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夜の美術館でおいかけっこしましょ!
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気がつけば、そこは陰鬱な作品の数々が出迎える仄暗い美術館。
動揺を誘われても決しておかしくないシチュエーションではあるが、
「あらあら、今度は夜の美術館?」
といった具合で、
尾鎌 蛇那伊
は動揺どころか少し呆れたような声を出した。
「全く……よく色んな所に飛ばされると、転移だけでは驚かなくなっちゃったわね」
なんて、悠然と言ってのけ――蛇那伊は鋭い眼差しを高い音の響く通路の方へと向ける。
かつん、かつん、と靴を鳴らして現れたのは、高校生くらいに見える警備員姿の男。
虚ろな目をした警備員は、半ば床に引き摺るようにして金属バットを手にしていた。
近づいてくる男を見遣って、蛇那伊はやれやれとでも言わんばかりに嘆息する。
「警備員にしちゃ物騒な物持ってるわね。ちょっと叩きのめせば良いのかしら?」
問いに、警備員の男は答えない。
しかしその代わりのように、彼は、手にした金属バットを振るう構えを見せた。
蛇那伊の口の端が、ほんの僅か上がる。
「あら、やる気満々ね。だったら、こっちも遠慮なく」
言うや呼吸を整えて、練り上げた気が全身に巡るのをイメージする蛇那伊。
五感を研ぎ澄まし、一点ではなく全体を見ることを意識すれば完全に戦闘モードだ。
警備員によって緩慢な動作で構えられた金属バットだったが、
「おっと、危ないわね」
振るわれる時には、先ほどの動きが嘘のような速度と精密さで。
けれど、蛇那伊はパワーもスピードも乗ったその一撃を難なくかわし、冷静に相手を観察する。
(相手は普通の人型。今の攻撃を見る限りだと、関節の可動範囲なんかも普通の人と同じと見ていいかしら)
それならば、相手の動きを読むのは蛇那伊にとってさほど難しいことではない。
警備員の二撃目を、蛇那伊は危なげなく往なした。
(筋肉の動き、力の入れ具合、体重や視線の移動……予備動作で、大体の動きは読める)
次の攻撃がどう来るかを把握した上で、十分に引き付けてから紙一重のところで身を翻す。
そろそろこちらから動くにも頃合いだろうと、蛇那伊はそのまま相手の懐にとび込んだ。
反射的に、といった感じで警備員が身を引こうとする。
その動きさえ計算尽くで、蛇那伊は己の拳を完全に無防備になった相手の腹に叩き込んだ。
狙うは鳩尾、食らわせるは全体重を乗せた渾身の一撃。
一撃必殺――文字通り、殺すつもりの痛打だった。
(加減してたらこっちが殺されそうなんだもの、躊躇いはないわ)
警備員の目が、口が、これでもかと見開かれる。
そうして人の姿をした『何か』は、武器を取り落とすやその場にがくりと崩れ落ちた。
それきり、壊れた機械が機能を停止するように、ぴくりとも動かなくなる。
それをしかと確認した後で、蛇那伊は一つ息を吐いた。
「急所に打撃を叩き込んでもすぐ動ける可能性もあると思ったけど、杞憂だったわね」
それにしても、と軽く首を傾ける蛇那伊。
「何だか見たことあるような気がするけど、こう、すぐにピンと来ない顔ね」
何の顔かというと、今は身を折って隠れてしまっている警備員の顔の話である。
「……普通に、クラスメイトの誰かかしら?」
問いに答える者はなく、蛇那伊は小さく肩を竦めてその場を後にしたのだった。
見知らぬ美術館を、出口はどこかと
獅子目 悠月
は駆ける。
そんな彼に、不意に、背後から声が掛けられた。
「館内では走らないでください」
耳馴染みのある、重厚さを纏った声に悠月の足が止まる。
振り向いた先でナイフを光らせるモノの姿形に、悠月は寸の間、息をすることさえ忘れた。
ここで、その人に出会うだなんて考えてもみなかったから。
「……父様」
何で、どうしてこんな所に。
