this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
冬だけど、お花見!
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
つぎへ >>
【4】夜桜でほっこり。
お気に入りの赤いロードバイクにまたがり、
兎水々 るるか
は猫鳴館へとやって来た。
「う~、寒い。カイロ多めに持って来たのは正解かもね」
バイクを猫鳴館の玄関前に停めて、裏手に向かいながら小さく身を震わせて呟く。
といってもむろん、しっかりコートやマフラーで温かくしている。背中のリュックの中には、多めに持参して来た使い捨てカイロと、近くのコンビニで買ったお団子とジュースが入っている。
裏手に回るとあたりに据えられたランタンと星と月の光に照らされ、咲いている桜の木がすぐに見えて、彼女は目を見張った。
「うわ……。綺麗……」
一瞬足を止め、ほの明かりの中でまるで輝いているかのような桜にただ見惚れる。
ややあって、再び歩き始めた彼女は、ほどなく桜の木の傍へとたどり着いた。
「こうやって近くで見ると、更にすごいなあ。……なんでこんな寒い季節に桜がって思ってたけど……こんな綺麗な夜桜が見られるなら、そんなのどうでもいいや」
白い息と共に呟きを漏らして、彼女はただ桜を見上げた。
桜は、まるでそんな彼女に応えるかのように、はらはらと薄紅色の花びらを頭上に降り注ぐ。
それをしばらく見上げていたるるかは、ようやく我に返ってあたりを見回した。
「シートが敷いてあるね。それに、セルフサービスのお茶とお菓子も。用意がいいな。それじゃ、るーもどこかに座ってお団子食べようかな」
呟いて、どこがいいだろうとゆっくりと歩き出す。
と、その視界に小学生ぐらいの少女の姿が入って来た。おかっぱ頭に着物とハンテンを着て、鈴をころがすような笑い声を立てている。
少女は、伸幸を相手にあやとりをしていた。
(小学生も花見に来てるんだね。……この近くの子かな。あの年で着物とか、珍しい感じ)
そんなことを思いつつ、るるかは興味を惹かれてそちらに近づいて行った。
「こんばんわ」
「こんばんわー。花見に来た人だねぇ? よかったら、ここ座るー?」
彼女が声をかけると、挨拶を返した伸幸が問う。
「ありがとう。じゃあ、遠慮なく」
ちょうど桜を見るにもいい位置だったので、るるかは礼を言って二人のいるシートの一画に腰を下ろした。
その彼女に、「はい」と少女が紐を絡めた両手を差し出す。
「え?」
「あやとりだよー。兎水々さんもやろうって言ってるんだねぇ」
驚くるるかに、伸幸が言った。
「えー、あやとり? やったことないなあ」
どうやって取ればいいんだろうと首をかしげつつ、るるかはそろそろとそちらに手を伸ばす。
少女はそんな彼女を、にこにこと屈託ない笑顔で見つめていた。
羽生 碧南
は、何度目かの大きな吐息をつくと、ようやく思い出したように手にしたデジカメを持ち上げた。
冬に咲いた桜の話を聞いて、面白そうだとやって来た彼女である。
コートとマフラーでしっかり防寒対策をほどこし、温かい甘酒とお菓子を持ってやって来た。
猫鳴館までは、懐中電灯で足元を照らしながら来たわけだが――そこへの道すがらは、昼間でも薄暗いのに夜ともなれば真っ暗で、闇に吸い込まれてしまいそうな気分になったものだ。
(幽霊とかクマとか、出て来ても違和感ないわよね。……っていうか、出ない方がおかしいに決まってる!)
歩き続けるうち、思考はどんどん怖い方へと向かって行く。
途中、背後から何かが近づいて来る気配に思わず立ちすくみ、そのまま硬直してしまったりもした。
(……車輪の音みたい。……自転車?)
