文房具戦争、勃発！？｜リアクション

文房具戦争、勃発！？

●●●奇襲！　フラッグ戦！●●●

　グラウンドに立ち込める煙、高く昇る火柱。
　激戦の様相を感じた真央は気づかれぬうちにタケノコチームのフラッグを取りに行くことを決めた。
　修からの情報で、おそらくフラッグを守っているのは3人。

「修ちゃんとも連絡取れないけど、勝てば官軍なのだ～」

　清一郎・桜の戦闘も心配だが、あの状態から奇襲をかけても有効打は難しいと判断した。
　がおーを斥候にして走らせつつ、自分も警戒をしながら進んでいく。

　大きな障害はなく、途中で缶ジュースの補充をした真央はフラッグをぎりぎり目視できる所まで来た。
　幸い、向こうからは気づかれておらず、改めて自分の持ち物を確認しようとしたとき。

「あれ、後木？」
「…っ！？　って、サキリちゃん、脅かさないで欲しいのだー」

　服に泥が付き、心なしか存在感が薄くなっているようなサキリが真央に話しかける。
　弾かれるように振り向いた真央は同じチームだと判明して安堵の声を漏らす。

　聞けばサキリは一度脱落した後、寝子島高校の裏門から隠密行動をしながら来たようだ。
　ここにきて仲間というのはありがたいと感じる真央は囮作戦を提案。
　真央が傘の盾を持って特攻、デジカメの閃光弾と缶ジュースのスタングレネードをお見舞いする。
　その間、サキリは背後に回り込み、混乱しているところを奇襲、フラッグを奪うという作戦だ。

　納得を示したサキリは早速行動に出る。
　真央もできるだけ派手に見えるように音を立てながら特攻を始めた。
　それに気が付いた防衛の消しゴムアーマーの男子生徒は輪ゴムを弓のように構え、射る。
　空気が圧縮された弾が真央を襲うが、傘を盾にしてそれを防ぐ。

「甘い、あまあまなのだー！」

　彫刻刀を槍のように使うもう一人の消しゴムアーマーの攻撃も防ぐ真央。
　お返しとばかりにデジカメのシャッターを押すと強烈な光が放たれ、たまらず男子生徒はたじろぐ。
　見ていただけの傘の女子生徒も参戦しようとしたとき、胴体が半分に分かたれ、光の粒子となる。

　サキリのろっこんで男子生徒もやられ、あとはフラッグを回収するだけになったはずだった。
　その共通認識が飛んでくるまでは。

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