【かるた】わんだふる・ゑきさいてぃんぐ・かるた大会｜リアクション

【かるた】わんだふる・ゑきさいてぃんぐ・かるた大会

「熱戦の続いたかるた大会も、あっという間に幕を閉じました」
　試合の興奮冷めやらぬ武道場では、校長先生が閉会の挨拶を述べている。
「源平戦の結果は―――源氏組が５勝、平氏組が６勝。僅差で平氏組の勝利となります！」
　団体戦を制した平氏組から、歓声が上がる。負けた源氏組も、外部からの観衆も、裏方役のスタッフたちもあたたかい拍手を送った。
「さらに、チーム単位での順位も出たようですね」
　そう言って、実況用に出されたスクリーンを示す校長先生。そこに出された最終順位は、次のとおりだ。

１位　幼馴染チーム　９枚
２位　『ねこのて』の猫の手チーム　８枚
３位　子守チーム、寝子島高校ミステリ研究会チーム　７枚

「よって、優勝は幼馴染チームとなります！」
　会場全体からより一層大きな拍手が起き、優勝チームを祝福する。

「やったー！優勝したぞ！」
　卯木衛が、全力投球で喜びを表現する。
「ふっふっふー。非公式新聞部さん、取材よろしくー」
　千歳飴楓子が、周りにドヤ顔を披露する。
「えへへ、俺の幼馴染はやっぱり凄いでしょ、ね！」
　立花なつが、再び幼馴染自慢を始めた。
　前に出た三人は、校長先生から笑顔で表彰状を受け取った。

　無事に閉会式も終わり、整列した生徒たちが散ろうとしたその時である。
「すみません！永田先生に聞きたいことがあるんですが」
　素っ頓狂な声を上げて、野々ののこが挙手している。
「なんだい？」
「かるた大会に参加すると、国語の赤点免除って本当ですか？」
「なるほど、それは皆も聞きたいことだろうね」
　永田先生の思わせぶりな台詞に、周囲の生徒―――主に学力に自信がない生徒たちの注目が集まる。
「それについては、百人一首のこの歌で答えようか」
　そう言うと、永田先生はよく通る声で朗々と歌を読み上げた。

　春の夜の　夢ばかりなる　手枕に　かひなく立たむ　名こそ惜しけれ

　つまらなくも噂が立つのは、残念なことだ―――
（この人は最後にこれを言いたくて、噂を放っておいたのか？）
　がっくりした生徒たちの心の声をよそに、永田先生はぶらりと武道場を立ち去っていった。

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あとがき

担当マスター：三城俊一
ファンレターはマスターページから！

皆様、ご参加お疲れ様でした。

PCごとに熱のこもったアクションを頂き、楽しみながら執筆することができました。
人数的にも盛り上がりのある行事にできたと思います。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございます。

高校時代、競技かるたをほんの少しかじった経験がマスター業で生きるとは思っていませんでした。私事ながら、当時を懐かしく思い出しながら執筆していたことを白状しておきます。

選手だけでなく、スタッフや観客として参加してくださった皆様も、ありがとうございます。
キャラクターごとの魅力が、少しでも表現できていれば嬉しいです。

それでは、また別のシナリオでお会いしましょう。

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