眉をひそめて立ち尽くす間にも、気配はどんどん近づいて来て、やがて現れた赤いロードバイクは颯爽と碧南を追い越し、走り去って行く。
(びっくりした。……でも、乗ってたのは女の人みたいだったし、私と同じ、お花見に行く人だったのかも)
そんなことを思い、足を早めた。
やがて猫鳴館の裏手に到着した碧南は、そこが案外明るいことに幾分かホッとする。
「こんばんわ」
「こんばんわ。花見、楽しんで行ってね」
セルフサービスコーナーにいた春香と挨拶を交わし、碧南は桜の近くにまで歩み寄った。
「うわー! ……本当に、桜咲いてるんだ……。透き通った冷たさの中に咲く桜って、本当に綺麗ね!」
見るなり叫んだ彼女は、その美しさにすっかり見とれてしまっていたわけだが――。
ようやく思いついて、持参のデジカメを取り出したというわけだ。
写真を何枚か撮って、彼女は改めて桜を見上げる。
彼女が吐く息は白いのに、桜はまるで春の真っただ中にあるかのように、美しく咲き誇っている。
(……こんなに寒いのに、やっぱり不思議)
思わず胸に呟いたその耳に、鈴を転がすような明るい笑い声が聞こえて来た。
そちらをふり返ると、少女が伸幸とるるかの二人を相手に、あやとりをしている姿が目に入る。
(あ、あの人……たぶん、さっきの自転車の人だわ)
走り去って行く後ろ姿を懐中電灯で照らした時、青みがかった翡翠色の髪が風になびいていたのを覚えている。少女の着物姿にも興味を覚え、碧南はそちらへ歩み寄った。
「こんばんわ。私も仲間に入れてもらっていい?」
「もちろん、どうぞー」
るるかが言って、空いている場所を示す。
「ありがとう」
礼を言って腰を下ろす彼女に、少女の手から器用に紐を取った伸幸がふり返った。
「そこのチョコレートクッキー、よかったらどうぞー。さっき、新聞部の椿さんに取材のお礼にってもらったものなのよー」
「ありがとう。……新聞部って、寝子高の?」
「うん。他の人にも取材してるみたいだったから、また来るかもねぇ」
問われて、にへらと笑って伸幸が答える。
「るーは、お団子持って来てるの。そんなにたくさんはないけど、よかったら食べてね」
「ありがとう。私も、お菓子持って来てるから……二人ともよかったら、これもつまんでね」
るるかに団子を勧められ、碧南は慌てて自分の持って来たお菓子を出した。
しばらくは、三人でそれぞれのお菓子を交換して食べたり、冬に咲いた桜について話したり、やがて少女があやとりに飽きると空を見上げて星を眺めたりした。
碧南も知っている限りの星座を数えたりしながら甘酒を飲んでいたが、いつしかその思考は乙女ゲームへと流れて行く。
その脳内に広がるのは、冬休みにコンプリートした『冬空協奏曲』の早瀬透也ルートでのワンシーンだ。
廃墟になった夜の旧校舎で、ヒロインは透也と逢瀬の時を持つ。
時代は昭和初期。華族の令息である透也には親の決めた許嫁がいる。一方、ヒロインはごく一般的な庶民の娘。二人の恋は許されるはずもないものだった。
『透也さん、私、もうあなたとは会いません。だって、会えば苦しくなるばかりなんですもの』
『すまない、由香里さん。だが、ぼくはもう、君なしではいられないんだ……!』
言うなり、ヒロインを抱きしめる透也。やがて二人は、甘いくちづけを交わし――。
はあ……と大きな吐息が、碧南の口から漏れる。
(身分違いって、せつない……。しかも、透也には許嫁までいて。でも、結局二人はこのあと、手に手を取って駆け落ちするのよね)
ああ……と彼女は低い呟きを漏らすと、小さく身悶えした。
「え……と、羽生さん、どうかしたのかなぁ?」
「酔っ払ってる……んじゃない?」
「でも、甘酒だよー?」
傍で伸幸とるるかが、目を見張って囁き合っていることになど、むろん気づいてはいなかった。
少し離れた場所で、吐息と共に桜を見上げているのは、
槙野 千隼
だった。
「桜……なんて綺麗なんでしょう……」
低く呟く彼女の髪は、その息と同じく白い。
