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『送信者:
白草 朱乃
内容:呉井先輩。明日の日曜日、よければマリンパラダイスへ一緒に行きませんか?』
返信メールは、スマホをポケットにしまうより早く届いた。
彼からのメールは特別な着信音にしてあるから、名前を見なくても分かる。
『送信者:
呉井 陽太
内容:オレでよければ喜んで!』
文字とともに、そう言っている陽太の姿が浮かんできて、朱乃は思わずくすりと笑ってしまった。
ぴょんぴょん飛び跳ねたい気分で、さっそく明日着て行く服を準備する。
上に着る物は決まっていた。下はどうしよう? スカートか、キュロットか。ちょっと迷ったあと、コートに合わせてキュロットにした。あとはそこから覗くカラータイツ。これは結構重要。考えた末、選んだ服を来て鏡を見て決めた。
髪型はサイドテール。そして絶対忘れちゃいけないのが、前に占いの館でもらったブレスレットだ。
(先輩気づいてくれるかな……)
あれこれさまざまな角度で鏡のなかの自分を見つめる。行くのは明日なのに、今からもうドキドキしてきて。お守りのようにブレスレットに手をあてて、お祈りをした。
どうか明日が楽しい1日となりますように。
もちろん陽太が気づかないはずがない。
コートの袖口からこぼれて見えたブレスレットに、にやにやが止まらない。
「それ、つけてくれてるんだねぃ」
「あ。はい。大切につけさせていただいてます」
「そっか」
うれしそうに笑う陽太を見て、朱乃もうれしくなった。よかったと思う。
「マリンパラダイスへ行くのは初めてなんです。もう、とても楽しみで……。
一緒に来てくれて、ありがとうございます」
「そかー。オレも初めてが一緒にできてうれしいわー。こうなったらめいっぱい楽しもうぜぃ」
「はい」
「んで。朱乃ちゃんはどこへ行きたい?」
「あ、私、イルカショーが見たいです」
「オレも! まだちょっと早いけど、早めに行って一番いい席で見ようぜぃ」
「はい!」
ふたりはイルカのプールへ直行した。
客席にはショーの注意事項を告げるアナウンスが流れていて、プールから客席は距離があったが、それでも前の列はイルカがジャンプするときに水しぶきがかかるという。
「だって。どうする?」
「私、気にしません。それより、近くでイルカを見たいです」
「んじゃ、この辺りにしよっかねぃ」
ふたりで選んで座った席は、赤と白のループが吊るされた台の近くだった。やがてショーが始まり、トレーナーを背に乗せたイルカたちが現れる。ロケットジャンプ、バックスピン、スピンジャンプと、案の定、ジャンプしたイルカのたてる水しぶきの飛沫が飛んできたが、尾ヒレで強く水面を蹴って空を飛ぶイルカたちのダイナミックなパフォーマンスを間近で見る迫力の前ではそんなもの、どうということもない。
「呉井先輩っ、見てください! みんな、息ぴったりです!」
客席に胸ヒレを手のように叩いて見せたり、口にくわえた旗を振って見せたりと、5頭のイルカは多才な技を次々に披露する。その愛嬌のある姿に朱乃はすっかり夢中になって、興奮して手をたたいた。
やがて、ショーの最後の演目、イルカとの握手会の時間になった。希望者はプールの入り口へ来るようにとのアナウンスが流れる。
「わあ、イルカと握手ってすてきです。
先輩、行きませんか?」
「ん? オレはいいから、朱乃ちゃん、行っておいでよ」
「え、でも」
「オレはここからばっちり決定的瞬間を撮ってあげるからねぃ」
「そうですか。……ありがとうございます」
カメラを持ち上げて見せる陽太にぺこりと頭を下げて、朱乃は客席を離れた。
指定された場所は握手会に参加する人たちでごった返していた。スタッフの指示に従い、きちんと列に並んで待つ。数人ずつプールに出て、手を伸ばしてイルカの胸ヒレに触る順番を待つ間、朱乃は客席でカメラをかまえた陽太と視線を合わせ、笑顔で手を振った。
陽太はもっと朱乃とイルカを撮りやすい位置に移動して、朱乃がイルカと握手する瞬間をしっかりカメラに収める。
「朱乃ちゃん、喜ぶやろなー」
液晶できれいに撮れていることを確認して、早く見せてあげたいとうきうきしながら出口へ向かった。
ショーに参加した朱乃はプールに入ったのとは反対側にある出口から出されていた。回ってくるまで時間がかかるだろうが、きっとここを通ると思って。けれど、出口を通過する人波のどこにも、朱乃の姿はなかった。
やがて人の数が少なくなり、途切れて、だれも出てこなくなる。
(……え?)
もしかしたらと思って客席へ上がってみたが、ちらほらといる人のなかに朱乃らしい女性の姿はない。
(もしかして、見逃した?)
