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プロムナードの夜
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お待たせしました、と座ったのは夕顔だ。
七枷七海はすぐに彼女がその人だとわかった。なぜなら、他に類を見ないほどの美女だったからである。しっとりと、濡れたような瞳が印象深い。
「ようこそおいで下さいました」
七海の姿を見ても夕顔は驚いた顔ひとつしない。キャリアが長いためだろう。少々のことでは動じないのだ。
自己紹介するとすぐに、夕顔は打ち解けた口調で話してくれる。
「恋々ちゃんから聞きましたよ。七枷さん、お酒、お強いんですって? うわばみだとか」
「いやあ、強いっていうか、体質なんよ。まったく酔っ払われへんってだけ……夕顔さんは?」
「私は、そうでもありません。もっぱら、呑むより呑んでもらうほうが仕事ですから」
「夕顔さんて、歳、失礼ながらうちと近いと思うねん。だから口調、タメでええよ。気ぃ使わんとって」
「そうですか? じゃあ、お言葉に甘えて……」
そんなに若い見た目で、とか、とんでもない私なんて、とか、そういった不要な遠慮を夕顔はしない。七海が期待している通りにふるまおうと考えているかのようだ。わざと崩したように座ってくれているのも、その現れかも知れない。七海はそれが心地よかった。
「七海さんは、どういうきっかけでこの店に来たの?」
「えっとな、ティッシュ配りでチラシをもらってん♪」
「チラシのどこが気に入った?」
「こざっぱりしてたとこかな。情報量がごちゃごちゃ多いのは苦手やねん」
「なるほど。あのデザインね、うちのナンバーワンの泰葉ちゃんが作ったって知ってた?」
「うわ、知らんかった! どっかの広告会社に頼んでるんやと思った。ハンドメイドなんやね~」
「うちの店、小型店舗だし、あまり潤沢な経営資金があるわけじゃないから……あ、これ、ここだけの話ね。支配人、一生懸命やりくりしてくれてるんだから」
「うん、もちろんや♪」
なんだか女友達と話している気分だ。キャッキャと笑い声まで漏れる。もしかしたら夕顔は、七海がこの島に来て初めて、同年代(?)の友達と呼べる存在になるかもしれない。
やがて七海は、話しにくそうに切り出した。
「なあ、実は……聞いてもらいたい悩みがあるねん」
「なあに?」
「初対面の人に言ってええのかなぁ、って気はするけど……」
「初対面だからこそ言えることもあるんじゃない? どうやら、実家の両親とか義理の親御さんには言えない話のようだし」
ソフトに、包み込むようにして受け入れてくれる夕顔に、七海は心強くなって気持ちを固めた。
「うち自身は何もないんやけど……一人息子のことやねん」
「うん」
さっきまで斜めに腰掛けていた夕顔が、しゃんとなって座り直した。
七海の一人息子は、寝子高生としてこの島にいる。彼女がこの島に引っ越したのも、彼の世話をするためだった。
「あの子、小さい頃はひよこの赤ちゃんみたいに、かーさんかーさん良いながら付いてきてくれて、何この可愛い生物♪ って感じやったのに、パパさんの転勤以降から徐々につれなくなって……」
「でも、同居しているんでしょう?」
七海は首を振った。
「世話しに寝子島に最近きたんやけど、一緒に住もうなって言ったら絶対にノゥ! って返されてもたし……」
「私のところは……」
と言いかけて、夕顔は周囲をうかがってから声を落とした。
「絶対に秘密にしてね。私も、母親なの。まだ息子は2歳だけど……」
七海は夕顔に親近感を抱いた理由がなんであったか、このとき知った。
「うん。言わへん。うち、口は堅いほうや」
「ありがとう。ここの仕事があるとき、息子は夜間保育所に預けてるの……」
夕顔はシングルマザーなのである。彼女なりに、育児には不安を抱えているのではあるまいか。
「私のところはまだ、赤ちゃんみたいな状態ね。だから、その先を知っている七海さんの話は、社交辞令でもなんでもなく、気になるよ」
互いに秘密を共有した者同士の、不思議な共感を覚えながらふたりはうなずきあった。
「それでな、こないだ息子の部屋の掃除してたら、写真立ての中に新聞の小さいベタ記事の一文が入ってて……何やったっけ……未成年の子の通り魔事件? みたいなやつやったかな。それについて、あれ何なん? って聞いてもいつも以上に仏頂面になって何でもない、って言うし……」
「その事件なら、話題になったから私も知ってる。犯人は小学生の集団だった、って話じゃない。息子さんは高校生でしょう? 直接関係あるとは思えないけど」
「だったら」
「探偵ごっこ、というか、プロファイリングのまねごと? そういうことをやってみたかっただけ、って思いたいな。男の子だし」
「ならいいんやけど……でも、どんどんうちの子が遠い存在になっていくみたいで淋しいわ。つまるところ、よくある反抗期、ってだけのことやと思うけど、何かうちからしてやれることってないんかなぁ……夕顔さんはどう思います?」
「難しいね」
ぽつりと夕顔はつぶやくと、しばらく、黙ってグラスを傾けた。
「私も息子には、立派なお母さんをやってないから……父親も与えられないし、夜の添い寝もしてあげられなくて……」
「あの……ご主人さん、とは?」
「赤ちゃんでも、平気で平手打ちするような人だった」
七海は目をそらせた。触れてはいけないものに手を触れたように思う。ごめんね、と夕顔は頭を下げる。
「私の話じゃなかったね」
「ええって」
「まあ、言わせてよ。息子さんには、これからどんどん、お母さんの知らない部分が増えていくと思う。私たちが口出しするのを、嫌がる度合いも高まるばかりじゃないかな……? でも、見守って、信じていてあげて。それさえ忘れなければ、大丈夫じゃないかと思う。だって、私たちが親に求めていたのも、結局、そういうものだったでしょ?」
夕顔はそれ以上言わなかったが、その言葉に含むものはたくさんあるのだと七海にも想像できた。
ややあって、時間となった。
「湿っぽくなっちゃったかな」
後れ毛を手で払って夕顔は立った。
「そんなことないで……いや、湿っぽくなったんは事実やけど、いい話ができたと、思う」
「また来て」
「また……来るな」
それにしても飲み足りないな、と七海は思った。
シーサイドタウン駅裏のおでん屋台とかで飲み直すのもいいかもしれない。夕顔をアフターに誘おうかと思ったが、赤ちゃんを迎えに保育所へ走る彼女のことを考えて、やめておくことにした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月05日
参加申し込みの期限
2016年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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