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<宝石人形>紫黄水晶アメシスタ/シトリム
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目の前に紅茶の淹れられた白磁のティーカップが置かれている。
円形に、大きめに距離の取られたテーブルが落ち着かず、
桜庭 円
は思わず僅かながら辺りに目を泳がせた。
それとは対照的に、
暗道 忍
は勧められるまま静かにカップへ口を付ける。
「本当の事を申しますと。こうして残って下さった方がおられた事に、お恥ずかしながら安堵している己がおります」
製作者──トキサダと名乗った男は二人を前にして静かに告げた。
「いや、万が一の時には購入者に謝らなきゃならないでしょう?
それも考えたら、一人でいるには状況が状況ですから。せめて待っている間の話し相手位にはなれるかと」
「そうか、購入者さんの事も考えないといけないんだね。
人形達の事を考えていたけど、それに関しては──」
忍と円の眼差しがトキサダに集中する。
トキサダは目を閉じ、深く息をついた。
「このままでは、売約はキャンセルとなるでしょう。
ですが、今は解決しなければならない問題が多すぎて、困惑が隠せない状況です」
トキサダの言う事にも神魂現象に慣れていない存在にとっては、極めて一理あるものだった。
少なくとも、購入予定の人形がいきなり動き出して会話をする上に、更には売却時の姿ではなく全く違う物として魔法の様に切り替わる。
確かに、この珍妙な状況を事実そのままに説明すれば、相手によっては商品の信用問題どころか、今後一切全ての関わりを絶たれかねない。
「それでは人形と石は出て行ったメンバーに任せて、ここはのんびり談笑とでも洒落込みますか」
「ボクも、人形師さんとその人形について、話を聞けたらなぁって思ってたんです」
「私と、人形……ですか」
二人の言葉に、少し意外そうにトキサダが首を傾げる。
「いやね、実を言いますと宝石人形に一人お気に入りの子がいて、個人的に興味があったんですよ」
「確か──ルヴィアの時にはおられませんでしたから……フローティアですか」
フローティアは、宝石をあつらえた人形の内、一時とはいえその願望を叶える為に動き出した、最初の一体の名前。
「ああ、あの子は興味深かった。あんなに発色の良いフローライトも初めて見たしな」
「フローティア……あれは皆さんの共同購入でやっと居場所を得る事が出来ました。本当に有難うございます」
ティーカップを置き、トキサダが静かに改めて深く頭を下げた。
「もし良ければ、いろいろと聞かせてください。
人形達を作るときの話とか作り始めたきっかけとか」
「きっかけ、ですか」
静かに、フローティアの人形を振り返る様に問い掛けた忍の質問に、トキサダが僅かに瞑目して思案した言葉を置く。
「……もう、数十年と前の話です。強く、想いを重ねた女性がドールを集めるのが好きだったのです。
人形に囲まれ、静かに時を過ごす彼女の姿に心を惹かれました。
それから、です。気が付けば、私自らが、自作の人形達に囲まれ、静かに暮らしていたのは」
トキサダの話の中において“彼女”という存在が過去形である事を、察しの良い円と忍は気づいていたが、それに改めて触れる気にはならなかった。
「──作った人形が間違っても埃を被る事が無い様、私自身が時を見ては、一日の大半を手入れと掃除に費やして──済みません、話が逸れましたね」
「いえ、それは……アメトリアも?」
最初の質問から逸れた話題に、それでも円はそれを見逃す事のない様に軽く質問を添える。
「ええ、彼女の髪色は本当に美しく作る事が出来ました。ブラシで梳かすと、とても幸せそうなイメージが伝わってくるのがとても嬉しく思いまして」
「……アメトリアはここで愛された人形だったんですね」
ここで強く愛されたから、ここを離れる事を認めない。その原因の一端に円が触れる。
「多分、あの二人の人格も、アメトリアの一部だと思うんです。石が割れたからだけじゃない。
別れたのは、心に矛盾があるんじゃないかなって」
「矛盾ですか……
そもそも、どうして私の作成した人形だけが動くのでしょうか……」
円は、思いつめた様子で呟いたトキサダの言葉に、僅か驚いた様に意外そうに目を見開いて。そして、何かを納得した様子で告げた。
「人形が動く理由。
それは、製作者さんが人形を愛してるから」
「愛しているから、ですか……?」
円の言葉に、驚きを隠さないトキサダが反復する様に口を開く。
「そう、愛──愛が無いと奇跡は起きないものさ」
「愛……、ですか……」
トキサダが悩み込む様に思案する。
その答えを探さんとする様子を、猶予を分ける様に待っていた忍が、しばし待ってもそれが出ない事を確認してから、こう切り出した。
「さて、無事石が見つかったとして──人形は戻ると思いますか?」
「……分かりません。まさかこんな事態になるとも思いませんでしたから……」
「戻らなかった時に、購入相手に納得してもらう方法を考えないといけません。
それと、戻らなかった場合。まずこの子がどちらの姿で人形に戻るのか」
考えあぐねる様にトキサダが沈黙する。
確かに、アメトリアには既に購入相手がいる。製作者としては、その購入先への説得と対処は避けられない。
「まぁ元通りになってもらえるのが一番なんですけどね!」
正しく事実を告げた忍の言葉が身に沁みたのか、トキサダは改めてどうすべきかを決めかねて。
その様子をもって完全に沈黙をしたトキサダの重たすぎる空気に、一息入れる様に忍が思案する。
「(宝石は力を宿す……そして製作者の熱意、神魂はそれに惹かれる?)」
そして、人形を取り巻いて来た現象に、忍は確信した様子で思いを向けた。
──愛は確かに存在するだろう。だが、この状況には製作者の何かが足りない──
「製作者さんに二人に話してほしい。
今まで作った子達の話」
円が訴え掛ける様子で、テーブルから身を乗り出した。
「どんな想いで作ったか、託したか。
二人に話してほしい」
──そうすれば、二人に自分を作った存在が、アメトリアにどれだけの様々な思いを込めて、それを届けようとしたのか分かるから──
言外の言葉に、忍も静かに言葉を添える。
「多分また動き出す子が居るかもしれません。
……度々作った子達と対話をしてみてはいかがでしょうか?」
「話を……」
「──俺には彼女達の心は解りませんけど、あなたなら解るはずです」
思いを言葉にして、そこまで口にして忍は気がついた。
トキサダは、現象を起こしているのが自分の人形でありながら、それを不可思議というヴェールに隠して、それが現実であるという事実に慄いている。
円からの言葉も乗り気ではないのは、自身を含む特殊な事態全てを受け入れていないからだと理解する。
恐らく、足りないものは──覚悟と決意。
「(さて、相手に活を入れるのは俺の仕事じゃないな。
それは若い人に任せて、俺に出来る事をしますかね)」
そう一つ思いを決めると、忍はトキサダへ向かい、円と共に改めて話を始める事にした。
──割れた石が、それによりアメトリアが物理的に戻る可能性は極めて低い。しかし、ここは寝子島。何が起こってもおかしくは無い。
起こるかも知れない奇跡は他の人物に任せ──現行の現実で、忍は自分に出来得る可能な限りの事柄に思考を巡らせ始める事にした。
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担当ゲームマスター
冬眠
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
神話・伝説
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月05日
参加申し込みの期限
2016年07月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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