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<宝石人形>紫黄水晶アメシスタ/シトリム
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最初に出会った時と同じ客間に通されて、そこで手に入れてきたアメジストとシトリンを屋敷の主──トキサダに渡す。
その場の視線を一身に受けながら、そっと割れた面を合わせれば、それはぴったりと一致した。
「確かに……これに、間違いありません。
有難うございます」
それを聞いた一同に安堵の息が漏れた。
しかし、アメジスト探索に付き合い、戻って来たアメシスタと、その姿を切り替えて揃った石を見たシトリムだけは、合わさった石を見て明確に喜ぶ様子を見せなかった。
ただ、困惑している──そのような人形の顔。
目の前では早速、その石をどうするかという会話が始まっている。いつ、該当者ともいえる人形にどうしたいかというという問い掛けが来てもおかしくはない。
しかし、それを恐れるかのように、一歩その場から後ずさりをする人形の姿を
恵御納 夏朝
は確かに目にした。
「大丈夫……?」
「ひぁあ!! あ……だ、大丈夫、です……」
狼狽えながら、少し離れた所から石の扱いについて話している様子を、時折その姿をシトリムに替えながらアメシスタは眺めていた。
「そこの姉ちゃん、あのさ」
さっそく石への対処が話題に上がる様子を、姿を変えて見ていたシトリムが、傍の夏朝へと問い掛ける。
「何? どうかしたのかな」
「あのさ──この状況で言うのもどうかなって思うんだけどさ……」
「もし修復の術が無いようでしたら、二つを圧着させてそこに樹脂を浸透させる浸透法はどうでしょうか?
固まった所を研磨して、プラチナやゴールドの枠で補強すれば──」
黒依 アリーセ
が石を持つトキサダに提案する。
「樹脂は、経年による樹脂の劣化で、早いものは数年で樹脂部分の色が黄ばみます。……行うならば、最終手段でありたいものです。
それに──石を繋げてしまえば、石は現状以下となる『アメトリンの紛い物』としか見られませる事は無いでしょう。
……私個人と致しましては、偽造品となったものを付けた人形を『宝石人形』として、何事も無かったかの様に、買い手に譲り渡す事は出来ません」
俯く製作者の言葉を確認する様に、
八神 修
が布張りの小さな台座の上に置かれた石二つをじっと見つめた。
「確かに、元は一つだ。完全にグラデーションが一致するとはいえ、それを繋げれば石としての価値を完全に失うだろうな。
とはいえ……」
修の視線を追う様に、その場一同の視線が人形に集まった。
その瞬間アメシスタであった人形は、驚いた様にシトリムへと姿を変える。
シトリムは、その視線を一斉に受けて。
先程、夏朝に告げようとした言葉を全員に向けて答えた。
「なぁ。
確かに石が見つかって感謝してる。あんたらが恩人なのも分かってる。
……でも、俺たち──元に戻りたいってあんまり思わない」
周囲が、その言葉に目を見張る様に人形に目を向けた。
「……でも、君たちは元々一つの石だったんじゃなかったかな?」
この現象を最後まで見届けたい、そう願いシトリン探しからこの場に来ていた
志波 武道
が、目に見える非日常に僅かに身体がこわばるのを感じながらも、シトリムに問い掛けた。
「そりゃ、悪いとは思ってるぜ!? あんたらは、ほっといたらきっとそのまま原型とどめてなかった俺たちを見つけてくれた。俺たちもう諦めてたのに。
だから、感謝してる。これは本当に!」
シトリムの言葉に偽りはない様子が伝わってくる。
しかし、直ぐにその顔色が曇った。
「でも……
元に戻ったら、俺たち売られるんだろ? 買い手なんて、わけわかんねー奴の所に行かなくて済むんだろっ?
なんでこーなったかは分からないけど、こんなに話が出来るのもずっと続くもんじゃないのも分かってる……その時、身体はどうなるか分からねーけど……
でも、もし元に戻っても! 俺たちの石がこのままなら、売れねぇんじゃないかなって。売れなかったら、俺たちずっとここにいられるんだろ?」
売られたくない──それは、人形が一つであった時、屋敷を出る際に残した言葉。
一つの時に思った事が、二つになっても引き継がれている可能性について、シトリムの必死に訴え掛ける言葉に、一同が動揺と共に言葉を探す。
「これは……
僕の我儘で……もちろん押し通すつもりはないけれども……」
その最中で、夏朝が口を開いた。
おずおずとながらも、この状況での発言に勇気が要るのは想像に難くない。
夏朝はずっと考えていた──アメトリアも、シトリムも、アメシスタも。
例え、その存在が事故に近い派生であっても。一瞬でも存在していたものが、ずっと残し続けられる手段と可能性について。
「これが神魂現象なら……現象が終わった瞬間に、人形は元通りの──アメトリアの姿に戻ると思う……
でも、アメシスタとシトリムが元に戻りたくないなら……その意志を尊重したい」
──存在出来るのなら、更にアメシスタとシトリムへ、それぞれの身体を作って欲しい──続いて浮かんだ言葉を、夏朝は半ば無理をして呑み込んだ。
同じ人形の身体を作るのに、どれだけの時間と負担が掛かるかは想像に難くない。しかも、それがこの場の全員に、同意できる考えだとは思えない事は、夏朝自身何よりも理解していたから。
押し通す事はなく、敢えて深く語る事無く、夏朝はその思いをただ胸にしまい込む。
「んー……
何か、人形の二人とトキサダさんに大きなすれ違い? みたいなのを感じる」
今まで、ずっと沈黙を守って来た
桜庭 円
が呟いた。
「石をどうするか決める前に、お互いの気持ちをぶつけあってみるのはどうかな? たとえば──」
続けられた円の言葉に、トキサダと人形は目を見開きながらそれを胸に残していく。
「これは……話し合いの余地有り、って事かな?」
その様子を見つめていた武道が、即決される事の無いこの不可思議な現象に少し安堵した様子で息をつく。
「そう、ですね。
いつまでこの現象が続くかは分かりませんが……それでも、人形と作り主のすれ違いを残したまま、無理に石だけ誤魔化しても仕方ないと思います」
修がその言葉に相槌を打って、息を入れる様に辺りを見渡した。
窓を見ればすでに日が暮れているのに気が付いて。
様子を見て、何か変化があれば連絡をしてもらう約束をトキサダに取り付けて、その場は一端、全員を車での送迎の元に解散の運びとなった。
「宝石は2つ共ここにあるから……
結論は、少し話し合ってからでも……遅くはないと思う、よ」
がらんとした客間にて。
思い起こす夏朝の残した言葉に、人形とトキサダは改めて台座に置かれたアメジストとシトリンの石を、見つめていた。
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担当ゲームマスター
冬眠
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
神話・伝説
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月05日
参加申し込みの期限
2016年07月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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