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箱庭のノイズ
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【2】鍵を探そう
その夜。
朝鳥 さゆる
は、ロングコート、ブーツ、手袋、マスク、スカーフを着用し、可能な限り肌の露出を少なくした状態で、廃墟の街の一画に立っていた。
道路はひび割れ、苔むして、周囲に建つビルはどれも崩れかけ、一面蔦におおわれている。
その風景を見回し、彼女はそこが今まで何度も見ていた夢の中だと理解した。
――夢なんか、見たくない。
それが、日ごろの彼女の正直な思いだった。
だから夜は、肉体の快楽に溺れるか、薬の眠りに埋もれることでやり過ごして来た。
けれども、時にはそのどちらをも必要とせず、ごく自然に眠れる夜もある。
その夢は、このしばらく、そうやって訪れた眠りの内に、かならず在った。
もっとも今夜は、その夢を意識して眠りに就いた。
ノイズの呼びかけに応え、枷に縛められた少女を助け出すために。
さゆるは周囲を見回しながら、軽くこめかみに手をやって顔をしかめた。
あたりには、雨音をもっとひどくしたような雑音が満ちている。
(……まるで、目が覚めた瞬間のようだわ……)
その音の不快な感触に胸に呟き、彼女は思わず両耳をふさいだ。だが、それでもあたりを満たす音は、指の隙間を潜り抜けて鼓膜に響く。
その音と共に、彼女は鮮明に夢の内容を思い出した。
(捕らわれていた少女は、あたしに似ていたわ)
昼間、喫茶店で他の者たちと顔を合わせ、話を聞いた時には漠然としていた少女の容姿が今ははっきりと脳裏に浮かぶ。
(案外、あれはあたし自身だった……? いえ、でも……それは違うわね。あたしなら、助けを求めたりしないわ。そう……あたしは、救いをほしいとは思っていないものね)
胸に呟き、口元に苦い笑いを刻んで、彼女は歩き出した。
と、上空に現れたガラスの蝶の群れが、彼女めがけて襲いかかって来た。
肌の露出は少ないので、鱗粉に触れる危険は少なかったが、数が数だけにたちまち前に進めなくなる。
気づくと手には軍用ナイフを握りしめていたが、蝶を相手にそれが役に立たないだろうことは、彼女にもすぐに理解できた。
両手で顔をかばいながら、身を低くして他に武器になるものがないか、素早く周囲に目をやる。
その視界に、彼女の腕半分ぐらいの長さにまで伸びた、太い茎を持つしおれかけた雑草が飛び込んで来た。
彼女はとっさにそちらに駆け寄ると、その雑草を地面に近い位置で折り取って、ふり回す。
蝶たちが、次々と叩き落とされ、ガラスの砕けるような音を立てた。
(この蝶たち、本当にガラスでできているの?)
思わず眉をひそめる彼女にしかし、残った蝶たちが憎悪と敵意を剥き出しにして、更に群がって来る。
「あ……!」
それを感じて、さゆるは思わず息を飲んだ。
その途端。
彼女のろっこん『Stella cadente』が発動した。
反応速度が強化され、群がって来る蝶たちの軌跡が予測できているかのように素早くかわし、次々と手にした雑草で叩き落として行く。
自分に群がる蝶たちを全て殲滅したあと、彼女は幾分驚いた顔で自分の全身を見回した。
「あたし……もれいびだったの……?」
思わず呟く。
だが、のんびりしている暇はなかった。遠くの空に、再び蝶の群れが現れ、こちらに近づいて来るのが見えたからだ。
彼女はナイフと雑草を握りしめると踵を返し、すぐ近くのビルの影へと駆け込んだ。
同じ夢の中に、
恵御納 夏朝
もいた。
長袖長ズボンにレインコート、布マスク、ゴーグルにビニール手袋、長靴といった出で立ちである。
「僕にも手伝わせて。僕似の少女、どうしても気になるから……」
昼間の喫茶店で、彼女はノイズに会うなり言ったものだ。
そう、彼女が毎夜夢の中で見た少女は、自分自身に似ていた。
だが彼女は、その少女について、一つの疑いを抱いている。
(……夏夜ちゃんじゃない、とは……思うんだけどね)
今も、ビルの影に身を潜めながら、彼女は胸に呟く。
そう、彼女は夢の中の少女を、自分の別人格『夏夜』ではないかと考えているのだ。
もちろん、確証はない。
他の者たちの話を聞けば、ただ自分に似ているだけかとも思う。
だがそれでも、疑いを捨てきれなかった。
(みんなは、どこにいるんだろう……)
他の者たちの姿を求めて、ビルの影からそっとあたりを見回し、レインコートのポケットに忍ばせたスマホを握りしめる。
夢の中で、使えるかどうかはわからない。だが、もし使えるならば、あるに越したことはない。
彼女は、着信があれば振動するよう設定して、すぐに応答できるようこうしてポケットに入れて来た。
ちなみに彼女の今夜の役割は、枷の鍵を探すことだ。
と、そこに飛び込んで来た人影がある。
一瞬身構えたものの、それがさゆると知って、彼女は緊張を解いた。さゆるも鍵探索のメンバーの一人だ。
「朝鳥さん。……よかった、誰もいないのかと思った。他の人たちは?」
「わからないわ。誰も見てないから」
あたりに満ちる雑音に負けないように、傍に寄って尋ねる夏朝に、さゆるはかぶりをふって返す。
「そう……。じゃあ、どうしようか。二人だけで鍵を探す?」
「……そうね」
少し考えてから言う夏朝に、さゆるもうなずいた。
そこで二人は、今自分たちが背にしているビルの中を調べることにして、そちらに向かう。
そのビルの入口のドアはガラスだったが、ひび割れて傾いた上に、びっしりと蔦が這っていて通れそうになかった。
