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プロムナードの夜
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店は臨時休業にした。
きっかけは、ホテル勤務時代の元上司からの誘いだ。面倒に思わないでもないが、こうした面倒も人生を彩るスパイスだと、
藤堂 静
も近頃は考えるようになっている。
問題はその行き先だ。
キャバクラ『プロムナード』。
お喋りと女が苦手な静には、なんとも気の沈むチョイスではないか。
守本薫(もりもと・かおる)
――静の元上司も、静のことを判っているようで、まだまだ判っていないようだ。
そういうわけなので店に着いたときからもう、きりがよいところで抜け出せればいいんだが、と静は考えている。
ところが入ってみるとこのプロムナードという店は、キャバクラという言葉のイメージよりは、ずっと落ち着いた造りだった。照明は抑え気味、音楽はベース音の効いたスムーズジャズ、男性店員たちも整った服装で好感が持てる。
指名はしてみることにした。
――何人もと話すほうが負担がデカいんでな。
静の指は、嬢のなかでも最もスレンダーで、中性的な風貌の恋々を選んでいた。
「よろしくお願いします」
写真のイメージ通り、すらりとした細身の女性だった。チャイナドレスこそ着てはいるが、女っぽさを押し出してはいない。正直彼には、見た目的にも彼女くらいが丁度いいのだ。
恋々は名刺を差し出した。守本は自分も出したが、静は両手を広げるジェスチャーをするだけだった。
「あいにくと持ち合わせがなくてな」
「お客サン、お名前は?」
「藤堂」
「藤堂……なにサン?」
「下の名前はらしくないんでな」
自嘲気味に笑って、静は煙草をくわえた。すかさず恋々が火を付けてくれる。
灰皿を自分に寄せようとした静の手に、恋々が手を重ねた。
「気にしなくていいヨ。私は吸わないけど、煙自体は嫌じゃない。むしろ好きかも」
彼も守本もウイスキーの水割りを頼んだ。
最初にテーブルに置いてあったのは、どこにでもある大手メーカーの瓶だったが、恋々はそれを注がず、黒服を呼んで別の瓶を持ってこさせた。スコッチ・ウイスキー、雷鳥が描かれたラベル。決して高級酒ではないが、水割りにするには気の利いた一本だ。
「どうして瓶を変えた?」
「勘だヨ。藤堂さん、お酒、好きそうだったからネ」
静は否定も肯定もせず、ふっと唇を歪めるにとどめた。
スコッチは美味かった。まろやかだがのびしろの大きな酒なので、元々水割りやハイボールにも向いているのだ。
「君は何年目?」
「この店という意味ならオープンからいるんで半年、キャバ嬢経験って意味なら……」
恋々も自分の水割りを一口含んで、静を見た。
「当ててみて」
「当てっこは得意じゃない」
「そんな風に見えないけど?」
「また勘か?」
「うん」
「ならまあ、こっちも勘でいくか」
静は改めて恋々を見る。年齢は、二十六、七といったところだろう。とすれば、
「六年目あたりか」
「惜しい。七年目ネ。途中半年くらいブランクがあるけど」
「長いんだな」
「これまであちこちにいたヨ。横浜、川崎、大阪……」
話し好きらしく、恋々はこれまでの経歴について色々と話してくれた。関東圏から関西に移動したのは、
「ちょっとネ、これもんの男と揉めちゃって」
ということらしい。『これもん』と言うとき、彼女は頬を、すっと小指で擦ってみせた。
「大阪から寝子島に来たのは?」
「男を追ってだヨ」
にっこりと笑って恋々は言う。
「でもネ、私騙されてた。借金の保証人にされただけ。彼はどっかに蒸発しちゃった。それで、一時引退してたけど、結局キャバ嬢に復帰したネ」
それにともなう苦労話、いまだに彼の行方が知れないことなど、暗くなりがちな話題ながら、それを恋々は面白おかしく、「ある日家に帰ったら借金取りが待っていてキャー」なんていう口調で話してくれた。
「それは大変だ」
守本が口を挟んだ。「借金って、どれくらいあるの?」
詮索していいのか――と静は思わないでもなかったが、恋々はまるで気にしていないようで、首を吊るほどではないが、日々の生活はそれほど楽ではないと容易に想像できる程度の金額を告げた。
「大丈夫、分割払いでなんとかやっていけてるから。真面目に働いたら、キャバ嬢、それなりの収入になるヨ。居候もいるくらいだし」
「居候?」
また守本が訊く。
「この店の同僚。アルバムでも見たかな? 九鬼姫って子。住むとこないんだって」
言いながら水割りのお代わりを作って、恋々は渡してくれた。
「大昔の日本から来たって言ってる子なのネ。面白い子だから守本さん、今度また指名してあげてヨ」
自分だって借金抱えて楽じゃなかろうに、後輩を推薦するというあたり、余裕があるといえようか。恋々にはよほどしっかりした将来への展望があるのか。それとも、あまり深く考えていないだけなのか。少なくとも、アルバムの自己将来欄にあった『心はラテン系』という一文は嘘ではなさそうだ。
静にとって、恋々と話すのはあまり苦痛ではなかった。適当な個所で相槌を打ったり、問いを重ねるだけで彼女はぽんぽんと話してくれる。シェイカーを振ってないが、店のカウンターに立って接客をしている調子を意識すればなんとかなるというものだ。恋々のほうも、静も守本もそれほど口数の多い人間ではないと察しているのかもしれない。
「ああ、そういやその九鬼姫って子、タイムトラベラーだとか紹介されたなあ。でも本当なの? ぶっちゃけ、作り話じゃない?」
という守本に、
「いやあ、それは私にもわからないネ」
と応えながら、ちらりと恋々は静に視線を送ってきた。
この話題はやめてほしい――ということだと静はすぐに悟る。恋々は、他人の噂話をするのは好きではないようだ。
そこで静は話題を転換した。
「そういえば君は酒に詳しいと聞いたが、好きなんだろうか?」
すると恋々は目を輝かせたのである。
「うん、かなりネ! 意外かもしれないけど、仕事中はセーブしてるから、家帰ってからまた呑んでるヨ」
それからしばらく、ウイスキーを中心とした酒の話に花を咲かせた。もっとも、やはり語るのは恋々が中心で、静は主にフォローするだけだ。
やがて時間が来た。
「もうお終いか」
自分でも驚いたことに、静は名残惜しい気持ちになっていた。
「残念。私、次指名きてるから続けられないけど、誰か呼んで延長する?」
守本は夕顔を指名して続けるということだったが、静は「俺はそろそろ」と立ち上がった。
最初に灰皿のところで一瞬、恋々と手が重なったから静はもう理解している。
しなやかで細い手だった。きっと骨格も細いのだろう。
「楽しかった。ありがとう」
静は、自分のバーのマッチ箱を卓の上に置いた。
「興味があるなら訪ねてみてくれ。一人でも、客と一緒でも歓迎しよう」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月05日
参加申し込みの期限
2016年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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