――はぐれた?
その言葉が脳裏に閃いた瞬間、さーっと血の気が下がるのを感じた。冷たいものが背筋を伝い下り、腹の底が震える。
(ヤバイ……これじゃまるで……)
昔、家族とはぐれたときと同じじゃないか。
そんなこと思い出したくないのに思うようにいかず、強烈な切迫感に襲われ、胸が痛いほど激しい動悸に息が乱れた。うまく息が吸えない。カッと体が熱くなったと思うと汗が一気に吹き出すような感覚が起きて、頭の奥が痺れ、力の抜けたひざから崩れ落ちそうになる。
自分がパニック障害を起こしかけているのが陽太にも分かった。
(……いや、落ち着け。あのときとは違う。朱乃ちゃんもオレも、幼い子どもじゃない)
「……とにかく……朱乃ちゃんの携帯に、電話……してみよう」
震える指で携帯を取り出し、なんとか短縮を押した。呼び出し音が、やけに大きく響く。
『先輩っ! 今どこですか……!』
すぐに朱乃が出た。緊迫した声であることから、朱乃も相当あせっているのが分かる。
そう思ったら、逆に陽太は落ち着いてきた。
(オレがしっかりしないと)
「オレ、今客席。朱乃ちゃんこそどこ? ……ああ、そこまで捜しに行ってくれてたのかぁ。ごめんな。……うん。出口で待ってたんだけど、すごい人の数だったし、どうもすれ違ったみたいだねぃ。でももうだいぶいなくなったから、今だったら間違いなく会えるわー。……うん。待ってて。すぐ降りるから。うん」
携帯を切るころにはパニックもかなり収まっていて、最後の緊張をとるように、はーっと大きく息を吐いた。
「よし。もう大丈夫」
階段を駆け降りて通路を出口へ向かう。朱乃はもうそこに着いていて、走ってくる陽太を見つけた瞬間、泣きだしそうな不安げな表情で陽太に手を伸ばそうとした。けれどすぐに思い直したように引き戻して、胸に押しあてる。
「朱乃ちゃん、よかったぁ」
「先輩、ごめんなさい……」
「ん? 何が?」
「心配かけさせて……」
きょとんとなっている陽太に、朱乃はしおらしくうつむいて、顔を隠したまま言う。陽太は頭を撫でた。
「んーん。オレの方こそ配慮足らんかったわー。もしものとき用に事前に待ち合わせ場所をきっちり決めておくべきだったんだねぃ。ごめんな、不安にさせて」
「先輩……」
顔を上げて陽太を見て、朱乃は気づいた。
「先輩、すごい汗です」
急ぎハンカチを取り出して額に押し当てる。
「ああ……走ってきたから」
陽太ははっと表情を変え、その手から顔を遠ざけ、背中を向けた。
「ははっ。みっともないな。自分でできるから……朱乃ちゃんのハンカチ、汚すことないよー」
「先輩……」
ごしごしこすったあと。陽太はふうと息を吐き、くるっとまた正面を向けた。
「そろそろナイトアクアリウムの施設の方へ行こうかねぃ。途中の展示も見ながら」
「あ、はい」
笑っている陽太はいつもの陽太に見えた。
だけど、やっぱり違う。
「そうだ、朱乃ちゃん。よかったらでいいけど……手をつないでてもいい?
キミと、はぐれたくないんだ……」
こんな自信なさそうにほほ笑む陽太は、初めて見た気がする。
「もっ……、もちろん……!」
朱乃はその表情に胸を突かれ、恥じらうことも忘れてその手を急いで握った。なぜか、そうすることがとても大切に思えた。
「ありがと。
じゃ、行こっか」
手を引いて歩き出した陽太を、朱乃は心配げに下から見る。
「先輩……」
(さっき走って駆けつけてくださって、とてもうれしかったです。
私は、ここにいますから……ちゃんとこうして、傍に……)
視線で、言葉にならない思いを告げる朱乃に気づいたのか。
そむけがちな横顔で、ぽつりと陽太がつぶやいた。
「……また今度話すよ。
……傍にいてくれて、ありがとう」
「……はい」
無理に話してくれなくてもいい、と朱乃は思った。今はその言葉だけで十分。聞き出そうとしたりせず、陽太が話してくれるまで待とう、と。
そして陽太は、つないだ手を通じて伝わってくる朱乃のぬくもりを感じて、ようやく静まった心で考えていた。
朱乃とはぐれたと思った瞬間に、なぜあんなにもあせったのか。
前にも友達とはぐれてあわてたことはあったけれど、今回ほどひどい状態には陥らなかった。今回は、あのときとはまた別のあわて方をしてたような……。
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担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月24日
参加申し込みの期限
2016年07月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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