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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【お正月】カルタ！ ～つくってあそぼう～
「そっち強いな！」
武道が一枚だけ取れた「きせい虫だらけのマンボウ」の絵札を振りながら、正面を見て感嘆する。彼が強さを讃えていたのは、タルトとレナートのチームではなく、刀と誉のチームだった。
タルトとレナートのチームはスタートダッシュこそ良かったが、誉と刀の方は後半からの追い上げが凄かった。勝ち進んだのは彼らのチームだ。
武道とエリセイのチームは一番取り札が少なかったものの、満足げな表情だ。
「いやぁ、楽しかった……！！」
「ね、結構笑えた。……レーナ」
「そだね、負けた罰ゲームって訳じゃないけど、お菓子でも用意しようかな」
エリセイとレナートがカウンターへ入って行く。
そこで次のチームの対戦が始まる前の少しの休憩だ。４０枚を超える札を読み上げた紅緒に、ロベルトは紅茶を差し出した。
「大道寺って、本なら何でも読むタイプ？」
「そうですわね……。
文学が多いけれど、エンターテイメント作品も好きですわ。ＳＦ、ファンタジー……、
ほら、この間貴方がネコミケでグッズを買っていたししゃも帝国も拝読しましたわよ。
自分では書かないタイプですから勉強にもなりましたわ。貴方は……、あの死んでいる少年がお好みなのかしら？」
「その他にロシアンスパイが気になったけど、彼はししゃ帝では２３歳らしい」
さも残念そうに言って、ロベルトは熱くなる。
「彼のショタ時代が見たい！ そう零した僕に同志は無言で『ある本』を差し出したんだ……読んだけど彼出てくるの下巻じゃないか！」
「あの分厚い上中巻を読破しないと、彼は登場しませんわねぇ！」
紅緒が可笑しそうに目を細めている。彼らの会話を横で聞いていたイリヤは、邪魔にならないタイミングで口を挟んだ。
「シリーズだったんですか？」
「いいえ、あれはパスティーシュ小説（作者や作品の文体、雰囲気が似たもの、模倣したもの）ですわ。
今話しているその小説は、スチームパンクＳＦの世界観のなかに、有名な小説の登場人物たちや実在の人物を放り込んで造られた作品ですの。
つまり同志氏は、ＳＦ小説のキャラクターが気に入ったロベルトさんへ、元ネタの大長編文学を読むように薦めた、と言う訳！」
「ししゃ帝は色んなキャラクターが出てくるよ。例えば——」
ロベルトはイリヤや陽毬たちの為に名前を幾つか挙げていた。その時、ふと引っかかる名前が喉元で詰まる。
（そういえば大道寺が呼んでる双子のあだ名……、Ｄ……イヴァン………もしや？）
首をひねって考え込んでいると、ロベルトの様子に気づいたイリヤが、隣の席から身を乗り出してきた。
「どうしましたロビ？」
純真な眼差しを受けた途端、ロベルトは思わずそのキャラクターの名前を口に出した。
「……アリョーシャ」
「А？（え？） 誰の話し？」イリヤは首を傾げた。
ロベルトが答え合わせをしようかと紅緒を見ると、彼女は翠響へ「さあ次は私たちの番ですわね」と声をかけて席を立ってしまった。仕方なくこの話題は後にしようと、イリヤに向き直る。
「小説の話しさ、なんでもないよ。それよりどうだいイーリャ、だいたいどんな遊びかわかったかな？」
「はい！ ロビは陽毬さんと一緒でしたね。僕も負けませんよ！ ね、月詠さん」
「正直絵を描きたくてやってきたから、勝ちに拘らないつもりだけれど、自分の手が届く範囲なら勝負させて貰うよ」
月詠とイリヤが会話を続ける間、ロベルトの視線はカウンターへ釘付けになっていた。
次の試合の読み手になった陽毬がプロの司会経験からか一声で皆の注目を集めたが、それでも彼の頭はなかなか切り替わらなかった。
さて。二試合目は、梢と英二のチーム対翠響と紅緒のチームだ。
「カルタって得意ってわけじゃないんですよねー。
昆虫採集とかで動体視力は高くても、カルタ動いてくれませんからね！」
梢は英二に笑いながらそう話す。英二は少し考えるように静かな瞬きをしてから口を開いた。
「１日にエリレナ先輩とイリヤ君たちと、初日の出を見に行ったんだ。その時僕が正月の遊びの話を出して……」
「なるほどー、それで大道寺さんがカルタをやろうって言ったんですかー」
「かもしれない。
とりあえずイリヤ君は初めてみたいだし、楽しんでほしいな」
だから真剣にやりたい、そう言うような英二の眼差しを受けて、ふむふむと頷いた梢は、テーブルに向かって首を回した。
「まあゆるーくいきましょー！」
「僕の話し聞いてました！？」
