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デイ・トリッパー 〜赤い調香師〜
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暗い世界に再び足を踏み入れるのは相応の勇気がいった。
櫻は覚悟の光を湛えた目で、遠くに見える白い影を見つめている。蛇たちを退治する役目は自分たちが引き受けた。
あの場所まで武道たちを届けよう。ろっこん発動用のチョークを握る誉と頷き合った。
「やる事は一つ……、遠慮などしない!!」
櫻の言の葉に応じるように、彼女の手に日本刀が現れる。すらりと伸びた刃が銀の輝きを放つと、蛇の目が一斉に彼女を向いた。
「蛇を頼む!」
誉の声が洞窟に響くのを合図に、弦月と音春が目を見開く。無数に蠢く生物を見つめるのは余り良い気分ではなかったが、互いにやるべき行動に集中していた。
弦月のろっこんは蛇に重力の圧を与える。彼の狙い通り面にピンポイントに食らった蛇は、顎を大きく開いたまま動かせ無くなり、固体によっては全身に受けたのか動くことも敵わぬようだ。
「犠牲者に絡んでるのは、首根っこ掴んで投げて下さい!」と皆へ伝える。
それだけでは地面にひしめく全てを制止することは出来ないものの、櫻たちが散っていく中で、彼女たちに襲いかかろうと動いていた蛇が異様な動きを見せ始めた。洞窟の深い窪みにはまる個体や、木の根や互いに絡まるなど、不運に見舞われて機を逃しているのだ。
紅緒は眼鏡を外した音春の人を殺しそうな目付きにビクッとしたものの、強気で指示をした。
「蛇は視力が弱いわ! もっと近づきなさいな!!」
「無茶言うッ!」
「今のうち——」
駆け出す仲間のしんがりで、翠響はふっと顔を上げて、身体が軽くなったのを自覚した。今まで新体操の練習の成果だと思ってきたこれこそが、もしかすると自分の能力『ろっこん』なのでは——?
(そういえばこの仕草をした後にかぎって、何故か身体が妙に軽くなった気がする! 私は『もれいび』らしい!)
蛇は視界が狭く弱いから、軽やかに動き出すとこちらを捉える事は難しいようだ。翠響は力を理解した感慨そこそこに、今自分に出来ることをしようと走る。
洞窟内の犠牲者たちは、殆ど蛇に埋もれていて、身体の一部しか見えない。
ブーツを履いていた修と紅緒が群れを掻き分けるように蹴り上げると、英二が僅かに見えていた腕をぐっと掴んで引き上げた。
寝子島中学の女子生徒のようだ。紅緒も見覚えがある。
「もう大丈夫よ、あと少し頑張って」紅緒が彼女の首から素早くマフラーを引き抜き、英二が膝を折って待っている修の背中にのせる。
紅緒は女子生徒が落ちないようにマフラーを巻きつけ始めた。これらは修の提案だ。伸びきる毛糸に「ごめんなさい!」と叫ぶ紅緒に、「夢の中だから大丈夫だよ」と英二が言うと、走ってきた夏夜が女子生徒の背中にシールを貼り付けた。
すると修にのしかかっていた重さが消え失せたように軽くなる。
「助かる」
「行って!」
夏夜は走っていく修からすぐに視線を外し、他の犠牲者たちを探し始めた。出来ればトリアージしたかったが、蛇の数が多すぎてどこに犠牲者がいるのか確認するのも難しい。ならば別の優先順位をつけよう。
「出口に近い者からだ!」
紅緒は彼に頷きながら、「ロベルトさん!」と叫んだ。「翠響さんを助けて頂戴!」
「聞こえた!」ロベルトは走りながら答え、奥へ行った翠響の姿を追う。
彼女は身軽な動きで犠牲者に近寄る蛇たちを惹きつけていた。
群れが翠響の方へ移動を始めて姿が見えた大柄な成人男性へ、ロベルトがろっこんを使用する。
犠牲者の成人男性は、みるみる内におままごとでスーツを着ているかのような容姿になった。これなら簡単に外へ運べる。
「こっちだ!」
手を挙げて合図をすると、英二が走ってくる。ロベルトは男性を壁に凭れさせて、別の犠牲者を助けるべく動いた。
* * * * *
こうして彼らが必死に助けようとしている犠牲者の一人である
骨削 瓢
は、自身が夢に在ると自覚しながらもそれを愉しんでいた。
夢のなか——、
現実の彼が死にゆこうとしている洞窟と同質の絶望的な暗闇に、瓢は立っている。
眠たそうな黒い眼差しで見つめる世界は、この瞬間に崩壊しようとしていた。荒れ果て、凡ゆるものが腐敗した寝子島には、怨嗟の声が響いていた。
だが彼は笑っていた。
『混沌』に最上の喜劇を見出す彼にとっては、嘆きが生む悲鳴すら母が赤子をあやす為の子守唄にすぎないのだ。
「蝋燭の火は、消える直前が一番輝くものだからねぇ」
静かに呟いて、コンクリートの上に丸くなった。
小石の塊が細い身体を刺してくる冷たいベッドの寝心地は最悪だったが、それが気持ち良い。
そして一通り眠ったら帰ろう。
どうせこの世界は崩れてしまうのだから。
「ここが夢の世界てことはわかってるさ。
ここには最高の喜劇がある。
しかし『壊すモノがない退屈』もある。
真の意味で望みが叶うということは、その後の楽しみを見出せなくなる事さ」
フツウ破壊に回り、被害や犠牲さえも楽しく思う彼にも、彼なりの哲学があるのだ。
瓢は目を閉じ、口の端を上げたまま、この世界へ自分を堕としてくれた調香師へ向かって話しかけていた。
「破壊するのと滅ぼすのじゃ意味がちがうんだよ」
ところで今、調香師は何処にいるのだろう——。何を目論んでいるのか興味がある。
目が覚めたらもう一度会って取り入り、お仲間に加えて貰えるかと掛け合ってみたいと思いつつ、夢の中で眠りについた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月04日
参加申し込みの期限
2016年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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