this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
デイ・トリッパー 〜赤い調香師〜
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
「ね、寝てません! 聞いてました!!」
派手な言い訳を叫んで桜が跳ね起きたのは、暗い洞窟の中だった。
午後の授業で居眠りをしていたと思い込んでいた彼女は、夢と現実のギャップに混乱に陥る。
「こ、こはどこ——?」
ベタな台詞に答えてくれたのは、犠牲者の間を行き来しては彼らの体温が下がりきらないよう苦心していた陽毬だった。
「んん……なんだ、夢か……。でもこれで受験大丈夫な気がするわ!」
「頑張ってね、私も待ってるよ」
陽毬が微笑んで答える頃には、桜に後れて周囲の人たちも目を覚まし始めた。
続いて救助の為に夢の中で昏倒して仲間に救われた翠響が。彼らを助けた修らが次々目を覚ます。重傷を負った武道とロベルトは患部に触れてさすったりしていたが、夢はやがて覚めるものだ。意識がはっきりすると、痛みごとあの世界での出来事が曖昧になり始めた。
最後まで目を閉じていたのはイリヤだった。
夢の中で誉が触れたと同時に体温は上がり始めてはいたが、依然冷たい身体を、陽毬は横抱きにして必死で摩っていた。
その甲斐もあり、と言うよりもその所為でイリヤの第一声は「……絶景……」だった。
「目を開けたら二つのお山が揺れてて、……これって夢ですか?」
掠れた声の冗談を聞いた途端、陽毬が両手をぱっと放してしまったので、イリヤの後頭部は洞窟の岩に打ち付けられた。
前に座り込んだ紅緒がピースサインをして「これが何本に見えて?」と質問するのに、目を回しながら「30本くらい見えます」と答えている。
「元気そうね。貴方ここへ来たことは覚えている?」
イリヤは上下左右を見回して、眉を寄せながら「よく分かりません」と答えた。
「女の人に会って……それから、夢を見ていたのかな……? 心地良いのに、雪の夜より寒くて、凍えそうだった。
でも皆が僕を呼んでくれる声が聞こえたんです。それで、目が覚めて——」
ぼんやりした目を一度瞬きしてすっきりさせると、イリヤは皆へ頭を下げた。
「有難うございます」
記憶は曖昧でも、かけられた言葉の熱は覚えていたのだ。
「ところで泉くんのろっこんて結局どんなのダッタノ?」
夢の中で昏倒し気がついたら現実で目を覚ましていた武道に質問された泉は、両手をわきわきと動かした。
「相手がトランスするよ、う、な……?」
当人に濁されてますます不思議になり以前それを食らっていた音春を見ると、彼の眼鏡がタイミングよくキラリと光る。
「魂抜けるっつーか、極まるとすっげー気持ちイイんだアレ。一回やって貰うといいよ。新境地見えっから」
「ロックバンド怖い!」
「いいからいいいから。副作用とかないよ。ハッピーになれるよ。な、日本橋君」
「うん。志波さんならお友達価格だし一回目は無料体験」
「櫻ちゃんタスケテ!」
「何をやってるのかしらね」
紅緒は穏やかな笑みを見せ、それから真面目な顔に戻って周囲を警戒していた夏夜へ声をかけた。
「どうかしら」
「うん、ここには敵の存在は感じられない」
「そうでしょうね」紅緒は頷いた。
「目的が殺人や傷害なら陽毬が一人だけ目を覚ましていた時が恰好の瞬間だったでしょう。ですから……この事件を起こした者の目的は『別の何か』——」
そんな彼らの会話を遠くに聞きながら、瓢は洞窟を去った。ここで待っていてももう、あの女が現れることはないだろう。
そんな彼の行動を横目にして、修はもう一度イリヤの様子を見る。
瞼は半分落ちて、入眠前のようだ。眠っていたのに矛盾しているが、疲れが出ているのだろう。今質問をぶつけても、彼も、他の犠牲者たちもまともに回答出来るものは少ないと分かる。
「考えるのは後にしよう」
それから——。
彼らが居た洞窟は寝子島の居住区のまるきり反対側だったが、猫の鳴き声が聞こえたと思ったら皆が立っていたのは林の中だった。数メートルも進まないうちに、落神神社へ向かう参道に出られた。
「——テオ君って言う喋る猫さんがいてね、私たちを呼んでくれたの。ここに帰してくれたのもテオ君だと思うんだけど、猫さんだからやっぱりツンデレなのかなぁ」
陽毬の声を聞いてながら笑うイリヤの声を聞いて英二は微笑む。まだ自力で歩くことは難しく泉に負ぶさって貰っているものの、段々顔色が戻ってきたのを見て穏やかに声をかけた。
「もしも何か相談したいことがあるなら僕で良ければ聞くよ」
「何があったんだ?」
天懸も友人として聞いてみようと声をかけた。そんな二人へイリヤは「有難う」微笑んだものの、思わず力がこもってしまう。
