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【5】恋人たちと歌と風
人の輪からはずれた場所にもう一組、夜の花見を楽しむ者たちがいた。
澪乃 澄佳
と
六月一日宮 檸檬
だ。
ねこったーで見て、誘ったのは澄佳の方だった。
もちろん、檸檬に否やはない。なにしろ彼らは、晴れて恋人同士になれたばかりなのだ。二人きりで過ごせるなど、願ってもないことだった。
というわけで、檸檬はジャンパーとマフラーで温かくして、ランタンにシート、それにレモンのはちみつ漬けを持って、うきうきとやって来た。
「なんまら綺麗で、幻想的な夜桜だねぇ」
シートの上に座って、桜を見やり、澄佳は感嘆の呟きを漏らす。
「これを二人で見れるなんて、すごくうれしいな」
「お、俺も一緒に見れて、うれしいっす!」
笑いかけて来る澄佳に、檸檬もうなずき、ぼそりと付け加えた。
「それに……澄佳センパイ、今日も……可愛いっすよ」
「え? な、なに言ってるだよう」
赤くなって返すと、それをごまかすように澄佳はシートの上に置いてあったバスケットと水筒を引き寄せる。
「せ、せっかくの花見だし、あたしはあったかい紅茶とパウンドケーキ、持って来たよう」
言って、バスケットを開けた。
中にはプレーンのとレモン風味の二種類のパウンドケーキが入っている。
「パウンドケーキは、あたしが作ったんだよう」
「え? 手作りっすか? 俺のために? うれしいっす!」
檸檬は感激して叫ぶと、自分もレモンのはちみつ漬けの瓶を出してシートの上に置いた。
「俺も、今日のためにいつもより長く漬けて来ました!」
「それは、食べるのが楽しみだよう」
澄佳は笑って返すと、持参した紙コップに紅茶を注いで檸檬に手渡す。
紙コップの紅茶で乾杯して、二人はそれぞれ食べ物に手を伸ばす。
「ケーキ、美味しいっす!」
「はちみつ漬けも、美味しいねえ。甘酸っぱくて、やみつきになっちゃいそう」
檸檬の言葉に、澄佳も幸せそうに返した。
そうやって、しばし桜と星を眺めながら食事を楽しんだ二人だが――。
(ちっと寒いねえ。檸檬くんは、どうだべか。ひっついたら、ぬくくなるかなあ)
防寒対策はして来たものの、やはり寒くて澄佳は無意識に檸檬との距離を縮めた。
「あ、ぬくい」
肩が触れ合い、温かさを感じて、思わず声に出る。
「セ、センパイ?」
「ご、ごめんねっ?」
檸檬の上擦った声に、澄佳も慌てて謝り、離れようとした。
「だ、大丈夫っす。俺でいいなら、いくらでもよりかかって下さい!」
「あ、ありがとう」
言って、澄佳は再び彼に寄り添う。恥ずかしかったが、ひどく温かい。
対して檸檬は、緊張のあまり変な汗が出て来たので、慌てて手首のリストバンドにくちづけ、ろっこん『フレッシュフレーバー』を発動させた。
たちまち、あたりにレモンのいい香りが漂い始める。
「桜の傍なのに、レモンの香りがするだよう」
澄佳がクスクスと笑って言う。
「そ、そうっすね」
思わず笑ってごまかしつつ、檸檬はマフラーをはずして自分と澄佳の首へと巻きなおした。
それから、ぷるぷる震える手をそれでもなんとか、彼女の肩に回す。
澄佳は、小さく息を飲んでわずかに体をこわばらせる。
だが、先に緊張に耐えられなくなったのは、檸檬の方だった。
「センパイ、夜桜をバックに、記念撮影しませんか?」
「あ、うん。賛成だよう」
澄佳もうなずく。
二人は立ち上がると、桜をバックに寄り添うようにして並んだ。
檸檬が携帯電話を構える。
暗いせいで二度ほど失敗したあと、ようやくちゃんとした写メが撮れた。
「二人の思い出、一つ増えたねえ。今日はありがとう」
ホッとして携帯電話を下ろす檸檬に、澄佳は微笑んで言う。
「今日はあたしからお願いしたけ、檸檬くんもなんでも言うんだよう?」
「もちろんっす」
うなずいて檸檬は、澄佳の髪に桜の花びらがついているのに気づいた。
