ウィンター！部活動のお時間です！～運動部編～｜リアクション

ウィンター！部活動のお時間です！～運動部編～

　草むしりを終えた部員達がぞろぞろと用具入れに移動すると、そこには一足先に来て準備をしていた七音侑と青物といきが待っていた。
「とりあえず箒持ってきてるよー」
「本丸用具入れの大掃除にゃ！　雑巾やゴミ袋も準備ばっちりにゃ！　みんなで頑張るにゃー！」
「ありがとねー、２人とも！　助かったよ」
　若菜が微笑んで礼を言う。後輩２人は顔を見合わせえへへと笑った。

　わいわいがやがや。みんなで清掃手順を確認している時、ガラガラガラと大きな音が近づいてきた。

「てーへんだてーへんだ……じゃなくて、待たせたなみんなーっ！！」
「ちょ、ちょ、宇佐見止まれってー！」
　半袖短パンの宇佐見望月が凄い勢いで大きな大八車を引いてきた。その後ろを支えるのは顧問の幸太だ。青い顔をした幸太を半ば引きずりながら大八車は用具入れの前でキキーッと急ブレーキをかけ、ようやく止まった。
「お、お、お……これは……！」
　部員達が到着した大八車を囲み、どよめきを上げた。車上には何やら大きな物が縄で縛られて載せられている。望月はちょっと得意げに鼻をこすり、両手でバッとその荷物を指した。
「ふっふっふ。貧しき民々よ跪くがいい。そう、コレこそが新品の高跳びマットとハードル様だーっ！」
　イエーイ！　と望月がポーズを取る。ウオオーと部員達が歓声を上げる。何ともノリの良いクラブである。幸太が慌てて彼らに口を挟んだ。
「来年度の部費の追加配分があるから、それを見越した上で何とか購入したんだ。こんなの毎年ある訳じゃないから大事に扱ってくれよ」
「分かってますよこーちゃんセンセー！」
　望月はグッと親指を立てる。半袖でのその元気な様子に幸太は思わず笑ってしまう。
「宇佐見お前寒くないのか？」
「ダイジョブダイジョブ、動けば関係ねーし。つーかこーちゃんセンセより全然若いし」
　ニッと笑う望月は、「なにお俺だってそんなに年じゃないぞー！」と抗議する幸太をほっぽらかし、荷台の縄をほどき始めた。
「古くなった高跳びのマットとハードル出して、ボロいのはこの際テッテーテキに処分しちまおうぜ！」
　よっしゃー！　と部員達も元気に行動を始めた。