this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
<宝石人形>紫黄水晶アメシスタ/シトリム
<< もどる
1
2
3
4
5
…
13
つぎへ >>
八神 修
と
フィーナ・シレンツィオ
が車を降りると、その場で使用人と思われる人々が列を成し、一斉にこちらへと頭を下げた。
その場で一番立場のありそうな使用人に連れられながら歩く。
待遇に慣れていない訳ではないとはいえ、実際にここまでされては、それはまるで映画の様だ。
「すげーな……ここまでされる覚えねぇぜ……」
「確かに……これは驚い──ん?」
案内された部屋に入れば、既に連絡のついた全員が到着したのか、ゆっくりと背後の扉が閉められる。
「──僕にも、協力させて……あ、八神君たちも来たんだね」
緊張した様子で、ほんの少しの差で到着していた
恵御納 夏朝
が、見慣れた顔に少し安堵してから、改めて目の前の男に挨拶をしていた。
夏朝の前にいる男の外見年齢は壮年が入る年頃。しかし、きちんと仕立てられたスーツの下には、かなり鍛えられ、年齢を感じさせない筋肉がある事がうっすらと伝わってきた。
そして、その傍らでは、
「み、見つからなかったら……どうしよう……!」
「なんかさ……もういーんじゃね?
だって、この姿だったらオレたち──」
「で、でもだって──!」
──目の前で、全く別の存在がその姿をころころと変えていた。
じっくりと観察して、初めてそれが人間のように滑らかに動く球体関節の人形であると判断が追いついた。
しかし、目の前の存在は、一言を置く都度、その姿を不可思議極まりない魔法のように、理解が追いつかない程にくるくるとその姿を変えていくのだ。
服は同じ、しかし緩やかな波を持つ紫の髪の少女は、次の瞬間にはざっくりとした黄色の髪の少年に変貌する。逆も、また然り。
「これは……」
あまりに目に見えた怪異現象──もとい神魂現象を目の当たりにして、その場のほぼ全員が言葉を無くしつつ眺めていた。先程から、ずっとこの調子らしい。
「まぁ、二人とも落ち着くんだ。
不安なのは分かるけれども、そちらからも話を聞けなければ、状況が進展しない」
修が、もはや明らかに別人と分かる二体の人形に、優しく諭すように声を掛けた。
それでやっと、二体が紫の少女の姿で沈黙する。
「凄いマス! 本当にdoll動いてるデスヨ!!」
トワ・E・ライトフェロゥ
が、その様子に感動を隠さずに手を伸ばす。
「ちびすけ! 勝手に触るんじゃ──!」
「あ、あの……大丈夫です……!
私たち、お人形だから……嬉しい、です」
紫の人形がトワが伸ばした手に自ら触れた。
「自分から、人に触れられるって、ほんとうに、嬉しい」
人形が、笑顔を見せた。
「人形師さん。
ボク、
桜庭 円
って言います。……ルヴィアの時は、お世話になりました」
「……。
はい……思えば、前回の時には自己紹介すら侭なりませんでしたね。……あの時は、本当に有難うございました。
──私が、製作を手掛けた人形師と申します」
人形の製作者が、円のみならず、その場に集まった全員に改めて一礼した。
「状況を、教えて頂いても良いですか?」
黒依 アリーセ
が冷静に告げる。尋常ならざる状況である事は、存在がおもちゃの様に入れ替わる人形を前に一応の理解はしている。
しかし、それをどうするかを考えるには、情報はまるで無いに等しい。
「失礼致しました。それでは、分かる範囲で説明をさせて頂きます」
製作者が、人形を一目見てから、その現実をやっと己に納得させるように語り始めた。
この人形は“宝石人形”と名付けて手掛けた、体の部分に輝石、半貴石を問わずに天然石をあつらえたシリーズ作品の一つである事。
目の前にある等身大の人形は“アメトリン”という同一結晶の中に紫のアメジストと黄色のシトリンである2色がバイカラーとして入った“アメトリア”と名付けたドールであった事。
それが、前日売約が決まった最中、今日目の前で突然に動き出し、驚いている内に外へ出て行ってしまった事。
「こんなに動いているのに、本当に人形なんだね……
無くしたパーツっていうのは石のことかな? どこに付いていたんだろう……」
夏朝が不思議そうに、アメトリアであった人形を見つめる。
切り替わっていた少年姿となった人形が、恥ずかしげに顔をそらした。
「右胸です。固定はしっかりとしたはずですので、周辺部分が壊れずに石だけが落ちて割れたというだけでも、不思議ではありましたが……」
少年の人形の代わりに、製作者が答える。
そして、それが寝子島では良くある、猫の大群に呑まれた結果であるらしい事。
しかし、それだけで現状に理解と納得が出来るはずもなく。
製作者は、その原形を留めていないままに戻って来た、姿を切り替わる人形に、紫を“アメシスタ”黄色を“シトリム”と名付けて、初めてSNSを利用し、この尋常ならざる状況から助けを求めたのだという。
「SNS使ったのは初めて……営業とかで使った事はないんですか?」
円が不思議そうに問い掛ける。
確かに、ネットありきなこの時代で商売に、今時にSNSを使わない手はない。
「……。私には、既に作品を気に入ってくださる顧客がおりますので……宝石の取り扱いも併せて、SNSでの不確定なお客様は求めていないのが現状です」
冷静を共にしながらも、若干の歯切れ悪さを合わせて、製作者が告げる。
その様子から、アリーセが静かな疑念としてそれを形にした。
「気になっていたのですが……シリーズに使われていたその宝石はどうやって入手を?
