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寝子島高校一年生でもあり、星ヶ丘寮に居を構える主に仕えるメイドでもある
イルマ・サトウ
の朝は、高校が冬休みに入っていようとも構わず早い。
枕元の目覚ましが午前四時の起床を知らせて鳴るよりも一瞬早く目覚まし機能を切り、布団を押しのける。部屋に設えられたバスルームで身を清め、昨夜に用意したメイド服を手早く身に着ける。
令嬢付きのメイドであることを示すホワイトプリムを栗色の髪に着け、海色の瞳に瞬きひとつ。イルマは主の側に常に仕える忠実なメイドの顔になる。
己のベッドを整え、カーテンを開く。未だ暗い冬の朝の庭をひと眺めして、部屋を出る。
星ヶ丘寮の特徴でもある、まるで一軒家のような広い廊下に出た途端、僅かな違和感に気付いてイルマは穏やかな弧を描く眉を顰めた。それでも、朝のメイドは忙しい。
違和感の正体を探ることはさておき、厨房に向かう。静けさの支配する厨房で手早く丁寧に朝食の準備にかかる。
主の起床時間に合わせ、熱いコーヒーと食事が提供できるよう滞りなく準備を終え、主の部屋に向かう。
廊下を渡りながら、違和感の正体に気付いた。
(……何故こんなに静かなのでしょう)
廊下の窓を揺らす北風の音ばかりが響いている。
薄く明け始めた空に舞う冬雀の声も、今日は聞こえない。
主の部屋の前に立ち、扉を叩く。応えはない。
「お嬢様」
そっと呼びかけ、耳を澄ませる。扉の奥、人の気配がしない。
窓の外に嗤う北風に不安を掻き立てられた。それでも慌てず騒がず、忠実なメイドは扉を開く。
「お嬢様?」
覗き込んだ部屋に、主の姿だけが消えていた。
開けた扉をそのままに、主のベッドに歩み寄る。今その瞬間まで使用していたかのように、主のかたちを残した布団。欠けているのはその主のみ。
動揺の欠片も見せず、イルマは空色の瞳を主の部屋に巡らせる。部屋の化粧室にも主の気配はない。となれば、
(出かけた)
思い浮かんだ可能性を即座に否定する。
(朝の六時にですか?)
そもそも、キッチンに居た己に気付かれず主が外出できるとは思えない。
「……お嬢様」
空の部屋に主を呼ぶ。浅くなりそうな息を静かに整え、もう一度冷静に周囲の様子を探る。
主のスマートフォンはベッドサイドの充電器の上に置かれたまま。
前夜用意した制服はハンガーにかかったまま。
窓は内側からロックされている。何者かが侵入して己のお嬢様をどうにかした、という可能性もなさそうだ。
(これは)
窓の鍵に冷たい指先を触れさせつつ考えて、
(これは、人間消失……!)
真顔で真理を悟る。今までに読んだ推理小説にも幾度となく描かれた、
(スーパーナチュラルな現象がこの部屋で……)
不可思議な事件に行きあった探偵の顔で、メイドは事件現場を歩き回る。こういった時にまず連絡すべきは何処だろう。
(警察……)
否、とかぶりを振る。
(このようなケースでは役立たずと相場は決まっています)
いつもならば主が横たわっているはずのベッドの前、足を止める。まずは落ち着かなくては。
密室での何の前触れもない人間消失。
(確か似たような話が……)
今までに読み漁った書物の記憶を探り当て、イルマはひとり頷いた。あの話にこの現象を解決するための手がかりがあるかもしれない。
落ち着かなくては、と深呼吸を主の部屋に残し、小走りに自室へ向かう。
(冷静に、)
自室の扉を体当りする勢いで開き、自身のコレクションを収めた作り付けの本棚に手を掛ける。膨大な珍書奇書の類の背表紙を指先に辿る。
(冷静に対処しましょう)
今のこの不可思議な現象の参考になりそうなものを探す。
奇書珍書収集を趣味としてこの方、方々の書店古書店を巡りにめぐって集めに集めた大切なコレクション。読めば精神に異常を来すとされる怪書、常軌を逸した内容から一代の奇書とされる小説、色鮮やかな植物的なナニカの挿絵に彩れながら誰も読めぬ文字で書かれた古文書。
様々な奇書の中に彷徨うたメイドの指先が、
(そう、確かこれ)
取り出したのは寝子島書房『キャットルフ全集』。数十年と前に猫好きなアメリカのホラー作家が著し、キャットルフ神話として今なお人気を博して読まれ続ける傑作コズミックホラーの寝子島書房版。
重厚で禍々しい装丁を目の当りにして、思わず唇に笑みが滲む。
寝子島書房版は特に少数しか出版されておらず、レアリティが極めて高い。これを手に入れたのも、奇縁としか言いようのない奇妙な――
(……まぁ、それはともかく)
本棚の前に立ったまま、イルマは書物の頁を繰る。
(この状況に合致していそうなのは、)
――窓に! 窓に!
(ですから侵入者はいません)
――馬鹿め、お嬢様は死んだわ
(縁起でもないです)
場面場面に突っ込みを入れて、イルマは存外役に立たない寝子島書房版『キャットルフ全集』を閉じる。
(とはいえ……)
己の収集した本を読み耽れば、もしかすると主消失の謎が解けるかもしれない。
膨大なコレクションを前に、冷静な風に見えて案外動揺しているメイドは決意を固める。こうなれば、お嬢様が戻るまで、世界が戻るまで、己のコレクションに目を通し続けよう。
くすくすとイルマは笑う。それがいい、そうしよう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月23日
参加申し込みの期限
2016年03月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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