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猫、逃げる
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八神と真央が千年杉のふもとについたのは、午後もだいぶが過ぎたころだった。
途中、うっかり道を間違えた真央が三夜湖の展望台付近にいたり、たむろしている猫に誘惑されたり、タイガが退屈のあまり虫を追いかけ始めたり、山道を通る中で自転車がパンクしたりと、様々な困難を乗り越え、至った二人。
根元から見上げた千年杉の、だいぶ上方部。
ぱたぱたとしっぽを揺らしながら微睡む黒猫が、一匹。
「やっぱりいたのだ……!」
真央が見上げてそうこぼせば、「そうだね」と背負っていた荷物を地面に下ろしながら、八神も肯いた。
「アケホシちゃーん、お詣り済んだら帰りましょうなのだ~」
真央が声をかけると、猫は閉じていた目を少しあけ、ちら、と地上を眺め――また、微睡みを楽しみ始めた。
「あぅ~、聞いてくれないのだ……」
「まぁ、もうしばらく待とうよ」
どうしよう、とうめく真央をなだめつつ、周囲を見渡した八神。冬の嵐で折れたらしい、程よい大きさの枝が近くに落ちているのを拾い上げた。
「修ちゃん、何をしてるのだ?」
「話を聞いた時に、必要になるかなって思って、道具を持ってきたんだ」
手に持った大ぶりな枝を、八神は持参した道具で二つに分けた。
「真央も彫る?」
再び腰を下ろした八神は、片方を真央に渡すと、もう片方の形を、鑿や彫刻刀で手早く形を整え始めた。この木から落ちた枝で、猫の像を作ろうとしているらしい。
「真央ちゃんは別のことを考えたのだ! 挿し穂をとってこようと思うのだ。なので、ちょっとこの小刀を借りるのだー」
挿し穂? というように不思議そうな目をする八神の眼前で、真央はするすると杉の木を登っていく。
「この辺の子なら、元気がよさそうなのだー。杉も、アケホシちゃんも怒らないでほしいのだ、お寺で盆栽に接ぎ木するのだ!」
できるだけ木を傷めないように、枝の途中から飛び出た若枝を切り取って、タオルで包んだ。
「きっとこの杉さんはアケホシちゃんの身体になった木に縁があるのだ。だから、見える場所に家族がいればこれから安心で、抜け出す必要もなくなるんじゃないかと思うのだ」
そのままするすると巨木を登り、アケホシ(仮)のいる枝近くまで到達した真央が、「だから、アケホシちゃん、帰りましょーなのだ」、と笑顔で語り掛けた。
ちら、とまた真央を見た猫。ニャア、とあきれたような声を出し、ゆっくりと身を起こす。
その下では、八神が手早く、だが一生懸命に猫の座像を彫り続けていた。お世辞にもうまいとは言えないが、なんとなく猫のように見えるような、そんな形ができてきている。
ニャア。
もう一度鳴いた猫が、目の前にあった真央のおでこに前足を、そして後ろ足を乗せて、トン、と踏み台にすると、地面へと軽やかに降り立った。
「あぅ、痛いのだ……」
踏み台にされた真央がゆっくりと降りていくと、猫は八神の前で、くる、と丸まってまた微睡んでいる。
しばし後――猫の像ができて、日もそろそろ完全に沈みかけようかとの頃合いに。
「ほら、できた。この子と、真央の木が、これからは君と一緒だから――どうかな、帰る気に、ならないかな?」
通じているかどうかわからないけど。
「タイガが通訳してくれたらいいのにな」
彫っている間、おとなしく八神の膝の横で寝ていたタイガを撫でていると、黒猫が盛大に伸びをして起き上がった。
そろそろ帰ってあげる。そういうかのように、ニャオウ、と一声大きく杉の木に向かって鳴くと、黒猫は、八神の押してきた自転車のかごへと、その身を入り込ませる。
帰る気になったんだ――そう真央と顔を見合わせて立ち上がった八神。その視線の先、籠の中には、木彫りの黒猫像が、一体。
「満足してくれた……のかな」
子猫の像も籠にのせ、タイガは腕に抱えて、八神は言う。
「きっとそうなのだ。さぁ修ちゃん、これからお寺にいって、猫さんたちを一緒においてくれるようにと、盆栽を一個つくってくれるようにお願いするのだ!」
夕暮れもそろそろ終わり。
逃げ出した猫で静かに騒ぎが起こった寝子島も、ようやく夜の帳が訪れようとしていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼李月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月27日
参加申し込みの期限
2016年07月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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