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いつもなら誰かしら子供が遊んでいる遊戯室にも庭にも、いつもなら誰かしら大人のいる調理室にも事務室にも、洗濯室にも洗面室にも、誰もいなかった。
自分の暮らす児童養護施設の中を一通り見て回って後、
津田 亮悟
は十一の齢にしてひどく暗い光宿した黒い瞳を瞬かせる。櫛を通さず跳ねた黒髪の頭を片手に掻き、誰もいない廊下を渡って自室に戻る。
(誰もいねぇのか)
目を覚ましたときから、どこからも物音ひとつしなかった。
(今日は何かある日だったか……?)
だとしても、施設を管理する大人の一人か二人くらいはいつもは残っていたように思う。
何事かあったとして、施設内の人間が一人残らず出掛けているとしても、どうでも良かった。戻って来た人間に何故一緒に行動しなかったのかと詰られるかもしれぬと考えて、途端、少年は瞳を歪めた。
左肩にまで及ぶ、左頬に残る痛々しい火傷痕を引きつらせて忌々しげな舌打ちをし、自室から自分のランドセルだけを持ち出す。
逃げ出すように施設の外に出る。朝の光の眩しさに瞳を細めて周囲を見回して、首を傾げる。
(……なんだ、外も誰もいねぇな)
誰も居ない道を辿り、誰も居ない小学校に着く。誰も居ない校庭を横切り、誰もいない教室を覗き込む。
(どうなってんだ……?)
いつもなら煩いくらいに子供の声のする校庭をもう一度見遣る。
学校は苦手だった。人がたくさん居る上にいつだってうるさい。しかも大嫌いな集団行動を強いられる。
けれど今、ここには誰もいない。子どもも、大人も、飼育小屋の動物たちさえも。
誰かが片付け忘れたサッカーボールが校庭を転がっていく。
北風に吹かれてあてどもなく転がるボールを一瞥し、そのまま捨て置く。ふらりと小学校を離れ、街に出る。
隣の中学校にも、桜花寮にも、キャットロードにも。彷徨い歩けば歩くほど、どこにも誰もいないことが明らかになるばかり。
(また神魂とかいう奴のせいか……?)
空に渡る風の音だけが聞こえる世界の中に立ち止まって思うのは、今までにも何度となく巻き込まれた、不思議な力による不思議な事件の数々。
それとも、とも思う。
(本当に俺以外のみんないなくなってしまったのか……?)
自分以外の誰も彼もが、跡形もなく消えてしまった世界。これはまるで、
(世界が終わったみたいだ)
誰の声も物音もしない町をふらつきながらそう思って、思った途端に唇を小さな笑みのかたちにする。
(……世界の終わりか)
いつだったか、そんな曲を聞いた気がする。
静かに不安を掻き立てつつ幻想的に始まる楽曲の初めの一節が耳朶に蘇る。
記憶を探るでもなく、思い出した。シーサイドタウンの音楽会館を拠点とする、クラシック同好会でだ。
(……どうせやることもないし)
大抵誰かが居るところではあるけれど、今日はきっと他の誰もいない。音楽会館に行って、その曲を探してみよう。
目的を定め、迷いも恐れもない足取りで少年はただひとりの街を行く。シーサイドタウンの一角に佇む音楽会館へと足を運び、勝手知ったる建物に踏み入る。防音施された廊下を渡り、目指すのは準備室。確か、そこに楽譜の並ぶ棚があった。
「……ん」
覗き込んだ一室の壁一面の棚を埋める楽譜を見上げ、亮悟は端から順番に目当ての楽譜を探す。
(確かあれはヨハネの何とか……)
誰もいない世界で、急ぐことはなにもない。学校に行けと言う大人もいないし、一緒に何かしようと煩い子供もいない。
(あ、あった)
「ヨハネの何とか」
取り出したのは、『ヨハネの黙示録より』。
パラリ、楽譜を開く。
(確か、世界の終わりにラッパが吹かれるって話が載った本がモチーフなんだよな)
憧れの楽器でもあるトランペットの演奏パートを見つけ、指先に音符をなぞる。
(難しそうな譜面だけど)
楽譜の並ぶ本棚の前の床に胡坐で座り込む。譜面を床に置き、ランドセルを背中から下ろす。傷だらけのランドセルの蓋を開いて取り出したのは、ハーモニカ。
(試しに吹いてみるか)
どうせ誰も居ない。夜遅くまでだって、いつまでだって練習していても、誰にも怒られない。
ハーモニカのマウスピースに唇を寄せる。
(……本当にこのまま世界が終わってくれればいいのに)
ゆっくりゆっくり、譜面を音でなぞる。
哀し気な鳥のように、切なげな風のように、ハーモニカが音を奏でる。この世の終わりの幻想曲を鳴らし始める。
(せめて)
このまま誰にも気づかれずに消えることができればいいのに。
(そしたらずっと一人になれるのに)
静寂の支配する世界で、少年はただひとり、ハーモニカを吹き続ける。世界の終わりを想って。己の望む孤独を想って。
奏でに奏で続け、夜闇が落ちる頃にその場に丸くなって眠って、――誰かの足音に、目を覚ました。近づく足音に、獣のように素早く物音もたてずに荷物をまとめる。物陰に姿を隠す。そうして、音楽会館のあちこちに感じ取れる人間の気配に嘆息する。
(……やっぱり)
あの終わりの世界は夢か何かだったのだろう。
自分の存在する世界には、こんなにも人間で溢れている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月23日
参加申し込みの期限
2016年03月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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