this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
<< もどる
1
…
12
13
14
15
16
…
20
つぎへ >>
じゃりじゃりと、ペリドットの小道を踏み締める音がする。
一行の前に現れたのは、高校生ほどに見える小柄で華奢な少女だった。
そのかんばせに花綻ぶような笑顔を貼り付けて、言うことには。
「見事なお手並みね、侵入者さん。こいつら、あっという間にやられちゃった」
役立たずね、と、少女は足元に転がる騎士を蹴って捨てる。笑顔を消して、苛立たしげに。
「あの御方が遣わしてくださったから使ってやったのに、ういの顔に泥を塗るつもり?」
自らを『うい』と名乗る少女は怒りを足元の騎士にぶつけるばかりで、こちらに向かってくる様子はない。
そんな少女へと、
エレノア・エインズワース
は小首を傾げて問いを投げてみせた。
「こんにちは、くそったれのクローネは元気にしてました?」
少女の意識が、騎士からエレノアへとゆるりと移る。
くすり、その唇から笑みが漏れた。
「挑発? それとも鎌掛けかしら? いいわ、隠すつもりもないから乗ってあげる」
少女は言う。己は、クローネの忠実なる僕だと。
「――だから、そういう物言いにはものすごーく腹が立つの!」
言って、少女は羽織っていた甘い桃色のコートをバッと広げる。
そこには――数限りないナイフがぎらぎらとして光っていた。
「……野原の獣を殺したナイフ使いか」
サキリ・デイジーカッター
の赤い双眸に、隠し切れない感情の昂りが映る。
瞳を輝かせて、けれどどこまでも冷静にサキリはナイフを手の中に弄んだ。
(彼女に恨みは無いんだけどね。でも……襲ってくるっていうなら、喜んで迎え撃つ)
そんなことを胸に思い、サキリは丘の上から行動を共にする仲間の名を叫ぶ。
「エレノア!」
「ええ、お任せください」
サキリの意を察して、素早く摘み取った幾らもの紅玉の実を少女へと投げつけるエレノア。
かくして、自然の爆弾は過たず少女を目指して飛び――、
「っ!?」
空中でころんと愛らしい苺にその姿を変えるや、ぎゅんと音を立ててサキリたちへと迫った。
予想外のことに成す術もなく、苺に姿を変えた爆弾は一行の懐にとび込み、
「くっ……!」
爆発音と焼けるような痛みが、容赦なく5人を襲う。
森に、少女の笑い声がころころと木霊した。
「さあ、よく見てね! こんなにいっぱい! クローネ様のおかげよ!」
自身のコートの中身を、うっとりとして見回す少女。
コートに取り付けられたナイフたちが、これもまた苺に変わる。
「危ない! 避けて!」
「避ける? そう簡単にはいかないわよ!」
顔色を変えて叫んだ
仙藤 紫
の訴えを、少女は一笑に付した。
次の瞬間――少女のコートから、苺の群れが一行へと向かって乱れ飛ぶ。
苺は縦横無尽に飛び回り、5人の身体を血に汚していった。
まるで、それ自体が意思を持った生き物のように。
「苺に変わったのは見た目だけ……実態はナイフのままのようですね」
簡易ナイフで可能な限りの苺を弾きつつ、
御巫 時子
は頭を働かせる。
けれどその答えは、すぐには事態の解決には結びつかない。
身体中に血を滲ませながら、唇を噛むのは
大天使 天吏
だ。
(クローネ様の駒……接触を図りたいけれど、この状況じゃ……)
少女は、天吏にそれを許しはしないだろう。
それにこうなってしまっては、密かに彼女と通じるのも難しい。
(色々と情報を仕入れたかったけれど、聞く耳を持ってはくれなさそうね)
天吏のそれとはベクトルの異なる、けれど同様のもどかしさを紫も胸の内に隠す。
頬にちりと赤色を滲ませて、胸中に息を漏らすのはサキリだ。
「ナイフの技はろっこんの力か。当てが外れたな」
残念だとばかりに苺をまた一つ弾き飛ばして、サキリはもう一度エレノアに呼び掛ける。
「エレノア、もう一度あの実を投げてくれ」
「それは……構いませんが」
果たしてその行動に意味があるのだろうかと緑の眼差しが僅かに揺れたが、
「……まあ、いいでしょう。そう言うからには状況を好転させてくださるんですよね?」
エレノアは、木苺に似た実を少女に向かって投げつけた。
ふん、と少女が馬鹿にするように笑う。
「さっきもやったやつでしょう? それ、ういには効かないの」
紅玉の実が、空中でまたも苺に変わった。途端、
「ナイフが……」
紫の唇から、音が漏れる。
辺りを飛び回っていた苺ナイフの猛攻の精度が、俄かに落ちたのだ。
けれど、まだ油断の出来る状態ではない。
「ほら、どうするの? さっきとおんなじことを繰り返すのかしら?」
苺爆弾が、一行の元へと真っ直ぐに飛んでくる。
そんな中で、サキリはごく僅かだけ口の端を上げた。
「――安心してくれていい。同じにはならないよ」
ナイフを手に、サキリは空間を切り裂くところをイメージしてみせる。
「捉えた……!」
次の瞬間には、サキリは隙を見せた少女の真後ろに回り込んでいた。
