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デート・デート・デート
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「デート? いいね」
響 タルト
からの提案に、
鎌八 まもる
は即答した。
「デート。いい響きだ」
「デートじゃないよ」
タルトはあわてて手を振る。
「ほら、この前お店出す話したでしょ? 『ブラック・リキッド亭』。そろそろ開店について、具体的に話し合いたいなあって思って。どんな内装にするかとか、どんな料理をメニューに載せるとか」
サジタリオ城下町に新装開店するブラック・リキッド亭はタルトとまもるの店だが、薄い本と画材の販売をするということ以外はまだ何も決まっていない。
「どういう内装にするかだけでも決めないと。調度品を揃えるのにも時間かかるし……」
そう言いながらも、タルトのなかではすでにある程度イメージが固まっているようである。まもるはそれと見抜いてうなずいた。
店はまもるにとっても大事だ。協力するのはやぶさかでないし、タルトのセンスを信じている。
「そういったことについてはよく分からないから任せる。ただし、力仕事なら任せてくれ」
荷物持ち大歓迎、と言うまもるに、タルトはほっとした様子で「ありがとう、ムッシュくん」とお礼を言う。まもるにはそれで十分だった。
タルトの感謝と、そして前を行くタルトの歩調に合わせて左右に揺れる長めのポニーテール。
これがあるなら1日じゅう、重い荷物を両手に抱えて歩くのだって平気だ。
(まさにポニ天国)
まもるは口元が緩むのを抑えられなかった。
「ええと。これでとりあえず必要な物はそろったかなー?」
ひととおり前もって考えてあった店を回り終えたあと。忘れないようメモしてきた紙を覗き込んで、タルトは見落としがないかチェックする。
その姿にまもるは言った。
「馬の世話に使う物は用意しといた。次のとき持って行くよ」
「馬?」
タルトは一瞬眉をひそめたが、すぐに空き家の裏にあった馬小屋のことを思い出した。
「了解。じゃあそっちはムッシュくんにお任せするね」
「引き受けた」
振り返り、まもるを見る。重くて量のある、かさばる物は送ってもらうことにしていたが、それでもまもるの両手は複数の紙バッグで埋まっている。
「休憩がてら、お茶しようか。
ムッシュくん、どこかいいお店知ってる?」
「そう言うにゃんこたんは?」
「んー……」
あるような、でも口に出すのをためらっているような。
「オレは特にないから。むしろいい所があったら紹介してほしいな」
促されて、タルトは「そう?」と口を開いた。
「それじゃ、執事喫茶に行ってもいいかな? 僕も行ったことないんだけど、気になってるお店があるんだ。
創作の参考に、一度行ってみたいと思ってて」
「羊喫茶?
おいおいおい、投げ縄持って来てないよ」
まもるの反応に、タルトはぷっと吹き出した。
「羊じゃないよ。し・つ・じ」
「いつも牛の相手ばっかだしたまには羊も……え、違う?」
「違う。
まあ、行ってみれば分かるよ」
きょとんとなっているまもるを連れて、タルトは目的の喫茶店へ向かった。
シーサイドタウンにある、件の執事喫茶へ入ったときのまもるの反応を、何と言ったらいいだろう。
「お帰りなさいませ、お嬢さま、お坊ちゃま」
黒の燕尾服に白手袋。白ひげを立てたダンディな男性からまもるたちとそう変わらない歳のやんちゃそうな少年まで。さまざまなタイプの執事に声をそろえて出迎えられて、まもるは数秒固まっていた。
なにしろまもるは客への応対というものは「へいらっしゃい!」と「よろこんでー」が普通だと思い込んでいたのだ。「お坊ちゃま」と呼ばれるとは思ってもみなかった。
「たまげたなあ。お坊ちゃま、ってオレのことだったんだな。なんかすげーな」
英国の邸宅をイメージした格式高い店内の、案内された席でふたりになったところで、まもるは肩から力を抜いて笑った。そして周囲の目を気にして内緒話をするように、身を乗り出して口元を手囲いをする。
「なー? 接客って、オレにもこんなふうにしろって言うのか? 「お帰りなさい、お坊ちゃま」って。なんか少女漫画かミュージカルの中みたいだぞ?」
小声でさっきの執事たちの真似をされて、タルトはくすっとなる。
「ああ、僕らの店はそういうんじゃないから。ムッシュくんは普通にしてていいよ?」
「そうか? 安心した」
見るからにほっとした様子で椅子に腰を戻す。そしてメニューを開いた。
タルトもメニューを開いたが、目はさっきテーブルの横を通りすぎた俺様風執事の青年を追っている。この店は、採用面接に容姿審査も入っていると思われるくらい、美形の執事ばかりだ。
(さっき僕たちを案内してくれたダンディな執事さん。あの丁寧な言い回しで実はかなりのドSな攻で、あの俺様で生意気そうな青年を注意と称して裏へ引き込んでは調教してたり。向こうの体育会系執事のおにいさんはああ見えてとってもナイーブで、あっちのかわいい少年に告白できず苦しんでたりとか。でも少年はダンディな執事さんに憧れてて、青年より自分を見てもらいたくてあれこれするんだけど相手にしてもらえず、毎晩自分で自分を慰めてるとか……っ!)
妄想がたぎって、メニューを見るどころではない。メニューの影であれやこれや空想していると、突然まもるから話しかけられた。
「えっ? な、何? ごめん、もう一度言って」
まもるは小首を傾げる。何を頼むか決まったか聞いたのだが、それが聞こえないほど何をそんなに真剣に考えていたのか、そっちの方が気になった。
「ん? カップリングについて、ちょっとね」
「え、カップリング?
