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濃霧の夜に
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【3】バスの中で
鹿嶋 洋美
は、ぼんやりと考え事をしながら霧の中を歩いていた。
(この先何があるかわからないし、念のため傷薬とかは確保しといた方がいいだろうし……)
バスの中で、他の乗客や修らの話を聞いてそう考えた彼女は、とりあえず売店で傷薬と懐中電灯、それにパンやお菓子、ジュースなどを買った。
そのまま、あの騒ぎが起こる前に、売店を後にしたのだ。
(それにしても、新年早々、トラブルかぁ……)
歩きながら溜息をついて、彼女は胸に呟く。
(去年も本当に、いろいろあったからなぁ……。面白いことならいいけど、怖いこととか迷子になりそうなことに遭遇するのは……)
そこまで考え、一瞬たたらを踏んで、はたと我に返った。
「あ、いけない。私ったらまた考え事して……」
そこまで呟きかけて、目をしばたたく。彼女の足元に、地面がなかったからだ。
「……考え事してたら、けっこう浮いてた……。どうしよう?」
慌ててあたりを見回し、呟く。
彼女のろっこん『エアーウエイト』は、考え事に集中し続けることで発動するのだ。
発動すると、身に着けているものと共に体が空気より軽くなり、こんなふうに浮いてしまうのだった。
けっこう高い位置にいるのか、霧は地上よりは薄く、周囲がぼんやりもやって見える程度だ。
彼女は売店で買った懐中電灯を取り出し、あたりを照らしてみる。
(そういえば、この霧ってどこまで上に続いてるんだろ? 上空から見たら、どこまで続いているか、わかったりするのかな?)
建物や電柱らしいものは見えなかったが、ふと彼女は思いついて首をかしげた。
とにかくこうなったら、昇れるところまで昇ってみようと、彼女は思い切り膝を曲げて宙を蹴る。
止まったところでまた、同じようにして宙を蹴って、高く飛ぶ。
そうやって上昇して行くと、霧はずいぶんと薄くなって来た。
だが、もとより彼女のろっこんには、持続性やパワーはさほどない。体は次第に重くなり、ゆるやかに下降を始める。
「……時間切れかあ。う~ん、まあ、しかたがないか」
呟く彼女の足が、地面に触れた。小さく吐息をついて、彼女は手にした懐中電灯を持ち直すと、今度はバスを目指して歩き出した。
一方。
葉利沢 倫理子
はバスの中で、一人息を殺し、歯を食いしばっていた。
バス内に残っているのは、彼女の他に数人だけだ。隣と前後の席には、誰もいない。
彼女の心をおおっているのは、暗く深い恐怖だった。
ふさぎ込みがちな気分を少しは変えたいと、このツアーに参加した彼女だった。崩しがちな体調が、このところ少しはよくなった気がしたのも、思い切ってどこかに旅行しようと考えた理由の一つだった。
それなのに。
「……こんな濃霧、今まで経験したことない……」
窓の外を覆う濃い霧に、彼女は思わず呟いたものだ。
この霧のせいで、バスはもう三時間もここで足止めを食っている。しかも同じツアー客がすでに三人も行方不明になっていた。
それだけでも不安なのに、売店や休憩所の様子の奇妙さが追い打ちをかける。
その上に、他の乗客が持ち出した『霧のセイレーン』の話――。
それでなくとも不安定な倫理子の精神に打撃を与えるには、充分だった。
彼女の心を恐怖が浸食し、暗闇の色に染め上げて行く。体が冷たく凍てついて、胸元から何かがせり上がって来るのを感じた。
(……こんなところで、またあの記憶が……)
過去に遭遇した理不尽な暴力の記憶が、意識の隙間からぬるりと頭をもたげ、顔を覗かせようとしていた。
彼女はそれを、ただひたすら歯を食いしばって堪える。
どれだけそうやって、堪えていただろうか。ふっと呼吸が楽になった気がして、彼女は固く閉じていた目を開けた。
胸元にこみ上げていた嘔吐感が消えている。
彼女は固く強張った体の力を抜いて、シートに体をあずけた。深い吐息をつく。
(よかった……。なんとか、精神的な決壊に至らずに済んだ……)
安堵の呟きと共に、彼女は強い疲労を覚えた。目を閉じて、眠ろうと努めたが、ささくれだった神経はそれを許してくれそうにない。
そんな彼女に、戻って来た洋美が声をかけた。
「これ、飲まない?」
差し出されたのは、瓶に入ったコーヒー牛乳だった。
「……いいの?」
「うん。二本あるから、どうぞ」
尋ねる倫理子に、洋美はうなずく。
礼を言って受け取る倫理子に、洋美は「隣、いい?」と尋ねた。倫理子がうなずく。
バスはもともと満席ではなく、彼女の隣は出発した時から空席だ。
洋美は隣の席に腰を下ろすと、手にした紙袋から、自分もコーヒー牛乳の瓶を取り出し、紙の蓋を開けた。
「売店の中、改めて見て回って、面白かったわ。ジュースはみんな瓶か缶入りだし、見たことないアイスとかあるし」
「……そうなの。土産物とかは、売っていた?」
楽しげに話す洋美に、倫理子は少しでも不安を取り除こうと、尋ねる。
「あったわよ。キーホルダーとか、ハンカチとか――」
洋美もうなずいて、答えた。
その話に興じるかのように、倫理子はただ話し続けるのだった。
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担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月14日
参加申し込みの期限
2016年04月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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