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角を曲がり、マリンパラダイスへ続く道に入ったところで。
「さすが観光スポットだけあるなあ」
急に混雑しだした前方を見て、
檜山 立樹
はそうつぶやいた。
「週末ですし、イベント開催中っていうことも関係あるかもしれませんね」
少しあせり気味に答えたのはとなりの
氷華・クルバトフ
だ。
「すみません、まさかこんなだとは思――」
ぽん、と軽く頭をたたかれた。離れていく大きな手のひらの向こうに、ほほ笑みを浮かべた立樹が見える。
気にしない、と言っているようだ。
そして入り口へ歩いて行く彼を見て、氷華はきゅっと唇を噛んで言葉を飲み込んだ。
「それで、まずどこへ行こうか」
入り口で渡されたパンフレットを開いて立樹は言う。
「あ、そうですね。ええと……」
「近い所から順番に見ていくべきかもしれないけど、各施設のイベントは時間が決まっているようだからね。
氷華さんは何が見たい?」
にっこり笑顔でやさしく言われて、氷華はちょっと考え込む。
「――そう言う檜山さんは、何が見たいですか」
「はは。俺、ここへ来るのは初めてで、よく分からないから。氷華さんにお任せ。氷華さんが行きたい所に案内してよ」
「……分かりました。では、ここにしましょう」
ふたりが向かったのは、アザラシのいる外プールだった。パンフレットによれば今の時間、岩の上で日光浴をしている姿が見られるらしい。到着すると、さっそく何頭かのアザラシが水際や岩の上にごろんと横になっている姿があった。ナツメ型の丸々とした体に小さなヒレ、ピンと伸びたヒゲや糸のように細くなった目が愛らしく、幸せそうだ。
(かっ……、かわいい……)
氷華は思わずかばんのなかから取り出したスマホをぎゅっと握り締める。
「撮ってあげようか?」
「え? でも、水族館でカメラ撮影は禁止なのでは?」
「フラッシュライトはね。きちんと生き物に配慮して撮る分には、禁止はされていないようだよ」
ほら、と立樹は手すりに針金でくくりつけられた看板を指さした。
「あ……。じゃあ、お願いします」
氷華はスマホを手渡した。
「笑って」
撮影のためとはいえ、立樹に見つめられていると思うと妙に意識して、緊張してしまう。
「ありがとうございます」
それでもなんとか乗り切りスマホを返してもらった氷華の視界の隅を、動く何かがかすめた。
何かと思ってそちらを向くと、プールのなかを泳いでいるアザラシだった。水の向こうにアクリル板があって、そこから見ている人たちの姿が見える。
地下トンネルになっていて、水中のアザラシも見ることができるようになっているようだ。
「檜山さん、向こうで泳ぐアザラシが見られるみたいです。行きませんか?」
「そうだね。行ってみようか」
階段を降りて、水槽の前へ行く。アザラシに配慮して、地下トンネルは照明を落とされてうす暗かった。一応足元にフットライトが埋め込まれていたが、目が慣れれば大きなアクリル板と水を通して入ってくる外からの自然光だけでも明るさは十分に足りている。立樹はそういった施設側の工夫と配慮にまず目がいった。そして次に、アクリル板の前に立つ氷華へと目を向ける。陸上では鈍重なアザラシも、水のなかでは魚に負けない速さでなめらかに泳いでいる。氷華はすっかり泳ぐアザラシに目を奪われているようだった。
夢中になっている氷華の横顔に、立樹は以前、猫を見ていたときの氷華を思い出す。
(あのときもかわいかったな)
「今の見ましたか? 檜山さん。あの子――何です?」
立樹の視線がアザラシでなく、自分の方を向いていることに気づいた氷華が尋ねると。
「いや、かわいいなと思って」
瞬間、氷華はぱっと背中を向けた。
「氷華さん?」
「そんなことないです! か、かわいくなんて……ないですよ」
最後、独り言をつぶやくようにそう言うと、さっさと歩き出してしまった。
大急ぎ隠したつもりだろうが、しっかり赤くなった顔を見ていた立樹は、そういうところもかわいいんだよと思ったけれど、さすがにこれ以上はだめだと悟って自重した。
(だけど、本当に氷華さんはかわいらしいんだけどね)
と、心で思うだけにする。
そして彼女が落ち着きを取り戻すまでの間、無言で後ろを歩いた。
ころあいを見計らって呼び止める。
「氷華さん、アザラシのイベントには握手会もあるようだよ。参加したい?」
「……はい」
「じゃあそれまでまだ時間があるから、ちょっと早いけどお昼にしようか」
「……そうですね」
氷華は振り返った。けれどまだ、視線は下を向いている。
「すみません」
「何が?