等身大のビスクドールにあつらえる以上、決してクオリティの低いものではないはず。人形が動く原因の一端かも知れません」
製作者は、話すべきかを思案する様にしばし沈黙してから、軽くはない様子でその口を開いた。
「……お答えしかねます。
知己や、お客様からの個人から譲り受ける事が殆どですが、それの過去を辿る事はありません」
「ですが、それが分かれば今回の様な事件は──」
「──いや、フローティアの時のお嬢さん。それ以上は触れない方がいい」
最初に動き出した
フローティア
という人形の事件の際に、アリーセと出会っている
暗道 忍
が全体に言い含めるかの様子で口にした。
「フローライトもそんなに高級な石じゃないが、実際にあの時瞳のフローライトを見て、全く同じ透明度、色の深さ、同じ形。どれも個人で簡単に揃えられるものじゃない。
全員が集まるまでの間に、他に動いたルビーの人形の話を聞いたが、話だけでも博物館レベルだ。
金だけなら何とでも出来る金持ちは多いが、そこまでの石なら、半貴石であっても、金額以前にまず『表の社会』に出て来ない」
製作者が、同意を示すかの様に沈黙を続ける。
「……まあ、ここらへんは『個人所有を好意のみで譲り受けた』にしておいた方が誰にとっても安全だと思うがね。金持ちって輩は本当に何をするか分からんからな」
「──……。つまり、正規の流通ルートではない、という事ですね?」
忍が締め括った言葉に、アリーセが確認する様にその事実を製作者に問い掛ける。
「……誠に心苦しいですが、お伝えする事は」
製作者の言葉に否定はなかった。それならば、公に宝石人形の存在をSNSで出していなかった理由も納得がいく。
金持ちから、金持ちの所という閉鎖的な空間を顧客として、彼のドールは回っているのだと云う事を理解して。
アリーセはそれに複雑な表情を見せてから、一度瞳を閉じて頭を切り替えた。
今は動いている目の前の人形が優先だ。清々しい気持ちとは程遠いが、知らなかった事実が一つ明らかになったと思えば、と深く自分の心に言い聞かせる。
「つーか、売約決まってたって言うけどよ。この事は購入者は知ってんのか?」
フィーナが、その場の全員が考えていた事をはっきりと口にする。
「いえ、まだあまりに突然すぎて、連絡も……」
製作者の言葉は、当然でもあった。
一度自分の人形が動いていた事を知っていた身とはいえ、今回起こった事は余りにも多すぎる。
考え込む様子を見せた製作者に、修が口を開いた。
「アメトリアの購入予定の方は──この状態となっても買い取ってドールを大事にして下さるような方でしょうか」
「……分かりません。購入者の方はアメトリン自体を非常に気に入っておられましたので……
こちらの石を持ち込まれたのも、同じお客様です。
石が割れてしまった事も、いつ落ち着くのか分からないこの不思議な現象も──伝えなくてはならないと思いつつも、うまく伝えられるか……」
日常が目の前で、非日常となった瞬間──それを切に思わせた言葉が届いた、その場に重い沈黙が広がった。
その中で、アリーセの携帯電話が小さく鳴った。
断りを入れて電話に出る。相手は、先程連絡を取り合っていた
呉井 陽太
。
『見つけたよぉ。猫の大群の目撃情報。
協力してくれる人が、今現地で詳細調べて送ってくれてるん。
……たぶん、その猫を追い掛ければ、石の場所が分かるんじゃないかなー』
アリーセ越しにその言葉を聞いた全員が──何より、くるくると入れ替わる様に姿を変えるアメシスタとシトリムの瞳が、先程の不安と否定とは裏腹に、その心が分かるほどに期待に満ちて輝いた。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
13
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
<宝石人形>紫黄水晶アメシスタ/シトリム
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
神話・伝説
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月05日
参加申し込みの期限
2016年07月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!