アルビノで日の光に弱い彼女は、普段人がにぎわう時間にお花見をすることが、なかなかできなかった。
だが今日は、夜に花見と聞いて、やって来たのだった。
それに何より、冬に咲く桜は珍しい。
寒そうなので……とコートとマフラーに身を包み、長時間座ることを考えて肩から下げたトートバッグの中にはブランケットが入っている。
それと、自作のおにぎりと温かいお茶も持って来ていた。
「こんばんわ。ようこそ」
桜を見上げる彼女に声をかけたのは、春香だった。
「あなた、一人なの? なら、あっちで一緒しない?」
春香が示したのは、向こうの方でシートに座ってお菓子をつまみながら話している伸幸たちの姿だった。
「でも……いいんですか?」
「もちろんよ。お茶やお菓子もあるしね」
問い返す彼女に、春香は笑って手にしたお菓子の袋と紅茶の入った紙コップを示してみせる。
「それじゃ、ご一緒させてもらいます」
うなずく千隼を促して、春香は歩き出した。
桜の枝が他より低い位置に大きく張り出した傍に、ランタンが一つだけ、ポツンと置き忘れられたように灯っている。
幾分か寂しいその場所に、
三宅 葉月
は立っていた。
「……真冬の桜は、何を思って咲いているのかしらね?」
張り出した枝にそっと手を伸ばして花弁に触れ、彼女は呟く。
ねこったーで今夜の花見のことを知った彼女は、気分転換のためにやって来た。
コートとマフラー、手袋を身に着け、ブーツを履いている。更に使い捨てカイロも装着して、防寒対策は万全だ。手にした水筒には温かいストレートティが入っている。
現在、寝子高の二年生である彼女は、四月には三年生だ。つまり今年は、自分の将来が決まる重要な一年でもある。
進路はすでに決めていた。
世界でも屈指の難関と言われる、フランスの国立美術学校への入学だ。
絵画を専攻している彼女は、そこで学び、自身の表現力を磨きたいと考えている。
だが、そこには大きな壁が立ちはだかっていた。
父親が、反対しているのだ。
といってもそれは、海外留学への不安や娘が受験に失敗して挫折するかもしれないことへの心配といった、親らしい感情から出ているものではない。
彼はただ、葉月が絵を続けることが許せないだけなのだ。
結果、彼はことあるごとに葉月に高いハードルを課して来る。
それが無言のプレッシャーと化して、常に葉月の心身を圧迫するのだ。
心なしか、このところそのプレッシャーに押し負けている気がする。
(……冷たい空気が、気持ちいいわ。それに、桜が綺麗……)
冷たい空気を吸い込んで胸に呟き、彼女は改めて桜を見上げた。
冷たく冴えた空気の中、薄紅色に咲き誇る桜は春に見るものよりも、妖しく美しく見える。
更にその上には凍てつく空に輝く、澄んだ星々があった。
葉月はそれらを、ただ無心に見つめる。
常であれば、けして見ることのできない光景を、その矛盾した儚い美しさを心に刻むように、ただ静かにそこに佇んでいた。
どれだけの時間、そこにそうしていただろうか。
近づいて来る人の足音と話し声に、葉月は我に返った。
やって来たのは、千隼と春香だった。
二人の方も、葉月に気づいたようだ。
「こんばんわ」
「ようこそ、お花見へ。よかったら、あなたも私たちと一緒に来ない?」
千隼が挨拶し、春香がそう声をかけて来る。
葉月は、少しだけ迷った。
もう少し、一人きりでこの空間に身を置いていたい気もしたのだ。
だが。
「ありがとう。行くわ」
うなずいて、葉月は踵を返した。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
冬だけど、お花見!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月06日
参加申し込みの期限
2016年06月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!