それより、どこで食べようか。いい場所、知ってる?」
耳に届く立樹の声は変わらず、浮かんだ笑みも穏やかなままだ。そのことに氷華はほっとすると同時にやりきれなくもなった。
「はい、知っています」
努めて明るく言って、氷華はフードコートへ案内をする。しかし皆考えることは同じか、フードコートは大勢の人で混雑していた。どの屋台の前にも人が並び、順番待ちをしている。
「やっぱりね。持ってきて正解」
困惑していると、立樹がかばんから弁当の包みを取り出した。
「檜山さん、準備がいいですね」
「昨夜見た雑誌に書かれていたから、なんとなくね」
端の方で空いているテーブル席を見つけて、弁当を広げる。
「いっぱいあるから、遠慮なく食べてね」
「はい。ありがとうございます。……おいしいです。
すみません。私も何か用意してくるべきでしたね……」
恥じ入る氷華に立樹は笑顔でお茶を差し出す。
「そうしたら余って、反対に困ったかもしれない。だからこれでよかったんだよ。俺の方も、ちょっと食材を使い切りたい思いもあったから」
俺の方こそ確認を怠ってごめん、と言う立樹に、氷華は、大人だ、と思う。
料理も抜群に上手でおいしい。気遣いもできる。とても優しい、いい人だ。
(檜山さんと付き合う人は幸せだな……)
そう考えた直後、胸が激しくざわめいた。
「どうかした? それ、口に合わなかった?」
「え? いえっ。おいしいです」
フォークにさしたままだった唐揚げを急いで食べる。
「そう。よかった」
「あ、見てください、檜山さん。ペンギンが散歩してますよ」
飼育員ふたりに挟まれて、ペンギンたちが歩いていた。そのあとを追って子どもたちがはしゃぎながら歩き、彼らを見守ったり写真を撮ったりしながら親たちが続く。騒々しくて、楽しい行進だ。
ズームで先頭の様子を写真に収めたあと、ほほ笑ましく思いながら見守る氷華の横顔を見ていた立樹は、おもむろに話しかける。
「ねえ。なんで俺を誘ったの?」
「えっ……」
振り向いた氷華の面には、不意をつかれた驚きの表情が浮かんでいる。
「それは……担当さんが、恋人といけなくなったから、って、チケットをくれたから……」
「うん。それは聞いた。ただ、それでどうして俺なのかな、って思って」
「…………それは……」
――チケットをもらったとき、真っ先に檜山さんの顔が浮かんで、一緒に行きたいという気持ちになったから。
でもそんなこと言えない。
(それって、意識してるって告白するも同然じゃないか)
それとも、友達なら普通に言えること? そしてそれを言えないってことは、つまり私は――……。
「……実は、女友達を誘ったんですけど、その子とは都合が合わなかったんです」
「そうなんだ」
「すみません。だれかの代わりって言うと、檜山さんに失礼だと思ったものですから」
「いいんだよ。俺こそ、言いにくいこと聞いてごめん」
「いえ……」
氷華はさっとうつむいて目をそらし、サンドイッチをひと口食べたけれど、あとになって思い出そうとしてもどんな味だったか思い出せなかった。
今までずっと見ないふりをしてきた真実をついに自分でも認めてしまった衝撃に、頭が混乱して追いつかない。
今はだめだ。まだ無理。こんな状態では何も分からない。本当にこの感情が『そう』なのか、確信してからでないと。
そしてもし、真実『そう』だったら……。
そのときこそ、私は今後どうしたいのか、じっくり考えよう。
そう、必死に考え続けることで自制心を保つのに必死で、応じた立樹の声がいつもと違い、沈んでいたことに氷華は気づけていなかった。
立樹もまた、このとき内心深く動揺していたのだ。氷華の返答を拍子抜けに感じると同時にがっかりもしている自分に驚いていた。
がっかりするということは、期待していたということだ。
期待って、何を? 彼女が何を口にすると考えていた?
それじゃあまるで……まるで――……。
(いや、これは俺の勘違いだ。俺はがっかりなんてしていない。第一、俺が年下に惚れるなんて、あり得ない。
彼女はまだ学生で、年も離れてる。彼女は本当にきれいだし、性格もいい子だ。こんな俺より彼女にふさわしい相手は周りにたくさんいるだろう。
そこに俺なんかが出る幕はない)
そう結論したら、すうっと心が落ち着いた。
こんなのはただの気の迷い。
「お茶のおかわりどう?」
傾けたステンレスボトルのなかで溶けかけの氷がからんと鳴る小さな音が、なぜかさびしく聞こえた。
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担当ゲームマスター
寺岡志乃
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月24日
参加申し込みの期限
2016年07月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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