武道が一枚だけ取れた「きせい虫だらけのマンボウ」の絵札を振りながら、正面を見て感嘆する。彼が強さを讃えていたのは、タルトとレナートのチームではなく、刀と誉のチームだった。
タルトとレナートのチームはスタートダッシュこそ良かったが、誉と刀の方は後半からの追い上げが凄かった。勝ち進んだのは彼らのチームだ。
武道とエリセイのチームは一番取り札が少なかったものの、満足げな表情だ。
「いやぁ、楽しかった……！！」
「ね、結構笑えた。……レーナ」
「そだね、負けた罰ゲームって訳じゃないけど、お菓子でも用意しようかな」
エリセイとレナートがカウンターへ入って行く。
そこで次のチームの対戦が始まる前の少しの休憩だ。４０枚を超える札を読み上げた紅緒に、ロベルトは紅茶を差し出した。
「大道寺って、本なら何でも読むタイプ？」
「そうですわね……。
文学が多いけれど、エンターテイメント作品も好きですわ。ＳＦ、ファンタジー……、
ほら、この間貴方がネコミケでグッズを買っていたししゃも帝国も拝読しましたわよ。
自分では書かないタイプですから勉強にもなりましたわ。貴方は……、あの死んでいる少年がお好みなのかしら？」
「その他にロシアンスパイが気になったけど、彼はししゃ帝では２３歳らしい」
さも残念そうに言って、ロベルトは熱くなる。
「彼のショタ時代が見たい！ そう零した僕に同志は無言で『ある本』を差し出したんだ……読んだけど彼出てくるの下巻じゃないか！」
「あの分厚い上中巻を読破しないと、彼は登場しませんわねぇ！」
紅緒が可笑しそうに目を細めている。彼らの会話を横で聞いていたイリヤは、邪魔にならないタイミングで口を挟んだ。
「シリーズだったんですか？」
「いいえ、あれはパスティーシュ小説（作者や作品の文体、雰囲気が似たもの、模倣したもの）ですわ。
今話しているその小説は、スチームパンクＳＦの世界観のなかに、有名な小説の登場人物たちや実在の人物を放り込んで造られた作品ですの。
つまり同志氏は、ＳＦ小説のキャラクターが気に入ったロベルトさんへ、元ネタの大長編文学を読むように薦めた、と言う訳！」
「ししゃ帝は色んなキャラクターが出てくるよ。例えば——」
ロベルトはイリヤや陽毬たちの為に名前を幾つか挙げていた。その時、ふと引っかかる名前が喉元で詰まる。
（そういえば大道寺が呼んでる双子のあだ名……、Ｄ……イヴァン………もしや？）
首をひねって考え込んでいると、ロベルトの様子に気づいたイリヤが、隣の席から身を乗り出してきた。
「どうしましたロビ？」
純真な眼差しを受けた途端、ロベルトは思わずそのキャラクターの名前を口に出した。
「……アリョーシャ」
「А？（え？） 誰の話し？」イリヤは首を傾げた。
ロベルトが答え合わせをしようかと紅緒を見ると、彼女は翠響へ「さあ次は私たちの番ですわね」と声をかけて席を立ってしまった。仕方なくこの話題は後にしようと、イリヤに向き直る。
「小説の話しさ、なんでもないよ。それよりどうだいイーリャ、だいたいどんな遊びかわかったかな？」
「はい！ ロビは陽毬さんと一緒でしたね。僕も負けませんよ！ ね、月詠さん」
「正直絵を描きたくてやってきたから、勝ちに拘らないつもりだけれど、自分の手が届く範囲なら勝負させて貰うよ」
月詠とイリヤが会話を続ける間、ロベルトの視線はカウンターへ釘付けになっていた。
次の試合の読み手になった陽毬がプロの司会経験からか一声で皆の注目を集めたが、それでも彼の頭はなかなか切り替わらなかった。
さて。二試合目は、梢と英二のチーム対翠響と紅緒のチームだ。
「カルタって得意ってわけじゃないんですよねー。
昆虫採集とかで動体視力は高くても、カルタ動いてくれませんからね！」
梢は英二に笑いながらそう話す。英二は少し考えるように静かな瞬きをしてから口を開いた。
「１日にエリレナ先輩とイリヤ君たちと、初日の出を見に行ったんだ。その時僕が正月の遊びの話を出して……」
「なるほどー、それで大道寺さんがカルタをやろうって言ったんですかー」
「かもしれない。
とりあえずイリヤ君は初めてみたいだし、楽しんでほしいな」
だから真剣にやりたい、そう言うような英二の眼差しを受けて、ふむふむと頷いた梢は、テーブルに向かって首を回した。
「まあゆるーくいきましょー！」
「僕の話し聞いてました！？」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年04月06日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年04月13日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年04月13日 11時00分
