this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【お正月】カルタ! ~つくってあそぼう~
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
8
つぎへ >>
「——なんだそれって思われそうですけど、蝶の種類のサトキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲですよ!
九夜山でも見かける、割とポピュラーな種類ですが、名前も似ている通り、見た目もかなり似てて判別が難しいんですよね。わりと生息域もかぶっていて、幼虫の食草が……」
「貴女どこが『ゆるく』ですの!? 最悪な嫌がらせでしてよっ!!」
紅緒が食ってかかるように言ったのは、梢の煙に巻くような台詞だけではなく、彼女の札だった。
「
さ
ときまだらひかげの幼虫はタケがお好き」
「
や
まきまだらひかげの幼虫はススキがお好き」
サトキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲとは、彼女の言う通り蝶の名前だ。
見た目の違いが小さな斑点の角度程度で、ほぼほぼ判別がつか無いことでも有名である。つまりいくら絵札が精巧に絵が描かれていても、違うのは丸の中にある小さな1文字だけしか見分けがつか無い。
ノリだけで適当に見えるのに、意外と理性的な彼女らしいやり方だ。
「あ、はい、ややこしいですよね。わざとです、是非混乱して下さい」
大きな丸い目をむふっとかまぼこ型にしている梢に、紅緒は「キイイイッ!」と喉奥から高音を吐き出した。
気圧された英二が冷や汗を背中に垂らしているなか、陽毬は次の札を読みはじめた。
「
し
んせつ診しゃつし、診察室視察瀕死のしひゃっ死者生産者の申請書しんしゃ、審査……もおお何これ!?」
読みづらい事この上無い札に陽毬が頭を抱えつっかえつっかえになっている。
「え? な、何?」
「1音目なんだったっけ?」
翠響と英二は見事につられてしまったが、1試合目に読み手をやった紅緒はしっかりと覚えていた。
(……し、……し……)
カラーコンタクトレンズで今日はピンク色の彼女の目がキョロキョロと動く。が、そこで動くものに気を取られた。
「……ん?」
梢の手がある札の真上近くまできている。
「あっ!」取られる! と思った紅緒が声を上げると、翠響が俊敏な動きで梢の取ろうとしていた札を取り上げた。
「やった!」
翠響が札を紅緒の方へ見せると、梢が今度は「むっふっふー」と音に出して笑った。
「見事に引っかかってくれましたねー」
「フェイントですよ、ね」
英二と梢が顔を見合わせて勝ち誇っている。絵札は英二の手の中だ。
「な、なななんていやらしい! それに大体何ですのこの札は!? 嫌がらせにも程がありますわよイヴァン!」
紅緒がほとんど決めつけでレナートを指差すと、やはり犯人だった彼は「でも英二と梢ちゃんは取れたじゃーん?」と笑った。
因みに双子の兄によると読札は「新設診察室視察瀕死の使者生産者の申請書審査行政監査察使親切な先生存者必死の疾走」で、「接客業なら諳で言える」らしい。
「司会者とかやるならこのくらいでつっかえちゃダメじゃん?」
煽られたお陰で紅緒だけでなく陽毬まで静かに怒りをため、怪しい雲行きの——観客側は笑いを堪えるのが大変な——次の札だ。
「
つ
き照ら——」
ぱしんっとこぎみよい音を立てて、梢が満月とそこに向かって伸びる一本道が描かれた絵札を取った。まだ札は読み始まったばかりだと言うのに——。陽毬は少し目を丸くして、作者に敬意を表すように最後まで読み直す。
「『つき照らす、夜道になにを想ったか』。作ったのはええと、刀君かぁ。詩人ーっ!」
陽毬が刀の方を向いて笑うと、彼の周囲でも「ぽえみすとー」「いけめーん」とわいてつっつきだす。
「絵心はないけど、そこはご愛嬌で」
刀は染まった頰を指でかいた。
一方英二は「凄いね」とチームメイトを讃えている。
梢が小声で教えてくれたところによると、彼女の戦法は「勘を信じてある程度見る場所を絞って、一音目だけ聞いてしゅばばっと狙う半ば運戦法です!」らしい。
「運って大事ですよね。私、人生を決める大半は運だと思います」
「その通りだったら——」
レナートがカウンターに背中を凭れながら、逆さまになってテーブルを向いた。
「紅緒ちゃんは運が無いって事だね」
——ね、英二。とにっこり振られて、英二は弱り切った。対戦相手の心理攻撃をしてくれるのは嬉しい後押しかもしれないが、何もここまでしろとは言っていない。
レナートの見上げているのに上から目線な表情と紅緒の興奮で真っ赤な顔を交互に見ながら「先輩あの……」と戸惑っていた束の間の直後、紅緒はまた叫んだ。
「ムッキイイイイッ!! もう許さなくてよ! これ以上馬鹿にされてなるものですか!」
翠響は紅緒の様子を、ゲームセンターで見るモグラ叩きがハードモードになった時みたいだ、などと頭の隅で思ってしまう。が、彼女はチームメイト。気付けば腕をがしっと掴まれていた。
「中学生さん、ボンバーですわ!!!」
「は?」
「ボンバー!!!」
「ぼ、ぼんばー……!?」
「やりますわよッ!!」
「……う、うん?」
最新の紅緒語は話しかけられた翠響どころか、陽毬にすら理解不能だったが、英二は「これはやばい」と紅緒の纏うオーラから悟った。あれが形になっているなら、猫から虎になった、と言うところだろう。
その勢いはチームメイトにも飛び火した。
翠響が「ぼんばーは分からない」と前置きしつつも
「チキンレースを強要し、プレッシャーで押し潰す!!」と不穏な発言で気合を入れ直していることからも明らかだ。
しかし梢は他人事のように「あららぁ、本気になっちゃいましたかー」と笑っている。
英二はため息をつく。この勝負はきっと僕らの負けなのだ。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【お正月】カルタ! ~つくってあそぼう~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月06日
参加申し込みの期限
2016年04月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!