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夜の美術館でおいかけっこしましょ!
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目の前に現れた警備員の格好をした少女の姿に、
服部 剛
はひゅっと息を飲んだ。
上手な呼吸の仕方すら忘れながらも、剛は半ばうわ言のように声を漏らす。
「何で。何で、お前がここに……」
薄闇に手の中のカッターナイフを光らせるは、剛の中学時代の親友――明日菜だった。
荒れていた剛に、何度も手を差し伸べてくれた人。
そして――今は意識不明で病院で眠っているはずの、助けられなかった大切な女の子。
「剛、剛、剛……」
眠り姫の唇が、何度も何度も剛の名前を音にして紡ぐ。けれど。
「……いや、違う」
明日菜はこんな冷たい目はしないと、剛は胸の痛みを堪える為に口の中を噛んだ。
明日菜の姿をした警備員は、なおも剛の名を呼び続ける。
「……その顔と声で、何遍も名前呼ぶなや。喧嘩、売るんやったら買ったる……!」
剛が、震える拳をぎゅうと握り締めた、その時。
「剛、ねえ、何で私を助けてくれないの?」
褪せない傷を抉るような言葉に、今度こそ息が詰まった。
少女の姿をした『何か』は、畳み掛けるようにして、美術館に静かに声を響かせる。
「私のこと忘れちゃった?」
「っ、違う。違うんや。お前のこと、忘れとらんよ。今でも後悔しとる。夢に出てくる」
夢に見たのと同じ、彼女を救えなかったあの日のことが頭を過ぎった。
夢は現実と、虚構は真実と寸の間混ざり合い、『今ここ』にいる剛に隙を生む。
狼狽する剛を嘲笑うかのように、明日菜の姿をしたモノはカッターナイフを闇に閃かせた。
「っ……!」
踏み込んでの一撃をすんでのところで避けて、剛は混乱を道連れにその場から逃げ出す。
襲ってきたから逃げた、というだけではない。今はまだ、彼女と向き合うのが怖かった。
(嫌われたってええ。許さんでええ。けど……!)
駆ける、息が乱れる。館内では走らないでくださいと、『彼女』の声が追い掛けてくる。
(……なあ、明日菜。何で起きんの? 俺はどうすれば……)
振り返ることなく走りながら、剛は懸命に思案する。心の中で彼女に訴え掛ける。
やがて――剛は、一つの決心をした。
「……逃げてばかりじゃ、答えは見つからんな」
口の中に、小さく呟く。目前に、曲がり角が迫っていた。
曲がって、服のフードを被りそのまま壁の陰で息を潜める。
耳を澄ませば、ゆっくりと、けれど確実に近づいてくる足音が聞こえた。
(角を曲がってそのまま逃げたって思うやろ)
ならば、これは好機だ。
タイミングを見計らって、剛は壁の陰からとび出した。
虚を突いて、『彼女』の首に指を絡ませる。
僅か見開かれた温度のない眼差しが、剛の目を捉えた。
「……動いとる明日菜に会わせてくれて、おおきに」
皮肉を零すと同時に、首を絞める手に力を込める。
決して目を逸らさずにいれば、流れ込んできたのはむせ返りそうな黒の濁流だった。
少女の姿をしたモノの心は、塗り潰したように真っ黒だ。
僅か怯みながらも、剛は力を緩めることはしなかった。
「お前を倒さへんと、答えを探しに行けんやろ!」
そのうちに、『何か』は身動ぎさえしなくなり、その身体からは完全に力が抜ける。
「……本物に会うた時、謝ることが一つ増えてもうたな」
精巧で悪趣味な人形に堕した『何か』を前に、剛はぽつりと呟いた。
瞼を開ければ、視界にとび込んできたのは仄暗い闇が満たす美術館の風景。
形の良い眉を、
朝鳥 さゆる
は僅か顰めた。
さゆるにとっては、夢なんて見たくもないものだ。
(なのに……どうして?)
身体が起きていようが眠っていようが、彼女の世界における夢と現の境界は曖昧だ。
濁った靄のような悪夢の中が、さゆるの生きる場所。
夢は彼女にとって、惨めな現実を再確認させるだけの殊更に残酷なものでしかない。
さゆるがふと思案の底に沈んだ、その時である。
(何……?)
背に気配を感じて、さゆるは振り返った。
瞬間、呼吸を忘れる。
そこに立っていたのは、警備員姿の、彼女の心を大きく揺さぶるに充分な相手だった。
「藍人……どうして、こんなところに……」
さゆるのか細い声に、しかし『彼』――片篠藍人は応えない。
藍人は、さゆるがこれまでただ一人愛した男だ。
14歳の夏から初冬にかけての数ヶ月間、2人は深く愛し合った。
……互いの心身を抉るように傷付け合い、犯し合うことを愛と呼ぶのなら。
「あなたはもう……死んだはずじゃ、なかったの?」
問い掛けながら、クリスマスの再会を思い出すさゆる。
あの日の胸の痛みに浸る間もなくして、藍人はさゆるへと向かってきた。
その手には、藍人の飢えた狼を思わせる目にも似た鋭さのナイフが光っている。
「っ……」
ろっこんが発動し、さゆるはナイフの一撃をギリギリのところで避けた。
「さゆる、さゆる……」
藍人の顔をして、藍人の声で。警備員は、何度も繰り返しさゆるの名を呼ぶ。
その度に、『彼』が手にしたナイフよりももっと鋭利なものでさゆるの心は抉られた。
荒れて、廃れて、ささくれ立った心が、甲高く悲鳴を上げている。
ナイフの閃きをさゆるは何度ともなくかわしたが、
「嫌……やめて……」
気づいた時には、さゆるは壁際まで追い詰められてしまっていた。
確かな殺意を持って向かってくる藍人と、揉み合いになる。
必死の抵抗が暫く続いた後――さゆるの手に、ずぶ、と嫌な感触が走った。
手が、温かなものに濡れる。
一瞬、さゆるは自分が遂に刺されたのだと思った、けれど。
「あ……」
ナイフは、さゆるではなく藍人の胸に深々と吸い込まれていた。
絵の具のような黒が、傷口からどろどろと溢れ出ている。
刺したのは……さゆるだ。
「さゆ、る……」
口の端からも黒を零しながら、藍人の姿をして藍人の声で喋るモノは言った。
そうしてそれっきり、糸が切れたようにその場にぐしゃりと倒れ込む。
さゆるは、壁を背にしてその場にへたり込んだ。
涙が、止めようもなしに頬を伝い、美術館の床を濡らす。
「夢なら……夢なら早く終わって……」
少なくとも彼女にとっては藍人だったモノを前に、さゆるは縋るように呟いた。
それから、どれくらいの間泣き続けていただろう。
「おい、大丈夫か?」
掛けられた声に、さゆるは緩慢に顔を上げた。
心配の色を滲ませながら、さゆるの顔を覗き込むのは剛だ。
美術館を探索しているうちに、さゆると、警備員の残骸を見つけたのである。
「夢……夢が、終わらないの……目が覚めるまで放っておいて……」
さゆるはそんなことを言うが、剛としては彼女をこのまま放置するわけにはいかない。
美術を通して出会った親友と、先ほどの警備員のことを思い出す。
目の前の少女を襲った理不尽も、大体のところは想像がつくというものだ。
「……夢、か。悪趣味な夢やなぁ、ほんまに」
応えが返らないのを承知でさゆるの言に応じて、剛は彼女の傍らにしゃがみ込んだ。
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3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月19日
参加申し込みの期限
2016年05月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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