巻き込むわけにはいかないからだった。
一般人である彼らが巻き込まれていれば……果てに待つ結果は『死』のみなのだから。
「……来た」
常闇は走る速度を落とし、右へ身体を傾けて後方からの鋭い雷光を躱す。
雷光はそのまま直進、彼女の目前の木々を黒く焼いた。
後方へ翻りながら常闇は懐から数本のナイフを放つ。
が、その全ては続けて放たれた雷光によって撃ち落されてしまった。
「くはははは、こんな所にもいたぁ……人間。ふふ、あはは――――死ぃぃねぇぇぇぇッ!」
黒い少女……イザナは異形の片腕を肥大化させると常闇目掛けて襲い掛かった。
振り回される黒い『死』の象徴を寸前で躱しながら彼女は防御に徹する。
空を斬る異形の腕は大地を割り、木々を薙ぎ倒していく。
まるでそれは荒れ狂う暴風。
一撃でもまともに受ければひとたまりもないだろう。
「イザナさん、貴女が――――ぐっ!」
「あははははははは! 全部消えてなくなればいいッ! 人間なんて! オロカダァァァッ!」
喋りかけようとするが、イザナは攻撃に夢中で一切その耳に彼女の言葉は届いていない様だった。
常闇は防戦一方となりながらもその場から退こうとはしなかった。
なぜならば……彼女は見てしまったからだ。
攻撃しながらもイザナの眼から零れる涙の筋道を。
それを見たならば、誰が彼女を見捨てられるというのだろうか。
(私の傷はどれだけ増えようと構わない。でも――)
イザナの右へ振り払う攻撃に合わせる様に常闇は低い姿勢から懐のナイフを抜き放ち、異形の片腕を上へとかちあげる。
がら空きとなったイザナのボディーへ鋭い右回し蹴りを常闇が放つ。
予期せぬ衝撃を受けたイザナは大きく体勢を崩し、後方へ吹っ飛んで太い木の幹に激突。衝撃は木を揺らし、木の葉を散らした。
「村人は貴女に恐怖し攻撃しました、人は得体の知れないモノ……自分達の理解に及ばないモノを忌避する傾向にあります。それもまた人間の側面の一つです」
「…………」
「そして、貴女があの少女から感じた暖かさ、優しさ――それもまた人間が秘めるモノの一つなんです。イザナさん、貴女は人間の醜い部分と美しい部分を両方見てしまった。どちらも人間の本当の姿」
軽く数歩進みながら常闇は言葉を続ける。
イザナはゆらりと立ち上がって俯いているだけで、いまだ攻撃行動には移っていない。
「人間には貴女を恐怖のあまり攻撃する人もいる……ですが、あの少女の様に優しい人もいる――――私が言いたいのはそれだけです」
しばしの沈黙が二人の間に流れる。
どちらも動かず、ただ時間だけが過ぎていった。
イザナがおもむろに何かを求める様に手を伸ばし……そして――――――――雷光を放った。
「貴女の言葉、とてもいい言葉だったわ。心にズシンッて響いちゃったもの。でもあの子はまだ聞く耳持たない悪い子ちゃんのようね」
「それならしっかりと聞いてくれるまで、言葉を届けないとな」
手の平からぷすぷすと黒い煙を上げながら立つのは大柄な男と細身の男。
それは――
尾鎌 蛇那伊
と
八神 修
であった。
「ここは任せた、俺はあの少女を!」
「いってきなさい、あの子の相手は私がするわ……試したいこともあるしね」
尾鎌と常闇にその場を任せると八神は走りだし草むらの奥に倒れているであろう少女の元へと走った。
「イザナは無意識なんだろうが、あいつはこの少女を守る様に動いていた……という事はまだ息がある可能性が高い。頼む、生きていてくれ……」
草むらを幾つか抜けるとそこに血に染まった少女が倒れている。
微かに動いている所を見るとまだ息はあるようだ。
すぐさま走り寄ると八神は彼女の呼吸を確認する。
まだ呼吸は浅いがしている様だった。
(出血が酷い、だが呼吸ができているのなら肺を貫かれたのではない……ならまだ希望はある!)
