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MFS! ~あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのTVショウ
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赤と白の電波塔。その上空、不安定な鉄骨の足場に腰かけて、
毒島 虹子
は赤い月の照らす光を浴びながら、そっと静かに涙をこぼします。集まってきたレンズ・キャッツたちが、まるで虹子を気遣うように身をすり寄せて、にい、みゃあ、ふにゃあとかぼそい鳴き声。
見上げると、まぶしく無数の星々が瞬き。手の届きそうな空の上を、虹色のオーロラが泳ぐ。泣きたくなるほどに綺麗な、今にも壊れそうな、そんな儚く美しく、冷たく透き通った夜でした。
かつん、と靴音が鉄骨へ響いて、新出府 譲はそんな彼女の肩へ、ぽんと手を置きました。
「…………恨みますか? 私を」
ぽつり。問われて、彼は顔の無い顔で天を仰ぎ、ふう、と大きく息を吐いて。
「そう……だな。率直に言って、まあ、ね……残念な結果ではあるよ。俺のごく個人的な意見としちゃあね。だが反面、これで良かったのかもしれないと、そんな風にも思えるんだ。これであの子は、もっと明るいところで、ごくフツウの…………いや」
言葉を区切り、首を振りました。自らの責任を省みるように。
「それよりお前さん、いいのかい? あれじゃあお友だちも怒り心頭ってところじゃないのかね、大丈夫かい?」
「お友だちなんて……いませんわ……」
はらはらと、虹子は涙をこぼします。止めどなく、風の吹く空へと。
「ああ……なぜ、私の愛する苦悶や絶望は、希望の踏み台にされなければならないのでしょう……?」
大切に、大切に育てた花を踏みにじられて嘆く、清らかな乙女のように。
新出府は、うなずきます。
「……俺はね、虹子ちゃん。この番組に、『全ての表現者に捧ぐ』と銘打った。その気持ちには今も、偽りはないよ。世の中にはどんな形であれ、自分を表現したいと切に願う人々がいる。胸を締め付けるような切ない恋愛ものだろうと、爽快感バツグンのアクション娯楽大作だろうと、血みどろのホラーやスプラッタだろうと……それがどんなにおぞましいものであってもね。他の誰もが望まなくとも、願いそのものが虐げられることを、俺は絶対に許容しない」
今にして思うなら、『MFS!』には元より、その土壌があったのでしょう。人目を惹くためという大義名分はありながら、あらゆる分野で表現したいと願う人々の想いを、番組は映像として体現してきました。
「だからこそ、俺はこの番組を作り上げた……」
そして願いは、彼自身が世へ存在を許されるために、代えがたく必要なものだったのです。
「だから、ね。いいかい。俺は君を否定しないし、恨みもしない。フツウと違うことで、君の権利が踏みにじられることを、俺は望まない」
と。その時に。
虹子の頬からこぼれた雫が、不意にきらきらと光を放ち、彼女の顔や瞳までも……虹色に。輝かせ始めます。
「……これは?」
「おっと、こいつは……そうだな。FO/C-00666『虹色の涙』、とでも名付けようか」
光はやがて実体を成し、雫の形をした、虹色の宝石へと姿を変えていきます。
それは、結晶。雨の降りしきる空の向こうには虹がかかるものと信じる、絶対多数の人々が抱く願い……普遍的なフツウという名の暴力に踏みにじられ、押しつぶされた異形たちへとこぼした、少女の涙。それは彼らへの、鎮魂歌。
「持っておくといい。君の切なる表現は、いつか同じ願いを持つ人々と出会うだろう。それを求める人々もまた、君の前に現れるだろう。その時にこそ、番組は再び深夜の胡乱な暗がりへと、君を導いて……」
ぎゅう、と。虹子は両手で宝石を大切に、大切に、胸へと包み込みます。
はら、とこぼれた雫、ひとつきり。
『決戦! パイレーツ・オブ・マタタビワン!』(1)
「いやいや毒島はん、良い仕事したもんだねぇ!」
ざざざん、と波音。赤い月に照らされた波間は、寝子島住人にとっての心の海とも言える、木天蓼湾です。
白い砂浜へ打ち寄せる海水に靴底を浸しながら、
骨削 瓢
はくつくつと笑い、
「さあて、そんで? 新出府はん。おたくに協力する見返りとして、例のモノはちゃあんと、用意してもらえたんだろうねぇ?」
小洒落たハットやスーツをきらびやかなコートと海賊帽に変えて、やってきた新出府へ問いかければ、彼は鷹揚にうなずきます
「もちろんさ! 番組を盛り上げようってお前さんの申し出を、断る俺じゃあない。そら、見なよ」
ざざん、ざぱん! 瓢の視線の先には、波飛沫を弾いてどっしりと夜の海に佇む、海賊旗を掲げた三隻の帆船がありました。そのうちのひとつは番組によって用意された彼のものであり、赤い月に浮かびあがるシルエットは、瓢にとって近しく懐かしいものです。
「ご要望通り、クルーもつけておいたぜ? とびきり顔色の悪い連中をね」
「はっは、こらぁ良い! 完璧だよぃ……」
「おいこら! 何時間待たせんだ、このバカタコがッ!!」
怒声が浜辺へ響き渡り、のんびりとくつろぎながらそんなやり取りを映していた黒猫たちが、ふぎゃあと鳴いて飛びあがります。
でっぷりとしたお腹をゴージャスな海賊船長ルックに押し込めた、
吉田 熊吉
先生!
「ああこりゃ、すまんねキャプテン。もうすぐ出航だ、そろそろ乗り込んでくれ。じきにみんなやってくるはず……ああ」
白砂を踏みしめる足音に、くるりと彼らが振り返ると、並ぶ出演者たち。いずれも海賊衣装に身を包む、今夜の主役たちが、勢揃い。
ぱちり! 新出府の指先は鳴り、彼は両手を振り上げ、宣言しました。
「さあ、楽しもう!! こいつで最後だ。楽しく、必死に、思い切り! 大暴れで、今夜を締めくくろうじゃないか!! せめてこの月に、悔いの無いよう……」
赤い月は、沈みかけ。
朝焼けはやがて、島をあまねく照らすでしょう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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