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ママパパパニック! 可愛いキューピットのいたずら
【回想】ちょっとだけ家族
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「パパ、見つけた!」
突然腰の辺りに軽やかな衝撃を受けて、
澪乃 湊弥
は思わず小さな声を上げた。
振り返り見下ろすと、艶やかな黒髪が見える。小さな女の子が澪乃に張りついて、嬉しそうにほっぺたをすり寄せていた。
突然のことに思考が停止する。この可愛い襲撃者に見覚えはなかった。
同時に耳に蘇る言葉。さっき、この子は俺のことをなんて呼んだっけ?
間髪入れず、女の子が衝撃の単語を口にした。
「パパ、どこに行ってたの? ママと一緒に探してたんだよ?」
「ぱ、パパ? ええと、きみは……」
「え、パパもあたしのこと忘れちゃったの……?」
途端に少女の表情が歪む。
澪乃は慌てた。どんな事情があるかはさておき、こんな小さな女の子を泣かせたくはない。とはいうものの、どうしたらいいのか分からないのも事実だ。
そんな密かに動揺する澪乃に、別の声がかかった。
「あの、木天蓼大学の澪乃さんですよね? これはどういう事なんでしょうか?」
「えっと、古苗木さん?」
大学やコンビニでよく見かける後輩が目の前に立っている。
問いかける
古苗木 美姫
の声は少々固い。綺麗な瞳も訝しげに細められていた。
その雰囲気から、大学の後輩である女性の心境を読み取る。
パパ呼ばわりされた動揺に、大学の後輩から向けられる懐疑が加わり、澪乃はますます困って惑いの声を返した。
「いや、俺もさっぱりで……。ええと、古苗木さん、この子、君の知り合いではないのかい?」
「え?」
澪乃の言葉や態度はとても嘘とは思えない当惑に満ちていて、古苗木もまた戸惑う。
その時、間に女の子が割って入った。二人の手をつかんで、小さく叫ぶ。
「パパもママも喧嘩しないで! 仲良くして!」
「えええ!? えっと古苗木さんがママ?」
「そうだよ! パパはパパで、ママはママだもん!」
驚きに目を瞬く澪乃を見て、古苗木は確信すると同時に顔を赤くした。
澪乃とその子にからかわれたと勘違いして問い詰めてしまったが、彼も自分と同じだったのだ。
「ご、ごめんなさい。こちらの勘違いでした! 大変な失礼を……」
「え? いや、それはなんもさ! それよりこれってどういうこと?」
「ええ。実は……」
突然、深々と頭を下げた古苗木に、状況が分からず問いかけた澪乃は、説明を聞いて小首を傾げた。
「この場合は迷子っていうのかな」
「とはいいましても、やはり交番に行くのがいいと思うのですけれど」
「こうばん? ママ、こうばんって悪い人をつかまえるところだよね? あたし悪い子なの……?」
女の子は涙を浮かべた。これではまるで不当に叱りつけているようだ。周囲の目も気になる。
しかし。
なにより古苗木の心に響いたのは、手に伝わってくるかすかな震え。
先ほど二人を仲直りさせようとして掴んだ、小さな手から感じる怯えだった。
古苗木は澪乃にアイコンタクトを投げかけつつ、優しく微笑む。
「あら……。『こうばん』じゃなくて、『ごはん』ですよ。 ちょうどお昼の時間ですから、食べてから考えましょうか、ね?」
「うん。そうだね。そうしよう」
「ごはん! ごはん! あたし、お子様ランチがいい!」
「ふふ、今泣いた烏がもう笑うって、こういうことを言うんでしょうか」
ご飯と聞いて途端にニコニコした女の子に、古苗木はつい笑ってしまった。
澪乃も小さく笑みを浮かべつつ、少女の前にしゃがみ込むとその両脇に手を差し入れて、肩車する。
「お店までちょびっとかかるし、ほら」
「わぁ! 高い高い!」
「いい眺めだべ? 今日はあったかくていかったなあ」
穏やかな言葉をかけながら、澪乃はゆっくりと歩き出した。
目を輝かせて周りを見る少女の歓声に、妹の小さな時を思い出し優しく笑って応える。
古苗木はその姿を見て、ほんの少し胸の奥が高鳴るのを感じていた。
二人の姿はとても微笑ましくて好ましくて。あの中に自分も入りたい、と思ってしまったのだ。
そんな彼女の心を見透かしたように、少女の声が呼びかける。
「ママ! はやく!」
なんて自然な響きだろう。そしてなんて無邪気な好意だろう。
振り向く澪乃の姿に引かれるように、古苗木は歩きだす。
……ちょっとだけ。ちょっとだけならいいですよ、ね?