混乱と疑問の中で絞り出した声は、自分のものではないみたいに掠れていた。
呼び掛けに応じるように、警備員姿の父親は再び口を開く。
「遊びは終わりだ、帰るぞ悠月」
彼らしい、厳格な言い様だった。
その言葉に逆らえばどうなるかを、悠月はよく知っている。
厳しい折檻を思い出し、悠月は身体を固くした。
父が、ゆらりと歩みを進める。悠月のことを追い詰めようとする。
ひゅっと息を詰めて、悠月はもがくようにしてその場から――父から逃げ出した。
(違う、あれが本当の父の筈がない)
冷静になれ、と自分に言い聞かせるも、心も身体も言うことを聞かない。
足がもつれて、上手く走れない。水中をもがいているような心地がした。
(約束の3年には、まだ……)
己に与えられた猶予を、高校3年間の仮初の自由を思う。
常に胸の底に燻っている焦りが、今は油を注がれたように轟々と燃え立っていた。
(何とかしたい、家を出て歌で食べていきたい……だけど、まだ何もできていないのに)
現実に打ち勝ちたいという気持ちは本物だ。
けれど今の悠月には、父の言葉に立ち向かえるだけのものがなかった。
「館内では走らないでください、遊びは終わり、館内では走らないでください……」
偽物だと分かっていても、追い掛けてくるのは紛れもなく父の声。
燃え上がる焦燥が、悠月の足をまろばせた。
身体が、ひやりとした美術館の床を転がる。
痛みを堪えながら立ち上がろうとした時には――父はもう、悠月の目の前に迫っていた。
ナイフを手に、感情の色の乗らない目で警備員は悠月を見下ろしている。
「あ……」
「――悠月、帰るぞ」
悠月に態勢を立て直す隙も与えず、父の姿をしたモノは薄闇にナイフを振りかざした。
鈍い閃きが、我が身を庇った悠月の腕を容赦なく傷付ける。
瞬間、焼けるような鋭い痛みが腕を走ったけれど、
「っ……」
これが自分の最後の意地だとばかりに、悠月は悲鳴を上げることはしなかった。
痛みを堪えんと口の中を噛み締めるが、ずくずくとする腕の痛みは治まらない。
ナイフが、再びゆるりと振り上げられる。
逃げなくてはと身を捩った、その瞬間。
ポケットから落ちた物に、半ば朦朧としている意識が、引き付けられる。
それは、鍵盤模様のハンカチだった。
勇気を出すための歌を皆で歌ったことが、ハンカチを通じて思い出される。
腕の痛みに頭をくらくらとさせながら、けれど悠月は唇を引き結んだ。
「俺は……まだ、終われない!」
やりたいことがある。例え仮初のものでも、この手の中に自由がある。
ナイフの二撃目をしかと目に留めて、悠月はギリギリのところでそれを避けた。
三度、ナイフが振るわれようとした、その時。
「ふっ!」
自分のものでも父のものでもない声がして、父の姿をした警備員はナイフを取り落とした。
そうしてそのまま、床の上に力なく崩れ落ちる。
「無事だった……ようには見えないわね。応急手当てが必要かしら」
拳を収めて、悠月に声を掛けたのは館内の探索に当たっていた蛇那伊だ。
声を出すことさえできずに、悠月は呆然として蛇那伊の顔を見遣る。
「とにかく、とりあえずは助かったのよ、君。……よく持ち堪えたわね」
悠月の怪我の具合を確かめながら、蛇那伊は静かにそんなことを言った。
悠月の様子に、彼の奮闘が見て取れたからだ。
その言葉に、悠月はようやっと自分は助かったのだと認識する。
「……ありがとうな、その、世話になった」
「どういたしまして。痛いだろうけど、少し我慢してね」
蛇那伊の声を耳に、悠月は空いている方の手で、縋るようにしてハンカチを握り締めた。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月19日
参加申し込みの期限
2016年05月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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