文房具戦争、勃発！？｜リアクション

文房具戦争、勃発！？

●●●途切た意識の中で●●●

　目を開くと真っ白な世界。天地はなく、どこか浮いているような感覚がする。
　そう気が付いたと同時にやられたのだ、という認識も蘇っている。
　小さく深呼吸をし、四肢が健在か、どの程度動くのか、確認をする。

「問題なし、だな」

　そう呟き、異常があるのはこの空間だけだと刀は思えた。
　確かに先の世界では倒されても寝子島高校での復活ができると知っていた。
　実際にそのプロセスに入ってみると奇妙なものだと感じる。

　ガイドが何もない世界で、戻るための手段を模索する。
　歩く、座る、走る、話す…色々と試すが、うまくいかない。
　行動ではなく思考でと考え、目をつむり寝子島高校を思い浮かべる。

　すると、徐々にではあるが、引っ張られるような感覚が体を支配する。
　おそらく正解だと思い、丹田に力を籠めて想像を加速させる。

　そうして次に目を開けた時は地に立っており、眼前には制汗剤の匂いの煙が広がっていたのであった。

●●●紡ぎ募る思いを胸に●●●

　めまいにも似た感覚から目を開けると、白銀の世界がただただ広がっていた。
　立つべき地はなく、そもそもどこを見渡しても白銀だ。
　サキリは気が付いた。倒されたことを。

「上手くやったと思うんだけど」

　刀との闘いをフラッシュバックさせ、引けを取っていなかったと考える。
　だが、その考えも一度置いておくべきだと思い直す。
　再起可能としていた世界での戦闘で、こんな場所に来るのは珍しかった。

　どうすればいいのかも分からなかったが、ひとまず自分のコンディションを確かめる。
　再起した時にダメージを負った状態なのは意味がないからだ。
　一通り確認ができ、先の世界に戻るための思考を巡らせる。

　そうすると徐々に周りの様子が変化していく。
　まるで絵画を早回しで見ているかのように世界が形作られ、背後から爆発音が聞こえてきた。

　完成した絵画は寝子島高校の体育館裏であり、湿った空気が流れているのであった。