なんだよ、ペアリングほしいならさっきの店にいいのあったのに。あとで行くか?」
「ははっ。違う違う」
まもるの勘違いに笑って、タルトは自分の妄想について、ほんの少し、さわり程度に話した。
「えー、男同士とかないだろ?」
「でもさ、あっちの店員はどう?」
ちょうど柱の影で何か話している執事ふたりを指さす。もちろん話しているのは何か業務連絡なのだろうが……まもるが注目したのは、片方の店員がポニーテールということだった。
「ああ。まぁアリか」
苦笑して、それからあらためてタルトが何を頼むつもりなのかを聞いた。
「うん。この『お嬢様のポニテ』っていうのにしようかな、って」
「お嬢様のポニテ? そういうのもあるのか」
がぜん興味が沸いて、まもるもそれを頼むことに決める。呼び鈴を鳴らして注文。運ばれてきたのはフランス風のデザートだった。真っ白い麦わら帽子を引っくり返したような大きな皿の中央にプリンのような小さな丸いフォンダンショコラがあって、その上に糸のように細いチョコレートが絡み合った物が乗っている。そしてその脇にカットフルーツが2切れ。おそらくこの糸のようなチョコが、ポニーテールを表しているのだろう。
皿の縁にチョコで筆記体文字や薔薇の絵が描かれていたのはおしゃれだが、皿が大きいので代金のわりにとても小さく見える上、なんともコレジャナイ感がして、まもるは内心がっかりした。
「……オレたちの店は良心的な店にしような」
フォークとナイフを持ち上げて、こそっとタルトに言った。そして、一緒に頼んであったジュースと合わせて食べる。すると、食べ終わったころに執事ふたりが現れた。手にカメラを持っている。
「……なに?」
「ただいま当邸では初めてご訪問いただきましたカップル特典としまして、記念撮影をさせていただいております。お嬢さまには抱っこの相手として執事かお坊ちゃまかご選択できますが、いかがなさいましょうか」
「えっ、えっ……」
「オレがする」
タルトが答えるより先に、まもるが答えていた。
「にゃんこたんを知らないほかの男に抱っこさせるわけにいかないからな」
「ムッシュくん」
「ではこちらへおいでください」
案内されたのは撮影用のコーナーで、ゴシック調の鏡のかかった壁の前に椅子とミニテーブルがあった。指示されるままにまもるが座り、そのひざの上にタルトが腰かける。
「ムッシュくん、お、重くない……?」
「全然」
少し背を丸めたタルトの肩からさらさらとポニテの髪が流れ落ちて、まもるの肩や胸に触れる。馬のときとは違う、いい匂いがして、まもるは胸がどきんとした。急に緊張してきて、静めようと深呼吸すると、ますます胸いっぱいにタルトの匂いが広がって、へそのあたりがきゅんとなる。
「ムッシュくん、どうかした?」
そう尋ねるタルトも、執事の言葉に従いまもるの肩に腕を回すというポーズをとっているせいでまもるとかなり密着しているせいか、ちょっと恥ずかしそうだ。
「なんでもない」
「お嬢さま、お坊ちゃま。こちらをお向きください。さあ、笑って」
カメラをかまえた執事の声で前を向きながら、やっぱり自分がすると言ってよかったと思った。ほかの男に、絶対タルトとこんなポーズをさせるわけにはいかない。
「さっきの、驚いたね。まだちょっと胸がどきどきしてるよ」
店を出たあと、そう言ってタルトは軽く笑った。
その手にはプリントアウトされたばかりの写真が握られていて、それを見るタルトは照れて赤くなっているように見える。
撮っている際は緊張して気づかなかったけれど、椅子に座ったまもるの左手が、タルトの腰に添えられていた。不安定な背中から転げ落ちないように、支えてくれていたのだと思うが……。
(うわあ……か、かなり密着してたんだ……)
「これ、どうしようか」
「店に飾ってもいいんじゃないか」
質問に、まもるは軽く答えた。
「え? そ、そう?」
「店の内装をああいう雰囲気にするんなら、合うと思うよ」
あの店にはさまざまな肖像画や写真が額縁に入れて飾られていた。思えば、外国映画でもよく見かける。棚の上とか、テーブルの上とか。向こうではそれが一般的なのだろう。
「……じゃあ、額を買いに行こうか。ムッシュくん、付き合ってくれる?」
「もちろん。デートだからな。相手を安全に家へ送り届けるまでがデートだ」
デートじゃない、と言いかけて、タルトは口をつぐむ。
いろんな所へ行って、ふたりであれこれと買い物をして、お店に入ってお茶して、こんなふうに写真も撮って。
それって、デートじゃないなら何て言うの?
「……うん。デートだからね」
はにかむ素振りでうなずくと、タルトはそっとまもるの手に触れた。
『デート・デート・デート 了』
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あとがき
担当マスター:
寺岡志乃
ファンレターはマスターページから!
こんにちは、またははじめまして、寺岡といいます。
当シナリオにご参加いただきまして、ありがとうございました。
たくさんのデートを書かせていただき、とても充実した執筆時間を過ごせました。ありがとうございます。
執事喫茶……わたしは田舎に住んでいるので、こういった場所には行ったことがなく。(もちろんメイド喫茶もない)
ドキドキしながらいろいろ調べさせていただきました。
こういうのもいいですねー。今度、執事喫茶シナリオを出そうかと思いました(笑)
それでは、ここまでご読了いただきまして、ありがとうございました。
次回もお会いできたらとてもうれしいです。
もちろん、まだ一度もお会いできていない方ともお会いできたらいいな、と思います。
それでは。また。
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日常
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15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月24日
参加申し込みの期限
2016年07月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月31日 11時00分
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