背に鋭い物を突き付けられてびくりと固まる少女にナイフを突き刺す代わりに、
「危害を加えて来ないなら戦う気はなかったんだけど」
と、サキリは彼女のこめかみに手刀を食らわせる。
クローネに騙され利用されているとしたら、彼女もまた被害者だと思ったのだ。
少女の身体が崩れ落ちる、元の姿を取り戻した少女のナイフが地に落ちる、その刹那。
サキリは今度こそナイフを用いて、彼女の胸元を飾る白亜の鍵のチェーンを切り落とす。
「悪いけど、これは貰っておくよ」
あの鳥籠と関係がありそうだというサキリの言葉は、少女の耳には届かなかった。
次に目が覚めた時少女が目に留めたのは――そのかんばせに笑みを湛えたエレノアの姿だった。
少女はすぐに、腕の自由が利かないことに気づく。
彼女の預かり知らないことだが、少女はベルトを用いて、後ろ手に両手を縛られていた。
混乱する少女を見て、エレノアは口元を彩る笑みをより一層深くする。
「拘束させていただきました。尤も、道具がないので簡易なものですけど」
本格的に拘束できないことが残念だとでも言いたげな口ぶりで囀るエレノア。
その言葉に状況を理解したのか、少女は視線を彷徨わせる。
彼女の双眸が捉えたのは――紫が手にしていた黒い羽根だ。
少女の首筋に刺さっていたのを安全の為に回収していた物だったが、
「っ!?」
瞬間、羽根は苺へと姿を変えて紫の手から抜け出そうとする。それを、
「やれやれ……懲りないね」
と、サキリが己のナイフで呆気なく近くの木へと縫い留めた。
少女の目が、再び『何か』を探して揺らぐ。しかし。
「失礼しますっ……!」
それを見留めた時子が、少女の両目を自分の手のひらで塞いだ。
「あの、視認が、能力発動の条件のひとつかもしれません……!」
状況の把握に努めていた時子の行動と言葉に、成る程と口の端を上げるエレノア。
「便利な能力をお持ちですね。それなら、その目も塞いでしまいましょう」
言って、エレノアは時子に彼女の指に結ばれているハンカチを渡すよう促す。
少女の目をハンカチで目隠ししたエレノアは、心底愉快そうに笑った。
「さあ、それでは話していただきましょうか。先ずは……そうですね、あの樹への道筋を」
「嫌。誰があんたたちなんかに……ッ」
少女の口から、言葉が紡ぎ終わられることはなく。
エレノアが、少女の腹を思い切り蹴飛ばしたのだ。
「っ、かは……!」
空気を求めて開かれた少女の口へと、エレノアは苺ミルク色の水を無理矢理に流し込む。
「さあ、答えなさい。そうでなくては、私のろっこんで窒息させます」
けれど、少女は答えない。正確には、答えられる状態ではなかったのだ。
「お願い、止めて。……様子がおかしいわ」
天吏の言葉に、エレノアがぴたと動きを止める。
拷問じみた扱いを受けながら口元に弛緩し切った笑みを浮かべる少女の様子は、明らかに尋常でない。
「……毒、だったんですかねこれ。自白剤代わりにでもなってくれたらいいんですけど」
素直になってくれるなら、エレノアとしてはそれでも一向に構わない。
少女の様子をさして気にすることなく、エレノアは再び問いを紡いだ。
「さあ、答えてください。あの巨大な樹への道筋は?」
「……小道を、真っ直ぐ……」
「成る程、この道はフェイクではないんですね。では、あの鍵は何です?」
エレノアのやりようへの心証はともかく、少女の答えに全員が耳を済ませている。
ぼうっとしたままで、少女はうわ言のように言葉を零した。
「鍵……檻を、開く……」
「檻? 鳥籠ではなくて? ……いや、同じ物を指すのか?」
サキリが、思案げに口元へと手を宛がう。
問いに、少女は答えなかった。意味を成さない呟きが、ぶつぶつとその唇から零れる。
「あら、もうお終いですか? まあ、いいでしょう。クローネとの関係は、本人が明かしてくれましたし」
「……この子、大丈夫かしら?」
「さあ? とりあえず、連れていきましょうか」
紫の呟きにそう応じて、ぐい、とエレノアはベルトで括られた少女の腕を掴んだ。
どうやら、このまま引き摺っていくつもりらしい。
「待って、彼女には私が肩を貸すから」
天吏の言葉にエレノアは緩く振り返り――構わないと応じる代わりに軽く肩を竦めた。
(クローネ様の駒……まだ使い道があるかも。壊してしまうには惜しいわ)
少女のためではなく、全てはクローネとの接触のため、己の目的のための申し出である。
「私も、天吏さんを手伝います……!」
時子がそう続けて、その場はとりあえずは丸く収まった。
手のひらの中にチャリと鍵を鳴らして、サキリが言う。
「――それじゃあ、先に進もう」
そして、一行は再びペリドットに彩られた道筋を辿り始めるのだった。
<< もどる
1
…
12
13
14
15
16
…
20
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月21日
参加申し込みの期限
2016年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!