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回向亭茶話 ~三世を渡る
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ゆっくりと、一歩一歩、階段を踏みしめている。
御巫 時子
はその日、白い純白のドレスに身を包んでいた。手に持ったブーケはこの日のために友人がアレンジしてくれたもの。長い裾裳のレースの柄は、尚輝先生が選んでくれた。
空はこの日を祝福するかの如く青く澄んでいて、南の島の海風が、優しく頬を撫でている。
緑の原っぱを背景に、ゆっくりと式場の職員の方々が、扉を開いてくれた。
その先に待っていたのは、母と、父。
母が、涙ぐみながら、ゆっくりと私の顔を覆うヴェールを下ろしてくれる。これが――御巫家を卒業する儀式となる。それを知っているであろう父は、最後の仕事を果たすとばかりに、しっかりと私の手をとってくれた。
また、ゆっくりと歩き出す。その先にいたのは、先生だった。
「行ってきなさい」
小さな、時子の耳にしか入らない、父の囁き。何故か心がきゅっと締め付けられる。
差し出された手に手を重ねれば、少しだけ、手の汗を感じた。どちらのかはわからない。……きっと二人ともなのだろう。
祈りが捧げられ、誓句を交わす。
指輪の交換がすんで――そっと、母が下ろしてくれたヴェールがあげられた。
無言のままに顔が近づいて……離れた後の、少しだけ照れくさそうな、はにかんだような目元に、愛おしさを感じてしまう。
「行こうか」
滞りなく次第が進み、退場の時。扉が開く――そこに向かってでようとした瞬間、入り込んできた鳥達が、祝福の言葉とともに風にあおられたヴェールの端を銜えて支えてくれたことも、うれしかった。
「ありがとう」
そっと鳥達にささやくと、「綺麗だよ!」「幸せにね!」と祝福の言葉を投げかけてくれた。歩くたび、周囲の人々が、拍手をくれた。ライスシャワーの降り注ぐ中、時子は傍らの夫に向きなおり、微笑みを送る。
「尚輝さん、とても、幸せです……」
それ以上の気持ちであふれているのに、感極まって、そんな言葉しか出てこない。少しだけもどかしい。わかっているよ、と言うかのように傍らの旦那様は笑って見せた。
そうでした。
まだ一つ、残っていたのでした――心の中でつぶやいて、時子は階段の中頃で教会側へと体を向けた。
「今日から私は、五十嵐時子です――この幸せを、皆さんにも届けられますように」
小さく口の中でつぶやいて、少女は後ろ向きにブーケを投げた。空高く投じられたブーケの周りには、言祝ぎの歌を紡ぐ鳥達が、せわしく飛び回っていた。
「なんだか、複雑そうな顔だなぁ嬢ちゃん」
無精髭を生やした壮年の坊さんが、皿を磨きながら、扉をくぐってきた時子に声をかけてくる。
あれから扉の向こうで、時子は入籍を済ませ、五十嵐と新居へ向かったはずだった。
だが、行き着いた場所は学校――時子にとって五十嵐の家は想像できる範囲の外だったらしい。さすがに学校で暮らすのは――そう思いながら準備室の扉をくぐってみたら、気づけば店の中である。
複雑な顔にもなろうというものだった。
「……さすがに、学校はないですよね」
現実へ帰ってくるとともに、自身の見てきた世界の光景を思い出し……おかしさで、思わず知らず、くす、と笑みを漏らしてしまった。
「楽しいものが見れたようで何よりだ。大概は沈んだ顔で出てくる奴らばっかりだからな」
呵呵とわらったマスターが、丁寧に挽かれた豆による珈琲をカウンターへおいた。
「ほら、飲みなよ。何だったら、何を見たのか話してくれてもいいんだぜ」
進められるままに席へついた時子だったが、さすがに照れくさくもあり、具体的な話はなかなかできそうにない。
だから、一つだけ問うて見た。
「人に思いを伝えるって、難しいです。でも、その人のことを知りたい。一緒にいられるようになりたい……どうしたらいいか、わかりますか」
そんな時子の言葉に、マスターは苦笑する。
「坊主に色恋を聞いちゃいけないよお嬢ちゃん――といいたいとこだがね」
一つ人生の先輩としてのアドバイスだ。そう言って店主は時子の顔を覗き込む。
「自分だけを見つめちゃいけねぇよ。それと同じくらい、相手だけを見つめててもだめだ。視野は高く、想いは広く。水面に浮かぶ自分の姿を見た後は、大きく上空に羽ばたいて全体を見るのをおすすめしとこうかね」
よくわからない、というかのようにキョトンとした表情を浮かべる時子。
だがマスターは「相談者を煙に巻くのが坊主業だぜ」となんだか誤解を抱かせそうな発言をしながら、時子の珈琲に、ミルクを注いだ。
「苦いばっかりの珈琲じゃおいしく感じられなかろ。逆に苦さがないと珈琲じゃない。どこが自分にちょうどいいのか、探しながら飲んでみな」
やっぱり、よくわからないです――そんな感想を抱くものの、なんとなく口に含んだ珈琲はほろ苦く。
けれど、ミルクが優しく時子を守ってくれているかのような、不思議な味だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼李月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月30日
参加申し込みの期限
2016年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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