ウィンター！部活動のお時間です！～運動部編～｜リアクション

ウィンター！部活動のお時間です！～運動部編～

「サッバゲー♪　サッバゲー♪　何かかっこいーね！」
　本校舎への移動の道すがら、マシンガンを肩から掛けたののこがスキップをする。その後ろからついて行く美弥子は何だか不安そうだ。
「どうしよう……。何だか緊張してきちゃった」
　その肩をぽんと美咲紀が叩いた。
「大丈夫ですよ！　お試し体験なのですから、思いっきり楽しみましょう！」
「大丈夫、かな？」
　美咲紀の明るい声に少しだけ笑顔が戻った美弥子が、小さな声で訊く。美咲紀が大きく頷いた。
「串田ちゃんやののちゃんはスキあらば遠慮なくバシュッと撃っちゃって良いのです！　後は射撃部のしゅーくんや須藤さんが何とかしてくれます！」
「美咲紀も射撃部だろ」
　元気よく言っていた美咲紀のヘルメットを修がコンと軽く小突く。美咲紀がてへへと笑った。
「まー確かに俺や八神に任せて、女の子達はゲームを楽しんでくれや！　俺の射撃の腕は、女の子のハートを射貫くのと同じくらい確かやで！」
　ウインクしながら清一郎がライフルを肩に担ぐ。横で八神がぼそりと言った。
「……それは凄く不安だな」
「何やて八神？！」
　２人のとぼけた掛け合いに女の子達が楽しそうに笑う。どうやら緊張も取れたようだ。

　本校舎の昇降口前に着くと一同は立ち止まる。修が時計を確認し、皆に言った。
「インドア戦では音が大敵だ。声による指示は最小限。基本打ち合わせしたハンドサインを使用する。音に気を付け、移動を素早く。俺達が倒れても気にするな。構わず旗に向かってくれ」
　全員が真剣な顔で頷く。そこで修が鮮やかに笑った。

「勝っても負けても楽しくゲームをしよう！」
「「「「「オーッ！」」」」
　高らかに声を合わせ、全員の気持ちが一つになった。
　そして昇降口に一列に並ぶ。修の手が高く上がった。指でのカウントダウンが始まる。

＜５＞
＜４＞
＜３＞
＜２＞
＜１＞

　修の腕が前後に大きく振られた。
　寝子高射撃部、突撃！！