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COMBUSTION - 寝子島発火騒動
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◆
倉庫の外を、
碧川 雪月
は倉庫の廃材の陰から陰へと身を隠しながら進んでいく。
周囲に他に人はなく、聞こえてくるのは風の音と倉庫が軋みを上げる音、そして自分の息遣いだけ。
自分で言い出したこととは言え、一人で進んでいくのはやっぱり少し怖い。
――カラン、と。
不意に、甲高い音が耳を刺すように響いた。反射的に、雪月は錆びついた鉄骨の陰に身を隠す。
息を潜めて耳をすますが、聞こえてくるのはからからと金属が転がるような音ばかり。
鉄骨の陰から注意深くそちらに目を向ければ、そこにはただ鉄パイプが数本転がっているだけだった。
『碧川さん、大丈夫ですか?』
インカム越しの
加瀬 礼二
の安否確認に「大丈夫」と小さく応じる。
「放置されてた資材が、崩れただけだったから。……もう少し、」
進んでみる、と言いかけて。雪月は慌てて鉄骨の陰に頭をひっこめた。
二人分の足音が、人影が、鉄パイプの山の向こうに見えたからだ。
早鐘を打ち始めた心臓を抑え、ちらりと陰から覗き見る。でっぷりと、見るからに太った男がそこに居た。
「あいつと合流かぁ、めんどくさいなぁー……」
携帯の画面を眺めながら、男はため息混じりにひとりごちた。携帯をしまうと、のっしのっしと重たい足取りで来た道を引き返していく。
「加瀬君。見張りの太った男を見つけた。今から、誰かと合流するみたい」
『わかりました。あとはこっちでやりますから、碧川さんは戻ってもらっても大丈夫ですよ』
◆
のっしのっしと、重い足取りで歩いていく太った男。その背中に、
「――すいません!」
妙に必死な印象の声がかけられた。
げっ、と内心で毒づく。ポケットの中に忍ばせてあった改造スタンガンに手を触れながら、男は振り向いた。
「すいません! 小学校低学年くらいの……双子を見ませんでしたか!?」
潮風で乱れた髪を振り乱し、彰尋はほとんど泣きそうな顔で男にそう言った。
見るからに必死、いやむしろ鬼気迫るといってもいいくらいの姿。演技とはいえ、なかなかひどい有様だった。
「ほらほら、お兄さん驚いてるじゃないかー」
と、
三ヶ島 葵
が彰尋をなだめるように言う。それから男の方へと顔を向け、
「とはいえ、いやー私も心配でねー。お兄さん、何かしらないかいー?」
「なんだよぉ、知らないよぉ……」
葵はともかく彰尋の様子に気圧されたのか、それとも単にドン引きしたのか。露骨に面倒くさそうな顔で後ずさる。
が、彰尋はそれに追いすがり、
「ちょっと前に出て行ったきり見つからなくて、もう心配で心配で……!」
さらに葵が男の側面に回り込む。
「ほんのちょっとでもいいんだよー」
「知らないって言ってるだろぉ! あっち行けよぉ!」
男が苛立たしげな声をあげた、その直後。
とす、と男の首に手刀が突き立った。かくんと、糸が切れたように体勢が崩れる。
力なく振り返った男の目に映ったのは、手刀を構えた武道だった。
『スイ・マー』の進化能力で局所麻酔の効き目を直感的に把握した武道は、ほんのわずかに顔をしかめた。
効きが、甘い。
「な、なんなんだよお前らぁ!」
脱力した身体を、男が大きく揺する。途端、男の身体が掻き消えはじめた。――透明化のろっこんだ。
「逃がすか!」
すかさず彰尋が男に半ばタックルするように取り押さえ、同じく武道も男の消えた部分――だいたい足のあたりを抑えこむ。
「葵ちゃん、カメラ!」
「ふたりとも、離さないように気をつけてねー!」
さかさず、葵がデジカメで二人ごと男をフラッシュで撮影する。
「まぶしっ……!」
突然放たれた強烈なフラッシュの光に、男の集中が途切れたのだろう。透明になっていた部位が、色を取り戻していく。
加えて、葵の『Wucht Jagd』が彼の体力を奪っていく。
取り押さえている二人も例外ではない。しかし、同じ量の体力を奪われるなら、一人よりも二人のほうが断然有利だ。
ましてや、『スイ・マー』の局所麻酔まで受けているのだ。
男がぐったりと地面に伏せるまでは、そう時間がかからなかった。
「鴻上くんも志波先輩もお疲れ様だよー、協力プレイ大成功だねー」
「ああ……上手くいってよかったよ」
「ですね……」
葵の言葉に答える二人は、どうにもぐったりした様子だった。ふたりとも『Wucht Jagd』を受けるの覚悟で取り押さえていたから、こればかりは仕方ない。
体力を大分消耗してしまった二人に変わり、葵が男の服をひん剥いて縛り上げる。後ろ手に、脚も半ばエビ反りみたくなるように。
夜の倉庫街に半裸で縛り上げられて転がされた男の姿は、若干哀愁を誘う有様だった――それはともかく。
「志波先輩、縛り方はこんなものでいいかなー?」
「それだけ縛ってあれば、透明になっても大丈夫だと思う……って、何してんの?」
武道の怪訝な声に、葵はニヤニヤといつもどおりの表情のまま男の服のポケットを漁っていた。
「ほら、見張りだし鍵持ってないかなと思ってさー。……ん? こーれーはー……?」
何か固いものに、葵の手が触れた。しかし、鍵にしては大きすぎる。
何だろうと引っ張りだしてみたソレは、男が結局使えなかった改造スタンガンだった。
「おやおやー? これは危険物だねー? 責任をもって回収しておかないとだねー」