「センパイ、花びらがついてるっす」
言って、取ってやろうと手を伸ばし、その距離の近さに小さく息を飲む。
だが同時に、彼はあることを決意した。
「ねぇ、澄佳センパイ。もし『お願い』を聞いてくれるなら、――ス、していいですか?」
「え?」
小さく目を見張る澄佳の手に、檸檬は自分の手を重ねた。
漂うレモンの香りが強くなる。
と、ふいに桜の木々がざわめき、あたりに時ならぬ桜吹雪が舞った。
その風に乗って、どこからか静かな歌声が流れて来る。
二人はそれを聞きながら、ただ立ち尽くしているばかりだった。
歌っているのは、
夢宮 瑠奈
だった。
「奇跡の寒空 さくらいろ
集い望むは ゆめのいろ
続く世界の そらのいろ
優しく紡ぐ あいのいろ」
優しく静かな歌声が、月明かりの中に流れて行く。
普段は猫鳴館には近づかない彼女だったが――。
(今回はなんか安全そうだし、ちょっと行ってみようかな)
そう思った。
桜は、瑠奈にとって特別な存在だ。
彼女の不安を取り除いてくれたのも、
野々 ののこ
との出会いを作ってくれたのも桜だ。
だから、咲かないはずの季節に咲いた桜を、見てみたいと思ったのだ。
「瑠奈ちゃんも来たのだ? 一緒にお花見するのだ!」
桜の美しさに見とれていた彼女に声をかけたのは、真央だった。
そこには真央だけでなく、夏朝や美咲紀、修と月もいた。
「クッキー、僕が作ったんだよ。よかったら食べて」
「真央ちゃんのお勧めは、このミニカップ麺なのだ! そのまま齧ってもヨシ、ラーメンとして食べてもヨシ、アレンジして食べてもヨシなのだ!」
夏朝が桜型のクッキーを勧めてくれば、真央も負けじとミニカップ麺をプッシュする。
「ありがとう。あたしも、温かいお紅茶とお団子を持って来たよ」
言って瑠奈は、自分の持って来たものを出した。
「紅茶と団子か。それも悪くない組み合わせだな」
修がうなずいて、感想を述べる。
そんな中、美咲紀がすっくと立ち上がった。
「お腹も一杯になったので、私はまた取材に行くのです。それでは、またあとでなのです」
言うなり、彼女は他の参加者たちの元へと走り出す。
「美咲紀ちゃんは、今日も取材で来ていたの?」
「ああ。……新聞部のこととなると、俺より熱心だよ」
目を丸くする瑠奈に、修が笑って答えた。
そうやって友人たちと談笑しながら、勧められた食べ物や持参した団子を食べ、桜を堪能するうちに彼女はふと歌いたくなったのだ。
つと立ち上がり、桜の傍まで歩いて行くと、彼女は小さく息を吸い込み、声を張る。
アイドルグループ『CitrusCat's』の一人、『未明 せれね』として活動する彼女にとって、歌は最も身近な表現手段だった。
彼女は歌いながら、ウィンクした。
それによって、ろっこん『風のいたずら』が発動し、彼女を中心に風が円状に舞った。
そう、檸檬と澄佳の周囲に巻き起こった突然の桜吹雪は、彼女のろっこんによるものだったのだ。
彼女の歌声に花見に来ていた者たちは皆、耳を澄ます。
「静かで、いい曲だね」
風に舞い散り始めた桜の花びらを片手で受けて、言ったのは結だ。
「ああ」
うなずきながら、甫はそっと彼女の反対の手を取る。だが結は、歌に気を取られているのか、ふり払おうとはしなかった。
やがて、瑠奈が歌い終わると、あたりから拍手が沸き起こる。
瑠奈は、頬を紅潮させて、それに応えるように一礼すると、改めて桜を見上げた。
月光に照らされて、薄紅に輝く桜もまた、彼女に拍手を送っているかのようだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月06日
参加申し込みの期限
2016年06月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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