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<宝石人形>紫黄水晶アメシスタ/シトリム
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それから──
夕暮れと宵闇の混じる逢魔が時。
使用人の言葉により、来客を知ったトキサダはその存在を迎える為に、静かにホールへつながる玄関のドアを開けた。
「ようこそおいで下さいました。ミス常闇」
目の前には、
常闇 虚
が立っていた。
妖艶な佇まいは圧倒的な存在感。
斜め後ろに、こちらへ改めての連絡を取り付けて、昨日に至っては石を探す手助けをしてくれた
常闇 月
を従えて。
二人を広い屋敷の中から、昨日使用した部屋とは異なる応接間へと案内をする。
広すぎず、それでもアンティーク調の華やかな部屋で、改めて虚と月はトキサダと対面した。
「これはこれは……こうしてゆっくり話し合うのは初めてね。
私は常闇虚……御噂は予々」
虚が椅子に腰を掛ける前。
その姿には漆黒をあしらったドレスが良く似合う。虚がスカートの裾を摘み、恭しくも気配からその立場を崩す事なく、改めてトキサダの方へ礼を払った。
それを目にして、月は同様の礼をすべきか、一瞬動揺を露わにしてから、それでも〝らしくない”と判断してこちらは軽い会釈に留める。
「こちらこそ。
ようこそおいでくださいました。
改めまして、月様には、こちらの事情にお付き合いを頂き感謝もありません。
──どうぞ、お掛け下さい」
「こうしてお会いできて嬉しいわ。私のことは好きなようにお呼びしてくださいな。貴方のことはどう呼んだらいいかしら?」
三人が席につき、虚が静かに問い掛ける。
「名乗りが遅れました。お恥ずかしながら、公の場以外で名乗る機会がなく。
私の名はトキサダとだけお呼びください」
三人が席に着く。その間、僅かだが開いたドアの隙間からこちらの様子を誰かが覗いている姿が垣間見えた。
「失礼」
トキサダがゆっくりと立ち上がる。
そして、月と虚が入って来たドアをそっと開けた。
来客が気になったのだろう、そこにはドアに隠れていたシトリムの姿。
「あ、や……!
すぐ! すぐに帰る!! 直ぐに部屋に──!」
「……それでしたら。
義姉さんには製作者の方に別途用があるとのことですので、どちらにしろ席を外そうと思っていました。
……少しお待ちを」
月はそう告げると、手際良く、シトリム達の前で持ち上げて運んで来ていたトランクを開けて、中から漆黒のドレスを纏わせた一体のアンティークドールを取り出した。
長い睫毛。薄いがとてもつややかな唇。
まるで人間が眠っているかのような一体の人形に、それを目にしたトキサダは、思わず感嘆のため息をついた。
それを、月は腕でその上まで抱え上げ、椅子に座ったまま、そっとその人形にキスをした。
トキサダが驚く最中で、かくんと、まさに人形の様に意識を失くした月の身体。
同時に、その腕にあった月が抱き留めていた人形が動き出す──
【ドールダイブ(人形憑依)】
それは、キスした人形に憑依し、自らの肉体の様に動かすろっこん。
月の身体は気を失った状態となるが、その身体が椅子からずり落ちないように、明らかに自律で床に立っている人形がその姿勢を整える。
そして、正面を向き直った人形には、意志の宿った美しい赫の瞳が光っていた。
「初めまして、私は【黒曜石】と言います」
それは虚の横で、改めてトキサダとシトリム達へ向けて、スカートを持ち上げ、義姉と一寸変わる事のない礼を見せた。
「これは……」
稼働する、今までの自分が見てきたのと同じ気配を漂わす人形にトキサダが息を呑む。
「もしミスタートキサダさえ宜しければ、義妹が人形達と遊びたいと」
虚の言葉に、アメシスタとシトリムに忙しなく切り替わっていた人形の目が一斉に輝く。
そのまま、人形の前に足を向けて【黒曜石】──月が、人形達に挨拶をした。
「せっかくの機会ですから、少しの間、いかがでしょうか。私とお人形遊びといきませんか?」
その手は、人間と何ら変わらない滑らかさで、シトリムの手を取った。
周囲に、血を通わせてはいないはずの人形であるシトリムの頬が赤く見える錯覚を与えながら。それを振り払うかのように、シトリムは感動に叫ぶ。
「おー! すげぇ!! 仲間だ!」
「ミスター! 遊びたいです!
