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プロムナードの夜
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「カレンと申します。体験入店の者です」
と言って、新たなキャバ嬢が頭を下げた。
「どうぞ、よろしくお願い申し上げます」
深倉理紗子は顔を上げた。
目の覚めるようなブルードレスの、美しい女(ひと)。
彼女は猫のように、するりと理紗子の隣に座った。そうして、そっと囁く。
「こんばんは」
はっとなって理紗子は見返した。二度見、というよりは、もう凝視してしまうのである。そのキャバ嬢の顔を。
ひょうたんから駒どころの騒ぎではない、ひょうたんからスペースシャトルが飛び出してきたかのよう。
ありえない……ありえない事実を理紗子の脳は認識した!
椅子からずり落ちそうになる。
心拍が数拍ほど飛んでしまった。
叫び出したい!
――ま、ま、ま、ままままーちゃん!?
それでもなんとか爆発を押さえられたのは、そのキャバ嬢がが「しーっ」と人差し指を立ててウインクしたからだった。
「ごめんなさいお客様、急に隣に座って、驚かせてしまいました?」
あれ?
……理紗子は少し、冷静さを取り戻した。
確かに、彼女は親友の深林真瞭に似てはいるけれど、真瞭にしては呼びかけが他人行儀過ぎはしないか。
真瞭は現在、東京にいるのだ。寝子島の、しかも、偶然入ったキャバクラの、隣の席にいるはずがないではないか。それもキャバ嬢として!
ここから導かれる結論は一つだ。
――そうか、これは他人の空似なんだ。世の中には自分と似た人が三人いると言うし……。
そう考えるほかない。
「い、いえ、こちらこそ、過剰反応してしまって」
落ち着くため理紗子は、脳神経12対の語呂合わせを心の中で復唱するのである。
――Some Say Marry Money, But My Brother Says Big Boobs Matter More……。
学生時代、国試(医師国家試験)のため必死で暗唱した伝統的なフレーズである。化学式の「水平リーベー僕の船……」みたいなもので、変なキャッチーさがあって覚えやすい。
やがて理紗子は状況を把握した。
同席の自分の後輩には、恋々というキャバ嬢がついている。
そうして、自分の隣には真瞭そっくりのカレンという子がついているというわけだ。
あんまり理紗子がしゃべらないので心配になったのだろう。
「お客様? 具合でもお悪いのですか?」
とカレンが、顔をのぞき込んできた。
それにしても、
――似すぎ!
である。やっぱりおかしい。ええい、Some Say Marry Money, But My……理紗子は心の中で呪文を唱えながら「そんなことありません」と声を上げる。
「カレンさんが、私の友達によく似ているもので、ちょっとびっくりしてしまって」
「お客様のお友達、ですか? お客様のように綺麗な方の友達だなんて、羨ましいですね」
「もう、まーちゃんてばいつもそうやって人をからかうんだからー……あ」
「友達、『まーちゃん』っておっしゃるんですか」
「は、はい……ちなみに声も、似てます」
それにしてもまあ、カレンの綺麗なことである。ドレスもすごく似合っている。妖精の王妃タイタニアみたいだ。
「お客様、ええと……」
「申し遅れました。深倉と言います」
「あ、はい。深倉様。なんだかさきほどから浮かぬ様子ですが、ひょっとして、こういう場所、苦手なんですか?」
「苦手ではないんですけど……初めてなんで、ちょっと、慣れません。特に、綺麗な人が隣にいるという状況には」
「あら、ありがとうございます。でも、私、お友達の『まーちゃん』さんに似てらっしゃるんでしょう?」
「だからその友達も……美人なんです。ちょっと、こっちが劣等感抱くくらいに」
おや、とカレンは片眉を上げたが、そうと悟られないようにすぐに笑顔に戻り、背後から真瞭の両肩に手を置くと、
「深倉さんだって可愛いじゃないですか。肌もつるつるだし。私、憧れますよ……深倉さんに」
覆い被さるようにして、他の誰にも聞かれないようにそっと耳打ちするのだった。
吐息が、熱かった。
「ど、どうも……です」
なぜだろう、理紗子の動悸は速くなる。真瞭のようで真瞭ではない、そんなカレンに告げられたからだろうか。
「他に、悩みでもあるんじゃないですか?」
「いやでもそんなこと聞かされても、迷惑じゃないですか……真、カレンさんも」
「全然。それがキャバ嬢の仕事、ですよ」
本当にカレンは新人なのだろうか。理紗子はなんだか巧みに、彼女に服を脱がされているような気になる。
けれど悪い気はしない。いや、いっそ身をゆだねたい。
理紗子は、その衝動に身を任せることにした。
「実は……弱虫の自分に、悩んでるんです。今日、先輩の送別会だったんですけど、その場では、泣くまいと決めていたのに一人で泣いてしまったし、二次会だって気が向かなかったのに、ズルズル連れてこられちゃったし……」
「でも泣いて、誰かに迷惑がかかりました?」
「……そういうことはなかったような……」
「それどころか送り出された人も、あなたに泣いてもらえたことで感激した、って思えません?」
カレンは理紗子の隣に戻った。
「それに、ズルズルと、って理紗子さんは言いましたけど、来てほしくない人、一緒に時間を過ごしたくない人を、みんなが誘ってくれると思いますか?」
「……まあ、それもそうですね」
「もちろん、感情をコントロールしたり、明確に意思を示せるほうが毅然とした人間なのかもしれませんけど、だからといって、そうでない自分を責める必要はないと思うな」
「ありがとう。まーちゃんのおかげでちょっと、元気出たよ」
違った、と理紗子は首を振った。
「まーちゃんじゃなくて、カレンさん!」
カレンは何も言わず、くすくすと笑っていた。
やがて時間が来た。
「深倉さん、今日は楽しかったです」
カレンはそう言い残して席を立った。
「あの……」
また会えますか――と言いそうになって理紗子は口をつぐむ。
カレンは仕事で優しくしてくれただけだ。つきまとうようなことを言ってはいけない。
それに体験入店というから、次回来てもいるという保証はないではないか。
だから理紗子は、
「ありがとうございました」
と言うにとどめた。
一度だけ彼女に『理紗子さん』と下の名で呼ばれたことには気がつかなかった。理紗子は苗字しか教えていないというのに。
カレン、つまり真瞭は、緊張の面持ちでバックヤードに戻った。
そして大きく深呼吸する。
「気付かれないものねえ……」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月05日
参加申し込みの期限
2016年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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