ほったらかしておくわけにもいかないので、とりあえず葵はポケットにしまっておくことにした。
そんな彼女の様子を見つつ、武道は制圧の旨をインカムで伝えるのだった。
◆
ひら、と。
音もなく、倉庫から一羽の蝶が飛び立った。月明かりの中、鱗粉を輝かせながら。
入れ替わるようにして、もう一羽の蝶が倉庫へと飛んで行く。二羽目の蝶は高く高く、月明かりの注がれる窓へと向かう。
しかし窓ははめ殺しで、蝶はただ無為にぶつかる――ことはなかった。
最初からそうだったかのように、蝶になって飛んでいったかのように、そこには何もなかったのだ。
ひらりひらりと、蝶はそのまま倉庫の中へと降りていく。
倉庫の中の人間が、誰か一人でも天井を見上げていたら気付いたかもしれない。しかし幸運なことに、外を警戒すれど「上」を警戒する者は誰も居なかったのだ。
やがて、ダンボールの陰に蝶が消える。
次の瞬間、そこから顔を出したのは
屋敷野 梢
だった。当然、二羽目の蝶は『胡蝶の詩』で姿を変えていたもの。一羽目は、窓の姿を変えたものだ。
(こちら屋敷野です。ひとまず侵入に成功しましたよー)
『では作戦通りに。くれぐれも気をつけてくださいねぇ』
短く礼二とやりとりを済ませ、梢は倉庫の中を進んでいく。
明かりは使えない。今となってはただの穴となった窓からの光と、自身の夜目だけが今は頼りだ。
(うわー……これ、ライター用のオイルじゃないですか。どこからこんなに用意してきたんですかねえ)
進みながら、目に留まった引火性の物質を蝶へと変えてはバックにしまう。
(人質の人が居るのはー……あっちですかね、っと)
近づいてくる足音に、ダンボールの山の陰に身を潜める。
蝶に姿を変えて盗み見てみれば、バールのようなものをかついだスカジャンの男だった。
ふぁぁ、と間の抜けたあくびをしながら、男はゆっくりとした大股で近づいてくる。
しかし、蝶になっている梢には気づけなかったようで。適当にうろうろと周囲を見回すと、そのまま背中を向けてしまった。
これ幸い、と柱まで飛んで行く。
(しかしどうすっかなー…)
柱にくくりつけられたまま、
七緒 璃音
は思考を巡らせる。
他の人質も居るようだしどうにかしたいが、いかんせん拘束されたままでは何ともしがたい。
外部から助けがあれば、あるいは――と思った、その矢先。
ふっ、と。音もなく、腕が自由になる感覚が。目を瞬かせて振り返ると、夜目に見えるは一羽の蝶――そして、頼りになる後輩の姿。
(助けにきましたよー、先輩)
(こずこずぅぅマジ助かったぁぁぁ)
声を潜めて感謝感激、さらに梢から話を聞いて現状を確認。再び蝶になった梢を見送って、他の人質救出のために動き出した。
液晶のバックライトを光源に、コートで漏れを最小限にしながらそろそろと柱の間を移動していく。
(お、麺子じゃん)
柱の一つに見知った麺子、もとい華菜子を発見。
背後に近づいていくと、華菜子もまた気付いたようで。目を大きく見開く彼女に、璃音はしーっと人差し指を立てる。
華菜子の拘束を解き、
(悪いけど他にも捕まってる人がいるっぽいから、助けてあげて)
(わかったアル!)
二手に分かれて更に他の人質の救出へ。
華菜子が真っ先に向かったのは、小さな子どもの縛られていた柱だった。近づいてみるとわかったが、男の子だった。
ずっと泣いていたのだろう。頬には乾いた涙の後がこびりついていて、目は真っ赤だ。
そんな姿に心を痛めつつ、けれども励ますように笑ってみせる。
(大丈夫だよ、お姉ちゃんたちの友達が助けてくれるアル。だから、安心するアル)
小さく、けれども努めて元気いっぱいの声でそう言えば、男の子は泣きはらした瞳を拭ってこくこくと頷いた。
それから、男の子は別の柱を指差す。どうやら、そちらの柱には男の子姉か妹かが捕まっているらしい。
(お姉ちゃんに任せるアル!)
男の子を元気づけるように、そして何よりも自分を奮い立たせるように、華菜子はぐっと小さく握りこぶしを作った。
――ここまでは、順調だった。
よもやはめ殺し窓から侵入されるなどとは思っていない犯人グループは、窓には無警戒だったからだ。
けれども。
いつまでも異変に気づかないほど、彼らは鈍感ではなかった。
「リーダー、さっきから寒くねえ?」
かちかちと、ライターを弄びながらサブリーダーが呟く。
「……そうだな」
リーダーが、ぐるりと周囲に視線を巡らせた。
元々倉庫だ、暖かくはない。しかしさっきから、急に寒くなってきたような気がする。
そう、まるでどこからか冷たい風が流れ込んできているような――。
「……おい」
「どうしたんすかー?」
呑気な様子のスカジャンの男に、リーダーは低く、唸るような声で言った。
「なんで窓がなくなってるんだ?」
リーダーの視線の先。
はめ殺しのはずの窓の向こうから、冷たい風が吹き込んでいた。
「――お前ら、人質の方見てこい」
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3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月05日
参加申し込みの期限
2016年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月12日 11時00分
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