【星幽塔】酒場にて　→飲む　→話す　→外に出る　→脱ぐ｜リアクション

【星幽塔】酒場にて　→飲む　→話す　→外に出る　→脱ぐ

【出陣前】

　黒竜によって闇に包まれてしまっているサジタリオ城下町。
　領主フランチェスカ達による、城奪還作戦が進められていた。
　その噂はたちまち広がり、城下町に活気が満ちる。

（フランチェスカ様が、昼を取り戻してくれるかもしれない）

　人々の心に、希望の光が差し込んでいた。

「なぁ、本当にフランチェスカ様は黒竜討伐をなさるのかな？」

　酒場の一角に人だかりが出来ていた。人々の前にいるのはフードを目深に被った占い師。客の問いに彼は静かな口調で答えた。
「……ああ。水晶にはそう出とる。たくさんの兵士と……不思議な世界からの仲間を連れてな……恐らく、近いぞ」
　占い師の言葉にワッと酒場は盛り上がる。飲めや歌えと客達が行ってしまった後、金から群青に変わる見事な髪を揺らしながら、少女―――塔の精霊ステラが占い師に話しかけた。
「ねぇ、ステラの呼んだ人達はいつお話に来てくれるのー？」
　可愛らしく小首を傾げるステラに、占い師は微笑みながら言った。
「どうかの？　もう来てるかもしれんぞ？」
「ならすぐステラとお話するの！　水晶にそう伝えるのよ！」
「そんな事は儂ゃ知らんよ。第一水晶で人と話は出来ん」
　占い師の言葉にステラはぶんむくれた。

「退屈なの！　早くみんな来るのーーーっ！！」

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