一緒に! お話を聞いたり『人形遊び』をしてみたいです!」
アメシスタとシトリムがくるくると入れ替わりながら、トキサダに訴え掛ける。
トキサダは、様子を伺う様に虚へ目線を向けて、それが許容であると分かると、少しのため息交じりにアメシスタ達に告げた。
「こちらの方に、ご迷惑の掛からないように」
そうして、許可の下りた人形二体が、その部屋から華やかな姿を消した。
恐らく、どこか寛げる場所へと移動したのだろう。
そうして、部屋に沈黙が訪れた。
テーブルに向かい合う形で、湯気立つティーセットを挟んで虚とトキサダが向かい合う。
一息ついて、トキサダが告げる。
「あれも神魂影響ですか?」
「フフ……、あのように特異な能力を持つ存在を『もれいび』と呼ぶそうよ。義妹からお話を聞く限り、貴方もそうなのではないかと。ミスター」
「……だとしたら、難儀な能力ですね。持っていても役に立たないものでしたら、特に」
苦笑じみたトキサダに触れて、虚も微笑する。
「ミス常闇。いえ、ミス虚とお呼びすべきでしょうか。
このタイミングでいらっしゃったという事は、……やはり、あの子達の事について、でしょうか」
紅茶を勧められ、そこで初めて微笑みと共に虚がカップに口を触れさせる。
そして、
「ええ、少しでもお役に立てればと思いましたの。
先日のルヴィアって子は残念でしたわね……いえ、それは今更ね」
挙がったその名を耳に、トキサダは軽く瞑目だけして返す。
「──是非、その時のお話を伺っても宜しいかしら? 軽く義妹から聞いた限り、損になる提案はしないつもりでいるつもりでいてよ」
「……アメトリアにそっくりな子を、ですか」
話を聞いた虚からの予想外な言葉に、トキサダは驚きに僅かに目を見開いた。
「ええ、話に聞いた通りならば、例え神魂の効果が無くなろうとも、アメトリアが離れようとしなかった意志は変わらない。
──それならば、時間は掛かるけれども”アメトリアにそっくりな子”を作る。人形の意志が宿る事のないように、共同作業で。
それならば、うまくいけばお客様も人形を受け取れて、アメトリア本人も貴方の傍から離れることがない。……いいと思わないかしら?」
虚の案を聞き、無心にその案にトキサダは許容を浮かびかけて。
──しかし、そこまで思案した時、トキサダは混乱の最中でどうして忘れていたのかという程に、肝要な事を思い出した。
「ミス虚。……説明をそびれていたようでした。
作成した最初のアメトリアは、既に『買い手が見つかり売約を決めている』もの。今はまだ連絡を付けられない状態ではありますが、このような問題さえなければ直ぐにでも成立する取引ではありました。
……『等身大の人形を改めて作る』には言い繕えない時間が掛かります。
──購入者は既に一度、実物を見ています。
購入相手も同業者です。その一度目にした作品が同じく手製とはいえ即座に用意できるような汎用のパーツに切り替わっていれば、それがおかしい事は一目で見抜くでしょう」
その話を聞いて、既に売約済みであった事を知った虚は、言葉の代わりに深くため息をついた。
「なるほど。
せっかくの機会に『私が作った別の体にその宝石を埋め込めばどうなるのか』などを色々試したかったのだけれども──
でも、一番はあのお人形ありきだものね。協力している子もたくさんいるみたいだから……。
残念だわ」
トキサダも緊張から抜け出すように息を一つつき、虚に告げる。
「……ですが、あの黒曜石という人形は素晴らしかった。貴方の腕を借りて人形を作る機会があれば、是非に」
こうして虚とトキサダの話は終わり、人形と【ドールダイブ(人形憑依)】で人形である黒曜石に精神を写した月の元へと向かうと、ちょうどアメシスタが、人形ごっこで座らせた黒曜石の髪を、ブラシで梳かしているところだった。
そばには、どこから取り出したのか、沢山の着替えがあちこちに散らばっており、その様子から見ても楽しそうな時間を過ごしたことが伺えた。
そして、月がろっこんを解除し、虚共々玄関に向かったのを惜しむ様にこっそりとアメシスタとシトリムがついて来て思い合っていた。
「(人形を愛する、というのは、こんなにも暖かい気持ちなんですね)」
「(いいなぁ、石探してくれたやつらも皆いいやつだったし……もらってくれる人間も悪いやつじゃないって聞いてるし、俺たちも、可愛がってくれるのかな?)」
「時間ですか……」
月が手元の〝黒曜石”のトランクを見つめながら残念そうに呟いた。
そして、時折こちらへ輝くような目線を向けるアメシスタとシトリムに云い伝える様に話し掛けた。
「私には、その後貴方がたがどうなるか定かではありませんが……
……その、よければ、私と友達になってはもらえませんか?」
二体の人形の瞳がより一層の光を湛えた。
「も、ちろんです!!」
「ああ! もちろんだぜ!!」
いつも以上にころころと、人形はその姿を切り替えながら同意を示す。
人間と人形の友達が一度に出来た──それは人形たちにとって、とても嬉しく、そして幸せな出来事だった。
「月ちゃん、帰りましょう。
それでは、次に機会が合いました時には是非とも。ミスタートキサダ」
「ええ、是非とも。ミス虚」
去り際の美しいカーテシー。去った姉妹を見送り、トキサダは空を仰いだ。
時間としては大して経ってもいなかった事を改めて思い知る。
だが、トキサダの心は、その時間は数時間にも思われた。
ふと、虚の言葉を思い出す。
取引前だと断りこそしたが、この意思一つあれば、時間を引き延ばす交渉は出来ただろう。
いっそ、買い手にはろくな事情一つ話さずに売れなくなったと、契約を破棄する事も。
そのまま時間を掛けて分けた石を元に人形を作る事も、価値のない偽物となるのを分かっていながら、それらの石を繋げる事も。
いっそ石も人形も投げ出して、何もなかった事にする事も──
「……………」
〝自分には、なりふりさえ構わなければ、この事情をどうとでも出来る選択肢があるのだ”と、
人形達が、人々との触れ合いにより確実に明るい思いを募らせる中で。
その製作者である人間が思い知った真実は、
本来喜ばしい事であるはずながら、絶望にも近い思いで心に深く突き刺さった。
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15人
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14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月05日
参加申し込みの期限
2016年07月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月12日 11時00分
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