お注射のお時間です！｜リアクション

お注射のお時間です！

【Epilogue（あるいはここに「らっ倫」病棟を建てよう）】

　その頃、中庭ではテオドロス・バルツァが他人事のような顔をして、「ふぁぁ……」と大欠伸をかましていた。
『……ん？』
　テオは再び微睡に落ちようとした右目の瞼を少し持ち上げて、世界が元に戻り始める予兆を感知する。
『ようやく収まったか……。やれやれだぜ。まったくめんどくせー』
　テオが心の底から面倒くさそうにもう一度ふぁああと欠伸をかみ殺す。
　ふと耳を澄ませば、どこからともなく聞こえてくる「アーーー！」や「ぶひぃいいいいい！？」という悲鳴。
　いったい何人のモブが今回の事件の犠牲になったのやら、想像もつかない。もっともテオにはそんなことはどうでもいいことだったが。
　と、そのときだった。

「あら？　こんなところにもお注射が必要な猫がいるみたいね」

『あ……？』
　テオの目の前にデカい注射器を背負ったピンクのナース（♂）――ミッシェル・ナイスゲイが姿を現して、きらり瞳を猛禽類のように輝かせた。
　ミッシェルは『ひと』であり、テオの声は聞こえない。
　だが、その思考はどちらかといえばクローネ寄りで、それゆえになんとなくテオが気に入らないのであった。

　と・い・う・わ・け・で。

「お注射のお時間よん（はぁと」

『くっ……、されてたまるかぁああああああああああああああああああああああ……！』

　それから世界が完全にフツウに戻るまでのわずかな時間、「らっ倫」病院の中庭ではピンクのナース（♂）と灰色の猫が追いかけっこをする姿が見かけられたという。

　なお、テオが無事に逃げ切れたかどうかは、これをお読みのあなたの想像にお任せすることにする。

（今度こそ）めでたしめでたし。

〔了〕

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あとがき

担当マスター：水月鏡花
ファンレターはマスターページから！

というわけで、お疲れ様でした。ＭＳの水月です。ＳＭじゃないです。

いや、ヒドいリアクションでしたね！（完全に他人事

とはいえ、おおむね、書くべきことは書けたかなーと満足しております。
楽しんで頂けたなら幸いです。

ところで、最近テオさんがよくオチに使われてますね。じつはテオさんってオチ要員に向いてるんじゃないかと思うんだ（ﾅﾆ

まあそういうわけで、今回もだいたいそんな感じで（ぇ

ではでは最後になりましたが、改めまして、ご参加頂いた皆様、ここまでお読みくださった貴方様、そして「らっかみ！」に関わる全ての皆様に感謝を。

それではまたどこかのあとがきでお会いできることを祈って。

水月鏡花　拝

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