「僕に任せて」
夏朝が言って、ポケットの中からねこシールを取り出す。
それをガラスドアと蔦にぺたぺたと貼り付けた。
彼女のろっこん『重く軽く』が発動し、ドアと蔦があっという間に軽くなる。
二人はそれを難なくどかして、ビルの中へと足を踏み入れた。
中は薄暗く、足元がおぼつかない状態だ。
夏朝が、斜め掛けしたバッグから手回し式懐中電灯を取り出すと、点灯する。
「用意がいいのね」
「廃ビルに入るなら、必要じゃないかと思ったから」
感心して声をかけるさゆるに、夏朝は言って歩き出した。
そのころ、
屋敷野 梢
はトレンチコートと手袋を身に着け、虫取り網を手にビルとビルの間に続く路地を歩いていた。
昼間の喫茶店でも告げたが、ここがあの箱庭ではないのかという思いは、夢を見始めた当初からあった。
それともう一つ。
(ノイズのせいで、他人の言葉も自分の声も聞こえないのはおちつきます。時が止まったような、永遠の安らぎというかー)
そう、あの場では口にしなかったけれど、彼女はこの夢の中に満ちた雑音を、心地よく感じていたのだった。
(このノイズ、重要なことを覆い隠してるような気がするんですー。少女と無機物しかいない世界なので……きっと『少女』に関すること。それはトラウマか、悲しい記憶かわかりませんけどー)
そんなことを考えながら、彼女はてくてくと歩いて行く。
路地を抜けたところで彼女は、
サキリ・デイジーカッター
を見つけた。
サキリは、袖口と裾を縛った長袖の服とズボンの上にフード付きのコートを着て、手袋とマスク、ゴーグルを着用した姿だった。手には、テニスラケットを持っている。
「例の夢を見始めて十日目になる。ネットの噂だと、そろそろ危ないな。この夢を終わらせるために、協力する気になった」
昼間の喫茶店では、そう告げた彼である。
ちなみに、武器としてはラケットの他にいつもどおりナイフをコートのポケットに忍ばせていた。
「屋敷野」
彼の方も梢に気づいて、ふり返る。
「ノイズの姿を見たか?」
「見てないですねー」
問われて答える梢に、サキリは「そうか。ならまずノイズを探して合流しよう」と言うなり、歩き出した。
「喫茶店ではノイズさん、鍵のありかはわからないって言ってましたよねー」
あとをついて行きながら、梢が声をかける。
「ああ。だが、心当たりぐらいはあるはずだ。合流して、それを尋ねる」
「……ノイズさん、ナニモノなんでしょーね」
答えるサキリに、梢はふと漏らした。
「何が言いたい?」
サキリが足を止め、ふり返る。
「だって、不思議じゃないですかー? 本名だって、誰も知らないわけですしー」
梢は肩をすくめて返すと、続けた。
「直感ですが、ノイズさん、この音と無関係とは思えませんー」
「ノイズが、この音を発生させていると思うのか?」
サキリは、眉をひそめて問い返す。
「はい。理由は、わかりませんけれどもねー」
うなずいて彼女は、「自分で語るまでは、訊くのも野暮ですよねー」と付け加えた。
そう、彼女はなんとなく、ノイズが何か自分の中の悲しみを覆い隠すために、この雑音を発生させているのではないかと考えていたのだ。
(でも、それは寂しいですー。鳥や虫の声も、大切な言葉も聞こえないですしねー)
胸の中で、そんなことを呟く彼女だった。
やがて二人は、小さな広場のようになった場所で、ノイズを見つけた。
「枷の鍵のありかに、心当たりはあるか?」
サキリが尋ねる。
「心当たりと言われると困るけど……僕としては、あのビルが怪しいなあって思ってるんだよね」
へらへらと笑ってノイズが指さしたのは、遠くの方に他のビルより一際高く、塔のようにそびえている高層ビルだった。あますところなく全体を蔓草が覆っていて、巨大な木のようにも見える。
「……たしかに、何かありそうだな」
サキリが目を眇めてそちらを見据え、呟いた。
「私は、鍵は案外、少女の近くにあるかもしれないって思ったんですけどねー」
首をかしげて、梢が言う。
彼女は、少女もまた作られたもののように感じていた。モデルが実在するにせよ、夢の少女そのものは、箱庭同様に誰かに作られたものなのではないかと。
「だが、その少女も、居場所はわからないだろう? それに、僕たち――僕と屋敷野と恵御納、朝鳥の四人は、ノイズと一緒に鍵を探すと、昼間の喫茶店で決めたはずだ」
対してサキリは、冷静に返した。
そう、少女の居場所は、他の者たちが探すことになっている。
「まあまあ。……とりあえず、あのビルの中を探してみて、鍵がないようなら、僕たちは少女探索班と合流するっていうのは、どうだい?」
ノイズがそんな二人を宥めるように言った。
「わかった。……とにかく、怪しい場所を探してみよう」
「私も了解ですー」
うなずくサキリに、梢も明るく返した。鍵の場所に関しては、思いつきを口にしただけで、その考えに固執しているわけではないのだ。
こうして三人は、一際高くそびえる高層ビルを目指して歩き出した。
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ブロンズシナリオ(100)
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月08日
参加申し込みの期限
2016年05月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月15日 11時00分
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