ぐっと喉を詰まらせた泉に「締めんな」と抗議されて、イリヤは慌てて話し始めた。
「兄さんたちが! ……えっと、その……僕を避けているような気がしてたんです。僕が何かしたのか、心当たりも無くて——。嫌われたんじゃないかって不安で……」
「そっか……」
アルバイトの時に二人の様子はどうだったろうか。考え込む英二のポケットの中で何かがぶるっと震えた。
「あ——、電波戻ったみたい」
丁度同じタイミングで陽毬が声をあげ、皆も同じように携帯端末を確認している。
そこで英二の近くにいた者たちは、顔を見合わせて苦笑した。イリヤの心配はきっとすぐに解決するだろう。陽毬がスマートフォンのある画面を出して、イリヤに見せた。
「『イーリャと会ってない?』って、二人から来てるよ。
先輩たちイリヤ君の帰りが遅いから、心配して探しまくりな模様。てゆか、ここにいるほぼ全員に連絡が来てるっぽい?」
陽毬の声に皆が頷くと、イリヤはまた腕に力を込めてしまいながら肩に額を押し付けて顔を隠している。正直首が絞まって苦しかったが、小刻みの震えでイリヤが泣いているのを理解して我慢している泉へ、音春が近寄った。
「日本橋君、スマホ見る?」
代わりに出そうか? とポケットを指差されてた。
しかし——前にイリヤが遊びに来た日に、うたた寝を放置していたらすっかり遅くなってしまった日があったのだ。あの時にきたメールの内容を思い起こして、「いい」と断る。
「俺のは絶対殺害予告だから」
真っ先に反応してしまった誉が「ごめん」と腹を抱えながら謝ったのを皮切りに、皆が笑い声を響かせた。
* * * * *
後日。
犠牲者から共通して出たのは、彼らの前に突然奇妙な女が現れ、甘い香りを嗅がされた後に昏倒したという話しだった。
女は真っ赤な長い髪とドレスに白衣のような目立つ服装だったが、最も際だった特徴は、目元を覆う包帯のような薄汚れた布だ。
ただ一人事件の予兆のように『赤い蛇』を見ていたイリヤは、そこに加えて幾つかの情報を持っていた。
赤い蛇を見るようになってから、妙に興奮し易くなり、集中力や判断力など感情が正常に働かなかった。
例の女がイリヤの名前を呼び、イリヤしか知らない話しをスラスラと口に出した。
この二つは超常めいて解釈がし辛く、対策をとるには難しい。結局この話しは、今後そのような特徴を持つ出来事や人物に気をつけようと曖昧に綴じられた。
ただ話しの中で唯一はっきりしているものがある。
それは女がイリヤに名乗った『調香師』と言う名だ。
刀は「それは職業名で名前じゃない」と眉を寄せたが、何れにしても正体の分からない女を呼称するにはこれ以上はないだろう。
桜は幸せな夢を見ていたと聞くし、目覚めるのが一番遅かったイリヤですら、翌朝は兄たちと登校し、数日後にはケロリと笑顔でミルクホールの店内を跳ねていた。
再開した日常に暗い影は無く、調香師のその痕跡ごと完璧に消え失せたように見えるが、その『香り』で犠牲者たちが死の淵にあったのは事実である。
夕の鍛錬の時間、木刀の柄を握りながら刀は静かに呟いていた。
「——俺のフツウを傷つける、今後も同じような事をするならそいつは俺の敵だ」
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
東安曇
ファンレターはマスターページから!
シナリオにご参加頂き有難うございました、東安曇です。
バトルシナリオは如何でしたでしょうか。因みに次回はこれの続きでは有りません。
それではまたお会いできれば幸いです。
※特殊なアイテムを持てるか持てないか※
東のシナリオでは、持っている事に意味・前提があればリアクションに反映しております。
例えば学校内にいる女子生徒のアクションで『丈の長いパンツ』が必要な場合、
・普段からスラックス派
・部活のためにジャージを着ていた
・寒すぎてスカートじゃ耐えられず、ジャージを着ていた
などキャラクターロールとして反映されていればあっさりオッケーです。
更に多少持っていて不思議なものも、『ろっこん発動のため』であれば反映の可能性は高いです。
・俺のろっこんは石を遠くに投げる能力なので、常にカバンにいれた石を持ち歩いているんだぜ☆
のようなかたちですね。有り有りです。今後東シナリオのアクションで迷った際はご参考下さい。
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
デイ・トリッパー 〜赤い調香師〜
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月04日
参加申し込みの期限
2016年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!