八神は鞄からミネラル水のペットボトルを取り出し、キャップを空けた。
傷口にまんべんなくかかる様にミネラル水で傷口を洗うと止血作業に入る。
だが、そんな八神の行動も虚しく……彼女の身体から流れる血の流量は変わらない。
まるで今している行為が意味がなく、あらかじめ決められた未来へと行くかのように。
「なんでだ、血は止めたはずなのに……ッ! なら別の方法で――――」
「いいの……ありがと、やさ、しいおにぃ、さん」
必死に治療しようとする八神の手を掴み、少女は静かな声色でそれを止めた。
その穏やかな表情は全てを悟ったかのような――――自らの死する運命を受け入れた者のみに許された表情だった。
それを見て、八神もすべてを悟り彼女の手を握りその声に耳を傾ける。
一言一句聞き逃してなる物かと。それが自分にできる最良なのだと。
「わた、しね、みんなが……笑ってるのが好きなんだぁ……だって、笑ってたら……嫌な事なんて忘れちゃうでしょう? だから、あのお姉さんにも笑って欲しいんだぁ……」
はにかむように笑う少女とは対照的に体の体温は失われ、地に広がる血だまりは広がっていく。
八神は努めて悲しい表情をしないように心掛けた。
最後の見送りを悲しく送るよりもやはり笑顔で送り出してやりたい。
「あのお姉さんに伝えて、もらえる……? 笑って……って。そうすればきっと…………み、んな、一緒、に――――」
握っていた手の力が失われる。
八神は目を閉じ黙祷を捧げた。
そして彼女の最後の言葉を噛み締める様に心に刻んだ。
彼が立ち上がった時、他の村人の対処で遅れていた者達が合流する。
その一人、
日暮 ねむる
が少女に近づいた。
「彼女は、やはり……」
「…………」
「……そうか」
無言を返答として返す八神の行動で少女の死を察した日暮は少女へ静かに黙祷を捧げた。
その行動に他の者達も続いて黙祷を捧げる。
不意に八神がイザナとは逆方向に歩き出した。
「八神君、どこへ?」
「野暮用を片づけに、だな。だから俺の代わりにあの子の最後の言葉を伝えてほしい。頼めるか?」
「勿論だよ、それであの子は最後になんて?」
「……『笑って』。それがあの子の伝えたかった言葉だそうだ」
「わかった。必ずイザナに届けるよ」
その言葉を聞いた八神は返答をせずに駆けだした。
自分ができる事を最大限にやる。例え、確定された未来にしか進まないとしても。
「確定された未来でも何かをあの子の心に残してやりたい。残せるなら――――俺は!」
戦闘態勢のまま立ち止まった彼の目の前に数十人単位の村人達が武装状態で現れたのだ。
武装とは言ってもクワや斧、鋤などの農工具ではあるが多勢に無勢、簡単に捌ける人数ではない。
ましてや八神は武術の達人ではないのだから。
彼は自身の手を見詰めて、握る。
例え、武術ができなくても。
例え、強力な武器を持っていなくても。
自分には誰かを助ける力が……あるじゃないか。
彼は強い瞳で村人達を見つめる。
「奴もろとも殺してしま――――な!?」
「どけぇぇ! お前も敵――えっ!?」
振り被った農耕具は手から崩れ去る様にぼろぼろと崩れていく。
それは八神によるものであった。
次々に村人達の武器を奪い、その戦意を削いで彼は言う。
「ここは通せない。あの子の言葉がちゃんとイザナに伝わるまでは!」
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シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
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9人
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シナリオガイド公開日
2016年07月25日
参加申し込みの期限
2016年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月01日 11時00分
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