this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
アモーレ 4 アモーレ!
<< もどる
1
…
14
15
16
17
18
つぎへ >>
「人のラブの味……俺の自慢のりんごとどっちが美味いかな?」
青森県出身ともなれば、林檎に拘りを見出すというものだ。その結果だろうか、りんごの国の王子様である
工藤 耀
は頬杖を突きながら、テーブル越しに
七音 侑
を見据えた。
砂糖菓子で出来た様なワンピース。ふんわりとしたクリームのようなレースの下から、キャンディを飾ったシースルーのスカート。大きなリボンは苺の代わりに添えている。
靴を飾ったクリームは薔薇の様に大輪を咲かせ、何処か緊張と――羞恥を感じさせ頬を赤らめた侑を愛らしく彩っている。
「どうかな? でも、ここの料理も凄く美味しいね」
笑みを零した侑はレストランと聞くだけで格式高い所を想像していたと胸を撫で下ろす。
アモーレはウェディングも行われる場所だが、それよりもハイテンションな店内の様子が『現実』にも似通っているようで安堵を覚えた。
「お料理美味しいし、誘ってくれてありがとう! うれしー♪」
へらりと笑みを零た『親友の姫』に大きく頷く耀は何処かぎこちない。
他愛もない会話に、普段通りの親友同士――それでも、自覚した恋心が妙に擽ったさを感じさせた。夢は現実と乖離しているとは言うが、『こいごころ』と呼ばれる感情がどうにも夢の中では大きく膨れ上がっている。
「あ、結婚式」
見て、と顔を上げた侑に釣られて耀も顔を上げる。祝福しようかと二人揃って祝いを口にした所で、耀はぽそりと「綺麗だな」と呟いた。
「うんうん、そうだよにー♪」
「……そーいや、七音も花嫁に憧れたりすんの?」
心の中では、侑があれを着れば綺麗だろうな、と浮かんだ言葉。
危うく滑り出しそうになった素直な想いを飲み込む様に汗を掻き始めたアイスコーヒーを多分に含んで耀は一つ咳払いを見せた。緊張したそぶりを見せず丸い瞳で耀を見上げる侑は親友同士で過ごすこの時間を楽しんでいるかのようで。
「うにー……私も着たいかって? そりゃ勿論。女の子の夢だよにー♪」
「そ、そっか」
やはり結婚式には憧れるのだろうと耀は大きく頷く。その姿を自分が見られたら、なんて考えるのは男の夢が『愛しい人の幸福』だと言われる所以だろう。
ストローでコップをぐるりぐるりとかき混ぜながら、「うに?」と首を傾いだ侑を見据えた耀の表情が強張ってゆく。お相手がいるのか、それとも――……
「どんなのがいいかなー……あ、その時は工藤君に一番に見せたいな♪」
「え」
にんまりと、普段と変わらぬ笑みを見せた侑へと耀が息を飲む。
思わず漏れた声から童謡が悟られぬ様に「ド、ドレスを俺に見せる」とたどたどしく口にした耀の表情に驚愕と幸福が入り交じった複雑な心境が映し出された。
「ま、まあ……楽しみにしとく」
これを勘違いせずに居られるものか。古来より、女は毒だと譬えられたり国を傾けるとも言われているが、無自覚な女ほど毒に勝るものはないと実感させられる。
侑の側も「工藤君変な顔ー」と楽しげに笑っている事だから、夢と言う仮想の世界で抱いた恋心が胸の内で破裂しそうだと酷く鼓動が高鳴り続ける。
「あとね、やっぱりこうやって工藤君と一緒に居る時間が一番好きだに。
だから、これからも一緒に居たいに! えへへ」
「……俺も、一緒に居たい」
無邪気な笑顔に悪意はない。これが、国を傾ける絶世の美女達の様な毒婦であればどれ程に安堵した事だろう。一緒に居たいと、擦り寄って蜜を啜る女ではないことを重々と承知してしまっているからこそ複雑な心境を抑えられない。
「えへへ、同じだね!」
はにかんだ彼女の顔が、余りにも嬉しそうだからこそ『無邪気』だという言葉がぴったりと合ってしまうのだ。
一緒に居たいという甘言も、意味を確認すれば耀と侑ではズレが生じる可能性とてある。
同じ様な笑顔だと思っていたのに――『同じだね』なんて笑う顔が余りにも綺麗だから。
勘違いしそうになると毒づきそうな思いを飲みこんで、意味分かんないと彼女をこつりと小突いた。
「もう」
ぷくりと膨れて見せた彼女が愛おしい。
親友の姫君は、王子様の出現にも気付かないままで。砂糖菓子の様に甘ったるい香りを纏わせた姫君はきっと『大親友の隣は心地よい』と感じているのだろう。
――そう、考えたのは耀の中でだけ。
勿論、侑が恋愛のイロハを全て理解している訳ではない。元来より明るい彼女にとって、何となしの意味があるのかもしれないが、共に居たいという願いは親友に感ずるそれよりは随分と逸脱している。
親友以上の恋人未満、どっちつかずの感情をまとめ上げた彼女なりの情の表現なのだろう。
「お前も照れてんじゃない」
花弁を頭の上から降らせれば、はらりひらりと花の様に舞い踊る。
ふんわりとしたショートケーキの様なドレスを彩った花弁はホワイトチョコの様に彼女を彩り、髪先を擽った。
「……やっぱ似合うよ。華とドレス」
アモーレを後にして、前を往く侑を呼びとめる。「楽しかったね」と振りむいた彼女のその表情が、何処か胸をきゅっと締めつける様だから。
痛くて、辛くて、苦くて、甘い――人の愛情は、言葉にできない様な味わいを感じさせたから。
「七音」
侑、と呼ぶにはまだ遠かったその距離を詰める様にゆっくりと近寄った。
並べば、彼女の肩が自分より細い事を実感させる。見上げる瞳が「どうしたの」と雄弁に語っていた。
愛情の星屑がぽろりと零れ、美味だと誰かを楽しませてあげられるような恋。
恋心と共に幸福の道と鐘を共に歩く事ができればと祈る様に耀は声を震わせた。
「侑」
「――え?」
呼ばれた名前に熱を孕む。見上げた頬は林檎の様に赤らんで。その赤さが映ると侑は大きく瞬いた。
気が合う友達だったのに。
それは、二人とも同じ気持ちだった。親友というかけがえもないヒト。
侑の傍に居たい。
一緒に居たいと、告げた侑の言葉を返す様に耀は繰り返す。
侑に笑っていて欲しい。
――彼女の笑顔が、なによりも美しく、愛おしく、そして大切だから。
勘違いじゃない。俺は、
「俺は、侑の事が好きだ」
聴こえた鳥の囀りに、ふわ、と欠伸を漏らした侑は眠気眼を瞬かせる。
楽しい夢を見ていたけれど、耀は最後に何と言ったのだろう……?
思い出せぬ彼女と同じ。その自覚した感情と共に、置いてきた言葉はまだ胸の内に――
<< もどる
1
…
14
15
16
17
18
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
アモーレ 4 アモーレ!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
日下部あやめ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
28人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月09日
参加申し込みの期限
2016年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!