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寝子島高校
MFS! ~あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのTVショウ
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まるで、近くて遠い未来の風景。人々がその所有権を放棄し、自然へと支配を明け渡したかのような、緑に埋もれた廃ビル群。淡く立ち込める霧の中、あちこちに張り巡らされた、黄色と黒のライン。
「何も俺だって、最初からこうだったわけじゃない。ひたすらに求めるばかりで、誰かの気持ちなんて考えようともせず、ただ声を張り上げるだけ……情けなくも、ガキだったわけだ。どうしようもなく」
苔むした道をゆったりと歩きながら、新出府 譲は首を振り肩をすくめます。
薄汚れたコンクリートの壁と壁を伝う規制線、何とはなしにそこへ手を添え、しばし手のひらの中で弄びながら、
「きっかけやチャンス、そんなものはいつだって、どこにだって転がってるものさ。ただそいつを掴むのは、これが案外難しい。変わろうと思うなら、自ら手を伸ばす必要がある……なかなか、勇気やパワーがいるわけだ」
やがてぐいと、大股にテープをまたいで乗り越え、
「そんな時は、その向こうにあるものに目を向けるのもいい。さあ、何が見える? いろんなものが見えるだろうさ」
規制線の向こう。ぐるりとこちらを振り向いて、彼は、言いました。
「いくつか選択肢があると分かれば、まずは上々。何に向かって手を伸ばすのかは、君の自由だがね」
『決意! 踏み込め、立入禁止のその先へ……!』(1)
「っきゃああああああああ!!」
「虫ヤダヤダヤダヤダーーー!!」
どたばたと賑やかな逃走劇を演じるのは、
鬼河内 萌
と
串田 美弥子
。どどどどど……背後から追いすがるのは、アリ、毛虫、クモなどなど、人間サイズな虫たちです。
ここは、『立入禁止区域』。現実化するのは、人が潜在的に抱く不安。
虫は美弥子が大の苦手とするもので、
「よりによってこんなデッカイ虫に追いかけられるなんて、最悪な夢だよ~もうっ……!」
「うううっ。気持ち悪いけど……こうなったら、ボクがやっつけて……!」
ぴたりと足を止めて振り向いた萌が、手にした竹刀をすらりと構え、押し寄せる巨大な虫の群れへと立ち向かう……と、その時に。
「このォッ!!」
ぱかんっ、と小気味良い音とともに、アリが横手へすっ飛んでいき、
「今よ、ふたりともこっちへ……!」
黄色と黒の規制線を破りながら、狭い路地裏から飛び出して手招きしたのは、
三夜 深夜子
でした。
優しく微笑んだ深夜子はいつもの冷静さを保っているように見えつつも、それは体面に過ぎません。
「はぁぁぁぁ……た、助かりました~」
「いいのよ、それよりケガは無い?」
奇妙な状況に放り込まれ、もちろんのこと、不安はありました。そんな中、出会った高校生たちたちよりはいくらか年上であり、自然と浮かんだ保護者のような意識が、深夜子へその体面を保たせてくれたのかもしれません。
けれど。この打ち捨てられたような廃ビル群がどうやら、ひと時でも心休まるような場所ではないことを、深夜子も高校生たちも、薄々気づき始めていたことでしょう。
「う、うわぁぁぁ!!」
悲鳴。ばたばたと慌ただしく駆けてくる少年は、
日野 満
。彼を追いかけ回し、こちらへとやってくるのは、
「どうして、オレたちの物語を書き上げてくれなかったんだ、作者さん!」
「キャラとか設定を作るだけ作って満足して、後はほったらかしだなんて、ちょっとひどいんじゃない?」
「ごっごごご、ごめんなさい!? いやっだって他にも書きたい話があったり、続きが思いつかなかったりで、その。あ、飽きちゃって……!」
どうやら彼が書きかけで放り投げてしまった、自作小説のキャラクターたちであるようです。あるキャラクターは、剣を携えた屈強そうな戦士だったり。時代物のような、着流しの雅やかな女性であったり。あるいはいかつく醜い怪物だったりして、それらが寄ってたかって満を非難し、責め立てています。
(……なぜ、書き上げられなかったのかしら?)
不意に、ぼんやりと。深夜子は思います。キャラクターたちは彼女の目に、なかなかに魅力的なものとして映りました。きちんと物語を仕上げていたなら、ぜひとも読んでみたいものだと、そんな風にさえ思えるのです。
「うわぁ、あっちからも何か来るよー!?」
「……!」
萌の叫びに振り向いて、深夜子は、その理由を悟りました。
それらを目にして、思い至りました。自分にもまた、同じ轍を踏んだ記憶があったことを。
「どうしテ 描き上ゲテ くreなかっタ」
重く、心に絡みつくような、ひび割れて不安定な声。
今の今まで、どうして忘れていたのだろう。彼らは紛れもなく、自らの手で生み出したものであったはずなのに。
「見てヨ この中途半パなカラダ バイトにかまケテ おざなriに描かれtaからダ」
「どうして 描き上げテ くreなかっタ……」
歪な身体をひょこひょこ、引きずりながら。傾きながら。ずるずる、ずるずる……いくつもやってくる、『ラクガキ』たち。
「……あれは……私の……」
深夜子自身が放り投げてしまった、彼女の作品たち。
「どうして……描き上げられなかったの」
「おーい、大丈夫か!」
「うわっ何だこれ、ラクガキか!?」
「ふぅん。これも誰かの『不安』、というわけ?」
場へ乱入してきたのは、
志波 武道
。
山田 勘三郎
に、
三宅 葉月
……他にも数名の男女が、深夜子や萌らの前へと立ちはだかります。奇怪な廃ビル群に出会う彼らは、この上なく頼もしい仲間たちではありました……けれど。
けれど、膝を突いた深夜子が思うのは、
「どうして……?」
形は不揃いで崩れていて、着色はおろかペン入れもされていない、手慰みの『ラクガキ』たち。下書きすらあやふやで、歪な……深夜子の、子どもたち。
どうして、描き上げることができなかったのだろう。どうして、途中で放り出してしまったのだろう。
どうして。
「……本土でハ 貶められ」
ぴくり、と。肩が震えて。
手も足も左右の長さの違う、猫のような犬のような、何の生き物かもはっきりとしないラクガキが、恨みがましくつぶやきます。
「会シャを首にサレて 逃げ帰ッタ寝コ島でも やっpaリ中途半パ……」
「…………ッ!!」
ぷちっ、と。深夜子は自分の中で、何かがそんな音を立てるのを聞きました。
見れば、仲間たちは必死にラクガキやキャラクターたちを押し留め、深夜子をかばってくれています。気弱そうに見える満も、
「ひっ!! わっわ、分かりました……! 書く、書くよ! ちゃんと書いて、完結させるから……!」
ノートを取り出して、必死の顔で何かを書き綴り始めています。
「…………ああ、そう。分かった……分かったわよ……!」
それは、周囲の面々よりいくらか年上であることの責任や、恥辱や、そして何より、創作にかける情熱のたまものであったのかもしれません。
自分だけ、ひざまずいてはいられない!
深夜子は立ち上がり、取り出したのは紙と鉛筆。
「良いわよ、やってやる。描いてやる……! 私の半端な創作物、ひとつ残らず引きずり出して、描き直す!! それでもって、ネコミケで一冊500円で陳列してやるんだからッ!!」
キャンバスへ、鉛筆はしゅるりと踊ります。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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