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「延長をお願いします」
その一言に続けて透は言った。
「それと指名を、泰葉さんで」
夜の気を吸ったせいだろうか、泰葉はさきほど見たときよりも、ますます鮮やかなつやを帯びていた。
「ありがとうございました。ご指名、本当に嬉しいです」
「気持ちよく接待してもらったので、ほんのお礼代わりですよ」
泰葉は透のすぐ近くに腰を下ろした。どうやら彼女は、最初に座ったときのやりとりで、透とその上司、両者の力関係を読み取ったものらしい。
二度目と言うこともあって会話はスムーズに進んだ。やはり泰葉は、金融関係にもそれなりの知識を披露している。だが今、透がしたいのは仕事の話ではない。泰葉自身の話だ。
折を見て彼は告げた。
「ところで泰葉さんは、どんな子ども時代を送ったんですか?」
「どんな……そうですね、平凡な……子どもでした」
「目立つほうではなかった?」
「ええ、まったく。私、和歌山で育ったんですけど、和歌山時代の同級生とかに話を聞いても、みんな私のこと覚えてないと思います」
本当か?
透は興味を持った。
頭も悪くない。気配りもできる。そんな泰葉が、目立たない子だったというのは信じがたい。
とはいえ調べる方法ならある。まず透は、話題を和歌山に絞ることにした。
「和歌山と言えば、高野山や熊野三山・熊野古道など、世界遺産が有名ですよね。私も、高野山には出張のついでに寄ったことがあります」
透にとって、ぱっと出てくる和歌山についての話はこれくらいだ。食いつきが悪ければ、他の話をなんとか、泰葉自身から聞き出す必要がある……。
しかし、見事正解だったようだ。泰葉は言った。
「私、高野山のお守り、ずっと持ち歩いてるんです。お祖母ちゃんが買ってくれて……そのお祖母ちゃんは、そのあとすぐ死んじゃったから、なんだか大切なものに思えて……」
ほら、と泰葉は、ボロボロになって文字もその大半が消えたお守りを出して見せてくれたのである。
「お守りに興味があるんです。触ってみてもいいですか?」
了承を得て、透はこれを受け取る。そして目を閉じ、そのほつれのひとつひとつを指で味わうようにして表面をなぞった。
――見えた。
それは過去の記憶。
お守りに宿った泰葉の断片。
透の脳裏に、8ミリ映画のように泰葉の経てきたものが映し出されたのである。
いじめられ、泣いている少女の見た光景。
幼年期は暴力を伴ういじめであったが、小学校に入ると、もっと精神的な、陰湿なものへと変わっていった。
クラスメートに無視される。まるで存在していないように扱われる。
班決めになると、彼女を引き受けたくなくて、各グループで押し付け合いが始まる。
誰かが彼女の給食袋を焼却炉に投げ入れた。
半分炭になって出てきた巾着袋の、表面に浮かぶキャラクターの目。
教師すらいじめに加わった。
なんだ葬式みたいな顔して、とその若い男性教師は言ったものだ。卒業まで、「葬式」があだ名になった。
卒業文集の寄せ書きに、「頼むから死んでください」と書かれた。
中学も、高校も、ほとんど行っていない。
だから誰も知らないところへ行きたかった。
行って、何でもいいから一番になって、あいつらを見返してやりたかった。
この力があれば……
ぶつっとフィルムがちぎれるようにして、映像は終わった。
「そんなにお守りが気になります?」
「ああ、いや、ちょっと、高野山のことを思いだしましてね」
透は作り笑いを浮かべてお守りを返した。
――なあんだ。
案外つまらない女だな、と透の闇の部分が嗤う。いじめられた経験をバネに、とか、過去の自分を抱きしめてあげたい、とか、そういうくだらないことを言い出しそうな、安っぽくてありきたりな過去だった。もっと凄絶な、それこそ、人の一人や二人、刺し殺されているようなのを期待したのだが。
それでも、着飾った泰葉、小さなキャバクラとはいえナンバーワンとして君臨する女王が、一番見られたくなかったであろう醜い部分を、じっくり味わうことはできたように思う。
しかしこのとき泰葉を見おろす透の視線を、彼女は別の意味にとったようだ。
「今日、1時で看板なんです」
泰葉はさりげなくこう言った。
だが。
――正直、めんどくさいね。
透の抱える闇が、ぽつりと呟いていた。
だから透は、泰葉の誘いを聞き流すにとどめた。少なくとも、今日はそんな気になれない。店を出よう。
でもまあ、面白かったですかね?
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月05日
参加申し込みの期限
2016年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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