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プロムナードの夜
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28年も生きていれば色々あるものだ。
それくらい
深倉 理紗子
だって理解はしている、つもりだ。
なのに、困惑せずにはいられない。
――なぜわたしはこんなところにいるのだろう。
けれどその想いは言葉にはならず、樟脳が気化するように、音もなく空気のなかに溶け出していった。
キャバクラ『プロムナード』、その客席のひとつに理紗子はいる。
薄雲のかかった満月のような照明が、ぼんやりと彼女を見おろしていた。
その夜は、涙ではじまった。
理紗子の先輩にあたる内科医が、父親の急死のため帰郷することになった。実家の内科医院を継ぐのだという。色々お世話になった人なので笑って送り出そう――そう思っていた理紗子だったが、送別会の会場となった居酒屋では、感極まって泣いてしまった。
主役である先輩は、引っ越しの準備があるとのことで一次会終了と同時に帰宅し、残ったメンバーで二次会に行こうという流れになった。先輩はいなくなったし泣いているところを見られて気恥ずかしいし、というわけで本音を言うと理紗子は帰りたかったのだが、うまく去り際を見つけられず、そのまま腰縄を引っ張られるようにして同行することになってしまった。
バーでも行くのなら、一杯分だけいて帰ろう――そんな気持ちだったのだけれど、彼女の予想に反して、誰かの「キャバクラに行こう」という提案が一同の支持を集めることになった。
「あの……本当に?」
理紗子は困惑を隠せない。冗談だろうと思っていたのに、医師も看護師たちもご機嫌な様子でこれを受け入れていた。メンバーの3分の1くらいは女性なのである。どうなっているのか。
「そんなに多くないけど、客としてキャバクラに行く女の子もいますよー」
と同行した看護師の子が言うものの、にわかには信じられない話であった。
けれども、
「まあ、深倉先生も、ものは試しというやつですよ」
そう言われてみれば、そうなのかな? という気持ちにもなる。
とはいってもヘタレでビビりな女医を自認する理紗子としては、いざその現地、つまり、思ったより小綺麗な『プロムナード』の扉を見ても、その先にはカリガリ博士の見世物小屋もびっくりの未体験衝撃映像的な世界があるのではないかと怯えてしまうのも無理のないことだった。入るや否、彼女が不審人物のように周囲をキョロキョロしてしまったのも、警戒の現れであったといえよう。
人数が多かったので、三組に別れて座ることになった。
一度来たことがある、という後輩の男性医師と二人で、理紗子はお相手、つまり嬢の訪れを待つのであった。
ややあって、
「ようこそ。はじめまして、夕顔と申します」
驚きのあまり、わけもなく理紗子は立ち上がりそうになった。
照明のせいだけではあるまい。もちろん、衣装のおかげとも言えまい。
こんな美人が世の中にいるのか、というくらい色っぽい女性が座ってくれたのだ。
切れ長の目、整った睫毛、鼻筋が通っていて、口元の泣きぼくろがまた魅力的。背が高く、抜群にプロポーションもいい。黒く長い髪を頭の後ろで束ねている。冴え冴えとした笑顔を浮かべているものの、どこか影があるというか、憂いを感じさせるところまで含めて印象的だった。
思わず理紗子は、さすがは――と圧倒された。あの人と比べれば、自分などは都会に出てきたばかりの子ブタちゃんだ、なんて卑屈なことすら考えてしまう。
驚きと緊張とその他もろもろで石像のようになってしまう理紗子とは正反対に、後輩の医師は目を輝かせて「お綺麗なんですねえ」なんて愛想よく話しかけている。男性にそう評価されるのは慣れているのか、夕顔のほうは「まあ、ありがとうございます」なんて穏やかに応じていた。
そうしてあと一人、
「瑠住です。よろしくお願いします!」
と言って若い嬢も来た。体験入店と呼ばれる、一日バイトのアシスタントらしい。
彼女も美しい。しかも、かなり大胆なドレスを着ている。胸の谷間が見えるばかりではなく、背中も膝もひらいたドレスだ。理紗子ならずとも目のやり場に困ってしまいそうな。
もちろん、瑠住というのは豊田華露蘿のことである。
この席に来るまで夕顔とともに何席にもついて、キャバ嬢として一回りも二回りも成長した華露蘿なのだった。ヘタに取り繕って上品ぶることよりも、華露蘿はあの税理士に褒められたように、天真爛漫なキャラクターを通すことに決めていた。
「今日は送別会の二次会でー」
後輩医師は夕顔に話し始めていた。夕顔は笑顔で、うなずきながら聞いている。
「……医療の仕事ってしんどいんですよー」
いつの間にか仕事の愚痴になっているようだが、それでも夕顔は嫌な顔ひとつしない。
――すごいなぁ。
理紗子は周囲を見回して、どの席でもキャバ嬢が楽しげに会話に興じているのを見た。
夕顔と瑠住に限らない。どの席の女の子も輝いている。素直に、綺麗だなぁと思う。
――女子力も高いんだろうな、あの子たちと比較して、自分は……。
ため息が出てしまう。まるで色を塗られない塗り絵だ。ぱっとしない私服姿で、居心地悪そうに、ソファの片隅で身を小さくしている……。
――なぜわたしはこんなところにいるのだろう。
このとき、
「……スルメ」
予想外の一言を耳にして、理紗子は顔を上げた。
「このスルメおいしいよ!」
びっくりするくらい近い距離で、瑠住がこっちを見ているのだった。彼女は、皿に盛られたつまみのスルメを指している。
「お客さんもいかが? いらない? おいしいのに」
口元からイカゲソを生やした状態で、瑠住(華露蘿)は二三度まばたきした。
「僕、っていうか私も、最初はかなり慣れなかったんですよ。でも、自然体でいいんだ、ってわかってからはそこそこ楽しめるようになりました」
「本当に? でも、そこまでいくのにどれくらいの時間がかかったんですか……?」
「1時間半くらい」
「早っ!」
二週間くらいか、と思っていただけに理紗子はぎょっとした。
「だって私、今日が初めてなんです。キャバクラに来るのって」
よく見ると、彼女は凜と知的な顔をしている。はきはきした口調からすると、さきほど言い間違えたように、普段は『僕』という一人称を使っているのかもしれない。
なんだかほっとして、理紗子も表情を緩めた。
「私も、こういうところは初めてだからどうしても緊張しちゃって……」
でも、と理紗子は前を向いた。瑠住のおかげで、多少なりとも楽になった気がする。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月05日
参加申し込みの期限
2016年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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