心のなかで呟きながら。
レストランに入ってテーブル席に座った澪乃は、小さな驚きと共に自分の頬が緩むのを感じていた。
「ほうら、お口開けてくださいね、あーん」
「あーん。……おいしい〜! おいしいね、ママ!」
「あらあら、おしゃべりしながら食べるとこぼれちゃいますよ」
「はぁーい」
「ふふ、いい子ですね」
向かいに並んで座った古苗木と女の子はとても仲がいい。
特に古苗木の世話焼きぶりは、まさに本物のママと思えるほどだ。少女がどことなく彼女に似ているため、なおさら本当の母子のように見えた。
始め女の子の扱いに困っていたようだったから心配していた澪乃だったが、先ほどの機転といい面倒見の良さといい、杞憂だったとほっとする。
それに何より、二人と見ていると穏やかな気持ちになった。
これは男の本能なのかもしれないな、と思う。
妻と子供。家族。尊いもの。守るべきもの。
いきなり何を考えているのか、と自分で呆れたが、湧き出る感動は否定できなかった。
……古苗木さんは、きっと良い母親になるんだべな。
「澪乃さん。食べないのですか?」
「パパ、ごはんは残しちゃダメなんだよ!」
「うん、ごめん。ちょっと考え事してた」
見とれていたことが気恥ずかしくなって、あわててライスを口にする。
古苗木と女の子が二人揃って首を傾げている様がとても似ていて可愛くて、自分の顔が赤くなるのがわかった。
コップの冷水を一口飲み、誤魔化すように少女に語りかける。
「美味しいかい? 好き嫌いしないで、しっかり食べれよ?」
「うん! パパもおいしい?」
「うん。美味しいよ」
「えへへ。パパもおいしいだって。ママは?」
「もちろん美味しくいただいてますよ」
「よかった! ママとパパと一緒にごはんって楽しいね!」
女の子の笑顔が眩しくて、澪乃と古苗木は互いに笑みを浮かべた。
女の子を挟んでレストランを出ると、二人は少し迷って立ち止まった。
結局今後どうするかなんて相談できなかった。
そんなことを忘れてしまうくらい楽しくてあたたかな、木漏れ日のようなひとときだった。
でも、この子の本当の両親を探さなくてはならない。きっと心配しているはず。
やはり交番に行くべきだ。この空気を壊すのはとても惜しいけれど、何よりこの子を早く本当の親元に送り届けなくてはならない。
相談するまでもなく、二人は同じことを考えていた。
女の子はそんな二人の間から数歩踏み出して、振り向く。そして無邪気な笑顔で言った。
「ああ、とっても楽しかった! ママ、パパ、ありがとう!」
その言葉はとても透き通っていて儚い響きを含んでいて、古苗木と澪乃は同時に悟った。
ああ、即席家族は今終わるんだ、と。
「あのね。ちょっと待ちきれなかっただけなんだ」
女の子は笑顔のまま、少しずつ輪郭が薄れていく。
古苗木は小さく息を呑んだ。澪乃も寂しそうに眉を寄せる。
「この『あたし』かは分からないけれど、必ずまた会えるから」
女の子は何の不安もない声を伝えてくるけれど、すでに顔は見えなくなっている。
そもそもどんな顔だったのか。性別すらはっきり思い出せない。
でも、それは当たり前なのだろう。だって『この子』はまだ『可能性』でしかないのだから。
「ママ! パパ! 『未来』で待ってるね!」
希望を精一杯盛り込んだ声を残して、少女は完全に姿を消した。
人々が行き交う中だったにもかかわらず、二人の他には誰にも気がつかれずに。
古苗木と澪乃は小さく息をつくと、顔を見合わせた。
ほんの少しだけ寂しそうに微笑んで、声を掛け合う。
「ありがとうございました、パパ」
「こちらこそ、ありがとう。ママ」
不思議な体験を共有した二人が、これからどうなっていくか。
未来で『あの子自身』に会えるのかは、それぞれの気持ちと行動次第なのだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月03日
参加申し込みの期限
2016年07月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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