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【5】クリア
一同が固唾を飲んで見守るが、蕾は一向に開く気配がなかった。
「開かないなら、取り出すまでだ」
サキリが呟いて、ナイフを手にすると、茎を途中で切断した。
屋上の床に落ちて来た蕾は、それでも潰れもせず、花弁が開く様子もない。
サキリが更にそちらに駆け寄り、蕾を切り裂こうとした時、まるでそれをさせまいとするかのように、ガラスの蝶の群れがどこからともなく湧いて来た。
「ここは任せて! サキリくんは鍵をお願い!」
叫んで、ろっこんによる衝撃波を蝶たちに向かって放ったのは、凛だった。
他の者たちも、次々と武器を構えたり、ろっこんを発動させたりして蝶の群れを迎え撃つ。
それを尻目にサキリは、蕾の花弁を切り裂いた。
途端に中から、黒い鉄の鍵がころがり出て来る。
「鍵は手に入れたぞ!」
それを手にして、サキリは叫んだ。
まるで、その叫びが魔法の呪文ででもあったかのように。あれほど群れていた蝶たちは、いっせいに動きを止めた。
空中で羽ばたくことを止めた蝶たちは、次々と屋上の床に落ちて砕け散って行く。
そのさまを、一同はただ呆然と見やった。
と、遠くの方から馬の蹄の音が近づいて来るのが聞こえた。
何事かと一同が見回せば、このビルに続く道を騎馬の少年がやって来るのが見えた。まもるだ。
彼は、高層ビルのすぐ傍で馬を止めると、「スパイダースバイダー!」と叫んだ。その姿がたちまち、蜘蛛へと変わる。彼のろっこん『クモ男』が発動したのだ。
蜘蛛と化したまもるは、吐き出した糸を使ってするするとビルの壁を登り、やがて他の者たちのいる屋上へとやって来た。
「またまた、遅れたライ麦畑のキャッチャ、まもる参上! 少女を見つけた」
半分人間の姿に戻って、謎の口上を述べたあとに告げる。
「こっちも鍵は手に入れた。……鎌八、案内してくれ」
最初に我に返った修が、まもるをふり返って言った。
「了解だ」
まもるがうなずく。
やがて一同は、まもるに案内されてビルとビルの谷間にある一画へとやって来た。
「……ここ、たしかに夢で見たのと同じ場所だ」
あたりを見回し、刀が呟く。
少し歩くと、崩れかけた建物の軒先にうずくまっている少女の姿があった。
「えっ……私と同じ顔……? いや、私そのもの……?」
その顔を見るなり、驚きの声を上げたのは凛だ。
「雨寺さんにも、自分に似てるように見えるのですか? 私にも、私自身に似て見えるのです」
「え? そうなの?」
美咲紀の言葉に、凛は更に驚き、少女をまじまじと見やる。
「この少女は、どういうわけか、私たち女性には自分に似ているように見えるらしいんだ」
月が、小さく肩をすくめて言った。そして彼女は、少女をふり返る。
「夢を見ていた時には、私自身のような気もしていた。……みんなの話を聞いて、よくわからなくなっていたのだが……」
呟くように言って、彼女はそちらに歩み寄った。
「君は、そもそも何者だ?」
少女の顔を覗き込むようにして、尋ねる。
それはしかし、この場の全員が少女に問いたいことだったに違いない。
(夏夜ちゃん……ではないよね。だって、他の人たちには、僕とは違う人に見えているんだもの)
自分によく似ているとしか見えない少女の顔を眺めながら、夏朝は思う。
楓子と梢、さゆるも、少女が自分に似ていると感じていた。
まもるの目には、少女はポニーテールの女友だちに見える。
(やっぱり何度見ても、この少女、仲のいいアイツとかアイツに見えるんだけど……)
改めて少女を見直し、困惑しているのは刀だ。
顔をしかめて腕を組み、少女を見やる修には、その面は
七夜 あおい
にしか見えない。
そしてサキリの目には、少女は従姉の草薙 刺月に見えていた。
初めて夢を見た時には、驚いたものだ。
その人は彼にとっては保護者のような存在で、寝子島に連れて来てくれた命の恩人だった。
ただ、何度も夢に見るうちに、雰囲気は全然違うと感じるようになっていた。
「私は――」
しばしじっと月を見やり、それから一同に視線を向けた少女は、口を開いた。
「私は、この世界に仕掛けられた力であり、あなたたちの心を癒すものだ」
「……心を癒すもの?」
さゆるが、眉をひそめて問い返す。
「そう。……潜在意識の中にいる自分、あるいは内なる自分に最も影響を及ぼす異性を私の上に見出し、私を解放することで、自らの心を慰撫するのだ」
「それってつまり――」
答える少女に、まもるが何か問おうとした時。ノイズがそれを遮り、言った。
「まあまあ、質問はあとにして、とにかく枷をはずしてあげようじゃないの」
「そうだったな」
うなずいて、サキリが少女に歩み寄ると、手にした鍵で枷をはずした。
「大丈夫か? つかまれ」
言って、優しく手をさしのべる。
少女はその手を黙って取ると、立ち上がった。
「これで自由だ。俺たちと一緒に、外の世界に行こう」
傍から言った修がふと気づいて、問う。
「そうだ、名前は?」
「……わからない。誰も、私の名を呼ぶ者は、いなかったから」
かぶりをふる少女に、修は少し考え、言った。
「それなら、俺が名前を贈ろう。……『クリア』というのは、どうだ?」
「いい名前なのです!」
美咲紀が小さく手を打って叫ぶ。
「悪くはないんじゃないか?」
刀が、軽くこめかみを掻いて言った。
修は、どうだと問うように、少女を見やる。
「ありがとう。……次から、そう名乗ろう」
答えて少女は、小さく噛みしめるようにその名を呟いた。
途端、少女の姿はまるで空間に映し出された映像のように実体感を失い薄れて、消えて行った。
同時に、周囲の景色もまた実体を失い、薄れて行こうとしている。
「……たぶん、僕たちも夢から覚めるんだよ……」
ノイズの呟く声が聞こえたのを最後に、彼らはゆるやかに意識が遠のいて行くのを感じていた。
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担当ゲームマスター
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月08日
参加申し込みの期限
2016年05月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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